ここからはまず,ラパス郊外にあるティワナク遺跡に向かう.南米というとインカ帝国のイメージが強烈で,このためなんとなくインカ時代が長く続いていたように錯覚するが,実はインカ帝国時代は15〜16世紀の100年程度に過ぎず,それ以前には南米各地にさまざまな文明が栄えていた.ここティワナク文化は,それらプレインカ文明の中でもとりわけ古いもので,その始まりは紀元前にさかのぼるといわれている.
駐車場でバスを降りると目の前には駅が広がっていた(現在は線路も朽ち果ててとても列車が走っているようには見えない).そのそばに博物館が建っていてまずはそこで歴史や構造を学習(博物館内は写真撮影禁止
((+_+))),その後遺跡に入る.内部に入ると,まずは穴の開いた石が目に入る.この穴に耳を近づけると遠くの声が聞こえる一方,この穴を通して声を出すと遠くまで響く構造になっていて,古代のスピーカーなどと言われているそうだ.
ティワナク遺跡は天上の世界,地上の世界,地下の世界からなるとのことで,天上部分にはかつて巨大なピラミッドがあったらしい.ただ現在は廃墟と化しており,足場等も悪いため登ることはかなわず,下から眺めるだけであった.そのまま続いて地上の世界を構成するカラササヤと呼ばれるところへ向かう.ここは台状に石組みがされた空間で,かつてはさまざまな建築物があったとされているが,今残っているのは太陽の門やモノリートと呼ばれる人物像などごく一部である.このうち太陽の門はこの遺跡でもっとも有名な建造物で,一枚岩で造られたこの時代のものとしてはかなり精巧なものである.ただ保存状態が悪く,割れてしまっているうえに今立っているのは本来あった場所ではないとされている(本来あった場所がどこなのかわかっていないらしい).一方のモノリートは,ポンセおよびフライレと呼ばれる2体の像で,どちらも両手に何かを持った構図をしている.このうちフライレの像にはカニの姿が描かれている.この地は海から隔絶した内陸地,このカニはサワガニなんだろうかと不思議に思った.
その後は地下神殿へ.ここはたくさんの人の顔が彫られている壁が有名とのこと.いろんな顔があって,中にはソクラテスのような風貌の顔もあった.また月の門と呼ばれる門もこの一角にあった.この地下空間は現在立ち入り禁止となっているらしい.ただ特にロープが張ってあるわけでもなかったので,知らずに入った欧米系の観光客が怒られていた. |
ティワナク遺跡 |
駅でもあります |
リャマのお出迎え(ただし不用意に近づくと唾を飛ばしてきます 笑) |
古代のスピーカー |
天上の世界アカパナ |
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