「すべての道はローマに通ず」という言葉があるように,古代ローマ人は道路建設に長けていた.そのほか南米のインカ帝国や秦の始皇帝など大帝国の礎には全国に張り巡らされた道路網の存在があった.日本では戦国時代の最終的な勝利者となって江戸幕府を開いた徳川家康もまた,道路網の整備に熱心であり,関ヶ原の戦いの翌年1601年には,早くも江戸の日本橋を起点とする五街道の整備に着手している.
日本が現在の文明国としての地位を築くことができたのは,もちろん明治以降の近代化によるものだが,こうした先人の礎があればこそ,明治以降の急速な近代化が可能だったともいえる.
昭和61年,旧建設省によって道の日(8月10日)が制定されたのを契機に,こうした日本全国にたくさんある道路の中から,その歴史や景観,さらには各都道府県の推薦などを考慮して選定されたのが日本の道100選である.北は北海道から南は沖縄まで全国から合計104の路線が選ばれた.
2012年夏から日本の滝100選めぐりを始めたのだが,滝は山深い場所にあるものが多く,冬はシーズンオフ(というか現実的に訪問が困難)になってしまうため,その間に出かけられるものはないかと考えているうちに思いついたのがこの日本の道100選である.
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