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 ペルー旅行記(8)


2012年9月27日(木)


ホテルの朝

 この旅唯一のクスコの夜が明け,9月27日になった.今回の旅行もいよいよ後半になってきたわけである.いつもそうなのだが,このあたりから休みがおしまい→現実の影がちらつき始めちょっぴり悲しくなってくる.この日はクスコからアンデスの山々をドライブしてチチカカ湖畔の町プーノを目指す行程である.まずは朝食,昨夜のディナーと同じ会場でビュッフェスタイルの朝食をいただく.その後ちょっと時間があったためホテル内を散策してみることに.前日の記事でも触れたのだが,このリベルタドール・パラシオ・デル・インカは16世紀にインカを征服したスペイン人フランシスコ・ピサロの邸宅を改装したホテルと言われている.クスコは元々インカ帝国の都だった街であり,現在でも市内中心部にはインカの石組みの上にスペイン風の建物を載せた建築物がたくさん残っている.ここもそんな植民地時代の建物で非常に重厚な感じがするのだった.特にスペイン風建築物の特徴といえる中庭(パティオ)はこのホテルにもしっかりと残っていた.

スペイン風の中庭

朝食後寛ぐ我々
 

バスを乗り換える

 ホテル内を一通り散策した後ロビーに集合,ここから少し歩いて一昨日見学したサントドミンゴ教会の向かい側からバスに乗り込む(ホテルが市街地の狭い道路沿いのためバスが入れない).平日の朝ということで道路にはたくさんの車が行きかっていた.
 さあ一路プーノへと思っていたのだがさにあらず.まずは郊外に出てそこで大型のバスに乗り換えるとのことだった.

3日前も来たサントドミンゴ教会
 
実はクスコ市内は道が狭くて入り組んでいるために,いわゆる(40人くらい乗れる)大型のバスは走行が困難である.このため市内では全長の短い(すなわち定員の少ない)バスを利用していたのだが,今日はプーノまでの長丁場ということで,ゆったりと大型のバスを利用するということのようだった.リマ以来の大型バスはほぼ1人で2席を占有できる.みんな思い思いの席に座って出発の時を待った.この時現地ガイドがクスコ−プーノ間の街道沿いのガイド&マップを売りに来たので1部購入した.
 バスの乗り換えも無事に終わりいよいよプーノへ出発である.クスコからプーノへは自動車,鉄道,飛行機で行くことができる.このうち道路と鉄道はほぼ並行して走っていて,途中同じような景色を楽しむことが出来る.その距離約380キロ,途中標高4300メートルとこの路線最高地点,ラ・ラヤ峠を通過することになる.
 

近くに生えてたサボテン

平日の朝なので車が多い

今回購入した観光マップ
 


アンデスの温泉地

 出発後しばらくはウルバンバ川に沿って走っていく.街道筋には小さな町がいくつもあるのだが,途中オロペサという町でガイドのアレックスが巨大なパンを買っていた.ここはパンが有名な街なのだそうだ(休憩時間に参加者みんなでいただいた).その後途中で休憩を入れながらバスは快調に走っていった(高級毛織物で知られるアルパカがいるポイントもあった).
 クスコから140キロ地点にあるシクアニという比較的大きな町を過ぎたあたりから道路は徐々に上り坂になってくる.いよいよ峠筋に入った感じだ.このまま一気に峠に登るのかと思っていたが,バスはその手前にあるアグアス・カリアンテというところで停車,一同下車することになった.アグアス・カリエンテとはスペイン語で熱い水,すなわちお湯のことである.実はここは温泉が湧き出ているスポットなのだった.
 道路を横断し,草むらを降りていくと線路があった.日本だと踏切以外で線路を渡ると怒られるのだが,列車の本数が極端に少ない(たぶんJR山田線よりも少ないだろう)ペルーではみんな普通に線路を渡っていく.日本人の本能なのか,素早く渡ろうとする人もいるのだが,添乗員さんが「酸素が薄いですから,決して走らないでください」と声掛けをしていた.そうなのだ,ここは標高4000メートル,富士山の山頂よりも高いところにいるのである.線路を渡るとその先に何やら建物が並んでいた.どうやらここが温泉施設らしい.
 受付を通って中に入っていくと,温水プールなど複数の施設があり,地元の人らしき面々が楽しそうに入っていた(もちろん水着着用).その様子を横目で見ながら我々はさらに奥に進んだ.周囲を見るとあちこちに温度の高そうな温泉がゴボゴボと湧き出ている(恐山や地獄谷を彷彿させる景色だ).そんな場所に温泉水が川のように流れている一角があった.ここがいわゆるペルーの足湯スポット,我々も現地の人に交じって足を入れた(ムチャクチャ熱かったが 笑).
このルートは線路と並行します

オロペサ名物の巨大パン

羊がいます

ワカルバイン湖

シクアニの教会
 

道はウルバンバ川にも並行します

ビクーニャです


アルパカ(高級繊維素材 笑)

 

テンジクネズミ(クイ)

さっきのパン

線路を渡っても怒られません
 

温泉の入り口

ここで受付をします

広々としています
 

ゴボゴボと湧いています

ペルー式足湯

かなり熱いです(笑)
 

ここは38℃の風呂です


こちらは41℃(こっちの方が人気です)
 


ラ・ラヤ峠

 温泉を堪能した後,再びバスは峠道を登っていく.そしてついに標高4338メートル,富士山の山頂よりも600メートル近くも高い,ラ・ラヤ峠に到着した.
 さっそくバスから降りて歩いてみる.さすが標高4000メートル越えということで,空気の薄さをひしひしと感じる.実は今回の旅行に際して,動脈血液中の酸素飽和度(SpO2)を測定する器具を持参していた.下界では呼吸機能が正常な人のSpO2は98〜99%であるが,酸素の薄い高地に行 くと当然この数値は下がる.標高4300メートルではどうなるのかと,恐る恐る(笑)測ってみたのだが…
 な,なんと84%!,下界なら結構な肺炎にでもならないと出ない数字である.肺炎でこの数字ならそうとうに苦しいはずだが,酸素分圧の低下によるものなので特に苦しいという自覚はなかった.とはいえ,高地世界の凄さをちょっぴり感じた私だった.
 ラ・ラヤ峠は標高が高い以外には特にこれといったものはないのだが,やってくる観光客のほぼ全員が立ち寄るスポットなので,観光地お決まりのお土産物屋台がたくさん並んでいた.ここのお土産のメインはアルパカ製品,実はクスコ〜プーノ近辺はアルパカの飼育が盛んな地域なので,その関係のお土産が多かった.屋台では売り子の女の子が日本語で「くすこ高〜イ,ぷーの高〜イ,ココ安〜イ」と呼びかけていた(後から見るとたしかにその通りだった.とはいえ品質その他を考慮するとどうなのかは不明である).そんな中,道路の向こう側を見たら小さな川が流れている.実はこれウルバンバ川の源流なのだそうだ.ウルバンバ川自身がアマゾン川の源流だから,この小川もいずれあの大アマゾンに繋がっていることになる.非常にスケールの大きな話に感慨を覚えたのだった.

こんな標高でも放牧がおこなわれています

ウルバンバ川の最源流

ラ・ラヤ峠に到着!

記念撮影
 

こちらは有料モデルと(笑)


峠には露店がたくさん


酸素飽和度がかなり下がっています
 


おにぎり弁当

 つかの間の峠での滞在を終え再びバスに乗り込む.ここからはひたすら下りになるわけだ.バスが走り出すとアレックスがお弁当を配り始めた.これが本日の昼食のおにぎり弁当である.実は他の旅行社の同様のツアーでも(自分たちの第2希望だったツアーも),クスコからプーノへの移動日のお昼がおにぎり弁当という設定になっていた.もしかしてこの辺の日本人向けツアーでは有名なお弁当なのかと思ってしまった.ただ,添乗員さんからは,「まだ標高4000メートル以上なので,もう少し下ってから食べるように」という指示があった(酸素の薄い場所で食べると,消化器系に血流が集まって脳に行く酸素がさらに減り,具合が悪くなる可能性があるためと思われる).
 そうしている間にもバスはどんどん下っていく.一面不毛な原野ばかりだった景色も徐々に家など人の気配が感じられるようになり,やがて町が現れた.そろそろいいだろうということでお弁当をいただくことにする.中身はというと,おにぎりが3個(梅干し,鱒,炊き込みご飯),照り焼きチキン,ゆで卵,みかん(温州ミ カン?)と漬物だった.

この辺に来るとアンデスの高山もすぐそばに見えます


これがおにぎり弁当です
 
おにぎりの海苔は最初から巻いてあるのではなく,後から自分で巻くスタイル,パリパリしていて美味しかった.漬物は日本のものに比べると発酵度が少なく,代わりに生姜を利かせた感じで臭みが少なく食べ安かった(結局ほぼ完食).
 しばらく走っているうちに道路は平らになってきた.峠後の休憩場所として,ある町の商店(コンビニ?)に立ち寄る.トイレ休憩に加えて買い物もでき るということで,私はガイドお勧めの地元の練り歯磨きを購入した(Chicha Moradaという紫トウモロコシフレーバーの歯磨きだった).
 

お弁当の中身

海苔は自分で巻くスタイル

紫トウモロコシ味の歯磨き
 


プーノに到着

 その後もバスは順調に走っていたが,次第に雨が降りだし,しかも稲光まで出始めた.実はこの日はプーノに行く前に,近くのシルスタニ遺跡を訪ねる予定だったのだが,この天候を見て添乗員さんは「明日にするか」といい,結局この日はプーノに直行することになったのだった(シルスタニ遺跡は周囲よりも標高が高く,しかも隠れる場所もないため雷が鳴ると危険極まりないらしい).
 バスはしばらくすると空港のある大きな町であるフリアカを通過し,そのままチチカカ湖畔の町プーノのはずれにあるホテル,リベルタドール・レイク・チチカカに到着した.その名からもわかるように,昨夜泊まったクスコのホテルと同系列である.チチカカ湖に突き出した岬の先端にある,船を思わせる造形のホテルだった.
 シルスタニの観光が消えたためホテル到着は午後4時前と,今回の旅行ではかなり早い時間になった.ラ・ラヤ峠からは下ってきたとはいえ,プーノ自体標高3800メートルもある.この日はゆっくり休もうという趣旨なのだった(事実,ここに来て体調を崩した参加者がいたもよう).
 部屋に入ってカーテンを開けるとチチカカ湖が目の前に広がってる.この湖は総面積が8562平方キロと,日本で一番広い琵琶湖のなんと13倍もの大きさを誇る湖である.汽船が航行する湖としては世界で最も標高が高いのだそうだ.この巨大な湖はペルーとボリビアの国境を形成しており,全体の6割がペルー,4割がボリビアになっているらしい.ボリビアの事実上の首都ラパスはチチカカ湖の近くにあり,ここプーノからは自動車で4時間程度の距離だそうだから,ペルーの首都リマへ行くよりよっぽど近いことになる.
 しばらく休んでシャワーを浴びたのち,夕食に出向く.この日もチョイスメニューだった.昨夜はワインはお休みしたのだが,この日は休息も取ったということでしっかりいただいたのは言うまでもない(笑).

雨が降り出しました

賑やかなフリアカの街

インカ皇帝の像?

ちょっと危険なムードも
 

リベルタドール・レイク・チチカカ

曇りのチチカカ湖


標高3800メートルのかっぱえびせん
 



 

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