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南部アフリカ旅行記(8)


2018年1月25日(木)


エレファントヒルズの朝
 明けて2018年1月25日木曜日になった.モーニングコールは6時,レストランは昨夜ビュッフェをいただいたところだが,昨夜に比べて使っている空間が広くなっていた.オムレツもあるアメリカンスタイルの朝食である(この日はクロワッサンも出ていたので食べる).
 朝食後はいったん部屋に戻って準備をして7時50分にロビーに集合となる.

朝食会場
 
 この日は一日かけてビクトリア・フォールズをジンバブエ側,ザンビア側両方から観察し,さらにはヘリコプターで上空からも堪能しようという予定である.水しぶきが凄いということで,他の参加者はみな雨合羽のようなものを持参しているが,「濡れたら自然乾燥だ」と開き直っている我々は特にそんな用意はない(笑).どうせ暑いだろうしというわけで足元もビーチサンダルである.  


バオバブの木
 8時にバスに乗り込んで出発,旅行も一週間くらい経ってくると特に指定されているわけでもないのに,大体みんな座る場所が決まってくるから不思議だ(笑).我々は中央よりやや前方の向かって右側に陣取っている.バスはホテルを出発してまずはビクトリア・フォールズの町の方向に曲がる.そして途中にあるバオバブの木でいったん停車した.バオバブはその独特の外観がよく知られた樹木で,主にマダガスカル島に存在することが知られているのだが(我々も2007年に訪問したことがある マダガスカル旅行記),アフリカ大陸にも1種類が自生しているらしい.

バオバブの木
 
で,バスが止まり我々が下りるのとほぼ同時に,どこに潜んでいたのか,現地の人の一団が出現してパフォーマンスを始めたから驚いた(完全に気配を消していたな 笑).   


エンジェル・フォールへ
 バオバブ見学の後再びバスに乗って滝へ向かう.途中道路でたむろしている猿の軍団がいた.10分ほどでビクトリア・フォールズ,ジンバブエ側入り口の駐車場に到着.ビクトリア・フォールズが世間で知られるようになったのは、1855年にイギリスの探検家リビングストンによって発見されて以降であるが,ここにはそのリビングストンの像が立っている.バスを降りるとここでも合唱隊のお出迎えがあった(笑).    

猿の軍団が!

ビクトリア・フォールズの入口

リビングストン像
   


悪魔の滝とメインフォール
 受付を済ませ,まずはガイドさんから簡単な説明を受けてその後一同滝に向かう.ビクトリア・フォールズとひとことで言っても,その滝幅は1700メートルもある(イグアスの滝の2700メートルには負けるが,ナイアガラの滝の1200メートルよりずっと長い).地上からその全貌を見ることは不可能であり,遊歩道を歩きながら途中何か所かのビューポイントから見学することになる.

滝へ向かいます
 
 まず最初がデビルズ・カタラクト(悪魔の滝)と呼ばれるポイントだ.ここは巨瀑というより,ちょっと規模の大きい急流という感じだった.しぶきも全然大したことはない.そこから少し歩いてカタラクトアイランドと呼ばれるちょっとした岩盤地帯(地上からは岩盤しか見えないが,上空から見るとザンベジ川のこの部分が島になっているためこう呼ばれる)をはさんで隣側がメインフォールズと呼ばれる部分,ここらへんからがガイドブックなどで見かけるビクトリア・フォールズっぽい感じになる.やや茶色がかった水が轟音とともに落下していく様は迫力十分だ.この辺りに来るとちょっとしぶきがやってくるが,まだ大したことはない(後でわかったのだが水しぶきの強弱は水量や距離よりも風向きで大きく変わる).  

デビルズ・カタラクト

普通の直瀑のよう

カタラクト・アイランド
 

メインフォールズ

風向きで一気に水煙が

記念写真
 
 そこからしばらくはメインフォールズを眺めながら開けたところを歩きながら所々のスポットを見学しつつ写真撮影,この頃から風向きが微妙に変化し始め,それとともに急にしぶきが強烈になったり止んだりする.風向きによって鮮明に見えていた滝が一気に水煙で見えなくなるなどダイナミックな光景を堪能できた(風の威力を実感).  
 


デンジャーポイント
 メインフォールズが終わるとリビングストンアイランドと呼ばれる岩盤地帯になる.そこを過ぎると滝の中で一番大規模とされるホースシューフォールズへ,ここも大量の水が谷底に落下して水煙を上げている.中間期のこの時期でこの水量だから多水期はいったいどんな状態なんだろうと感じた(光線の加減によって虹もかかる).そこからしばらく歩いていくと,ビクトリアの滝ジンバブエ側の最終地点,デンジャーポイントに到着,ここは1700メートルの滝幅があるビクトリア・フォールズから落ちた水がすべて集まってザンベジ川の下流に流れていく滝壺と川に挟まれた突端部で,柵も何もない文字通りデンジャー(危険)なスポットである.当然記念写真をということで慎重に岩場に足をかけて「ハイ!ポーズ」とやっていたら,なんと岩に引っ掛けてサンダルの鼻緒が取れてしまった(泣).現地ガイドが応急修理してくれたのだがすぐにまた壊れてしまい,以後裸足で歩く羽目になった(遊歩道がきちんと舗装されていたので助かった).

リビングストンアイランド(奥の水煙がメインフォールズ)

ホースシューホールズ
 

デンジャーポイント

ザンベジ川の下流

この直後サンダルが壊れる
 


新しいサンダルを購入
 デンジャーポイントから川を挟んで向こう側はザンビアであるが,遊歩道でそのまま国境越えはできない.いったん遊歩道を出発地点までもどることになるが,帰路は滝に近づかないのでそれほど時間はかからずに戻ることができた.
 出発地点にはお土産物屋があるので,まずはそこでサンダルを売っていないか確認(さすがにこの後ホテルまで裸足は悲しいので),店頭にはなかったものの係員が奥から出してきてくれた.26米ドルとこの辺の物価水準にするとかなり高かったが,まあ仕方ないとあきらめて購入した(店にあったもので一番小さいのサイズがフィットした).
   

ビクトリア橋

帰路の様子

サンダルを購入した売店
   


ザンビアに入国
 その後トイレ休憩をへて今度はザンビアの国境に向かう.まだジンバブエ領内だがここでザンビア側のバスに乗り換え,ビクトリア橋の袂でまずはジンバブエの出国審査,ここでは一人ずつ審査を受ける.その後再びバスに乗りビクトリア橋を渡った.渡った先に今度はザンビアの国境事務所があり入国審査を受ける.こちらは係員が全員のパスポートを預かりまとめて審査する形,よくわからないうちにパスポートが回収返却され,これでザンビア入国である.陸路の国境越えは2016年のヨルダン−イスラエル以来だが,あの時のような緊張感はまったくなかった(そりゃそうか 笑).    

ザンビア側のバスに乗り換え

見送りの合唱隊

ビクトリア橋を渡る
   


イースタンカタラクト
 無事にザンビア入国を済ませるとさっそく観光開始,ジンバブエ側と同様観光案内所のようなところから入っていく(滝とザンベジ川の模型があった).まずはビクトリア・フォールズの東の端が見られるスポットへ,こちらも結構水量があり大迫力,太陽の位置加減のため二重の虹も見られた.その次は滝の上側を覗ける場所に向かう.ザンベジ川の上流だがやや茶色い水が流れているのが見える.乾季になるとこの辺りはかなり水量が少なくなるため,滝の直上ぎりぎりまで迫ってそこで泳ぐという企画があったらしいが,死亡事故が続出したとのことで今は中止になっているらしい.
 この後は滝の全貌を見るため,ナイフスエッジと呼ばれる岬のような所を歩く.ここがイースタンカタラクトと呼ばれる部分,水量が多く迫力満点に加え,先ほどまでとは風向きが変わったらしく水しぶきがすごい! かつてギアナ高地のサポの滝の滝裏を歩いた時ほどではないが,魔笛の水の試練かと思うほど.雨合羽など用意していない私とKは全身ずぶぬれになってしまった(笑).ナイフスエッジは岬を一周するコースになっており後半は滝とは反対側を歩くのだが,カンカン照りの太陽を浴びているうちにずぶぬれだった我々の衣類もあっというまに乾いていった.また,ここからは滝壺まで下りられる遊歩道があるらしいが,今回のツアーでは行かなかった(相当急な上り下りになりそうだし,高齢参加者にはきつそうだ).なお今回の旅行中あまり他の日本人グループに会わなかったのだが,ここで阪急交通社のツアーの方々と遭遇した(我々に比べて大人数のようだ).

ザンビア側の説明

ザンビア側の滝とザンベジ川下流

二重の虹が
 

滝の上部(乾季は泳げる)

イースタンカタラクト

記念写真
 

水しぶきがすごい

びしょ濡れに

滝の落ち口
 
 


断崖に立つレストラン
 ザンビア側の観光は1時間程度で終了,再びバスに乗ってジンバブエに戻る(トランジットではない一つの国滞在時間の最短記録と思う).バスで国境事務所に戻り往路の逆のコースで進んでいくが,出国時は個別だったジンバブエの審査が今度はまとめての代行形式だった.
 入国後は昼食のためレストランに向かう.この日は滝よりも下流にあるザンベジ川のほとりに立つ現地の古民家風のレストランだった(ほとりというか断崖絶壁の上に立つイメージ).

ザンビア側にもリビングストン像が
 
 ここでザンビアのバスとお別れ,一般に陸の国境では国境の緩衝地帯でバスを乗り換えるのだが,ザンビア・ジンバブエ国境はその辺りがアバウトらしい.このレストランではバンジージャンプや各種ワイヤーアクティビティー(ワイヤーにぶら下がって川を横断するような企画)もできるらしい.参加者最高齢の男性が「やってみたいなぁ」みたいなことを言い,奥さんにたしなめられていた.自分も内心「やってみたいかも」と思っていたので,案外似たキャラかもしれない.
 待っていたらランチが登場,この日はギリシャ風サラダに川魚料理(魚の名前は失念 汗),フライドポテトの付け合わせという感じだった(追加でワインを2杯).なかなか美味しかった.
 

昼食のLookout Cafe

店内の感じ

断崖に面している
 

ギリシャ風サラダ

メインの魚

遠くビクトリア橋が見える
 


マーケットにて
 適当な時間となりバス(ここからはジンバブエ側のバス)に乗って町に戻る.途中お土産物を取り扱うマーケットに寄った.民芸品などが売られている場所だ.我々は眺めるだけだったが,年配の参加者が大きなキリンの置物を購入していた(結構なお値段がするやつ).そのあとは地元のスーパーへ,事前の話ではかなり品ぞろえが悪いということだったが,行ってみたら思ったほどではなかった.ただ僻地のためか日用品の価格は高く,Kが旅行先で購入する練り歯磨きが1本2米ドル以上した.買い物が終わって駐車場に戻ったら一般車両が我々のバスに接触したらしく運転手同士が口論をしていた(何と言っていたかは分からない).    


空からのビクトリア・フォールズ
 この後ようやくヘリ観光の時間となりヘリポートに移動,実は我々の宿泊しているホテルから目と鼻の先だった.行ってみると,さっきザンビアで会った阪急の人たちが搭乗を終えたところのようだ.ヘリは5人乗りということで今回は私とK,最高齢のご夫婦,1人参加の年配女性という組み合わせになった.まずは計量,ヘリはバランスが重要なためこの計量の結果で席が決まる(もちろん観光ヘリなので全員が窓側になる).
 全員が乗り込んだところで離陸,眼下に我々のホテルが見える(昨日泳いだプールの青が映える).その後ザンベジ川の上流に回り込む.川岸には昨日乗ったクルーズ船の姿もある.そして滝へ,地上からは一部だけだったビクトリア・フォールズの全貌が見える!すごい!本当に感動の瞬間だ.ここは地上からだけではなくぜひ空からも見るべきと確信したのだった.

ヘリに乗る前の記念撮影

このヘリに乗る
 

行ってきます!

我々のホテル

クルーズ船の姿も
 

上流から滝に迫る


ビクトリアフォールズ・ジンバブエ側から

滝前の尖ったところがデンジャー・ポイント
 

ビクトリアフォールズ・ザンビア側から

滝上の木が茂っているところがアイランドです

渓谷となっているザンベジ川の下流です
 


お洒落なディナー
 15分ほどのフライトでヘリポートに帰還,その後はバスでホテルに戻った.この後夕食まではシャワーを浴びて部屋で休むことにした(今日は朝から歩いて疲れたのでプールはなし).
 18時30分にロビーに集合し夕食のレストランに向かう.この日はビクトリアフォールズの町にあるロッジに併設されたレストラン,洒落たアンティークな感じだった.ジンバブエ滞在中一番高級感のある夕食ということで,参加者一同一番おしゃれな装いだったように思う.この日のメニューはかぼちゃのスープとメインが肉と魚の選択(肉を選択した),デザートという流れだった.ワインを注文したのは言うまでもない.周りの優雅な雰囲気とともに充実した時間となった.
 終了は20時30分,ツアーの食事としては異例の長さのような気がする.そのままバスでホテルに戻り明日に備えてさっさと眠りについた.

ロッジ併設のレストラン

お洒落な雰囲気
 

スープ

メイン料理

デザート
 



 

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