バスはそのまま町を離れて走っていく.このまままっすぐ行けば空港のある大きな町であるフリアカに行くのだが,この日は途中で左に折れた.昨日悪天候のため行けなかったシルスタニ遺跡に向かうためである.シルスタニ遺跡は西暦1000年頃のプレインカ時代(チューラホン文化)から15世紀のインカ時代に造られた墳墓群で,チュルパと呼ばれる円柱形の塔が特徴的だ.プレインカ時代のチュルパは小さな石を積み上げた素朴なものだが,インカ時代のものは,クスコやマチュピチュの石組みと同じような精巧なものとなっている.当時は100基を超えるチュルパがあったといわれるが,落雷やスペイン人による破壊によって大部分が失われ,現在残るのは5~6基程度である.
駐車場でバスを降りて遺跡に向かっ歩く.実はここはプーノよりもさらに標高が高くて4000メートルくらいあり,かなり酸素が薄い.しかも途中から登りになり一同黙々と坂を上がっていく(添乗員さんも辛い人は無理しないでバスで待ってて下さいと言っていた).しばらく上がっていくと,円柱形の塔が見えてくる.これがチュルパらしい.構成している石をよく見ると,トカゲの絵が描かれているものがある.トカゲは尻尾を切り離してもまた生えてくるなど,再生の象徴であり,この墳墓に埋葬されたミイラが再び命を得られるようにという願いが込められているものと思われた.遺跡にあるのはチュルパだけではなく,ストーンサークルのようなものもあった.これはインティワタナと呼ばれる日時計である(同じ名前の施設がマチュピチュにもある).その他,ピューマの石と呼ばれる岩もあった(形がピューマの顔に似ているからという話だったが,どの辺がそうなのか分からなかった 笑).
遺跡の一番高いところに立つと,眼下には大きな湖が見える.ここがウマヤ湖で,湖の中央には平らな地形の島がある.ここでは良質な体毛で知られるビクーニャが飼育されているのだそうだ.
約1時間ほどの遺跡散策の後,再びバスに乗り込んだ. |
駐車場から丘を登ります
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チュルパが見えてきました
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こちらはストーンサークル
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解説をするアレックス
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