今の仕事について,ある程度自立できるようになった21世紀以降,夏季休暇に海外旅行に出かけるのが定番になった我が家であるが,当初のお気に入りはビーチリゾートだった(2001年ニューカレドニア,2002年タヒチ,2004年セイシェルなど).これは普段が激務のため,休暇の時くらいポケベル(懐かしい)の鳴らない場所に行ってのんびりしたいという気持ちが強かったからである.ただその後キャリアを重ねたことから徐々に精神的に余裕が出てきたこともあるのか,2000年代末からはネイチャー系の旅行にも繰り出すようになった(2007年のマダガスカルからだが,実は2003年のスバールバル諸島が端緒かもしれない).
そんなネイチャー系のスポットにもいくつかあこがれの地とでもいうべき場所があって,その筆頭格が西アフリカマリ共和国北部にあるオアシス都市トンブクトゥとロシア東部サハ共和国のベルホヤンスクだった(トンブクトゥは中世の黄金の都,ベルホヤンスクは北半球の人が定住している場所としては最も寒い町).ただトンブクトゥは2010年ごろから現地の反政府武装組織の活動が活発化し内戦状態に陥ってしまったため,もはや観光で訪れるのは夢のまた夢になってしまった.もう一方のベルホヤンスクは内戦とは無縁な平和な土地であるが,特に冬は一般人がどうやって訪問したらいいのか判らない状況であり,やはり行けていないのだった.
一方でそれらに準ずる土地として憧れていたのが南米にあるギアナ高地とウユニ塩湖である.前者はコナン・ドイルの冒険小説「失われた世界」の舞台として,後者はあまりにも有名な天空の鏡としてである.そしてこのうちギアナ高地には2010年8月に訪問することができた.で,残ったのがウユニ塩湖であるが,ここでひとつ問題があった.これは当地が標高4000メートル近い高地帯であること.これだけ標高が高いと当然高山病のリスクがあり,はたして自分が大丈夫なのかという不安だ(万一高山病になったら対応策は下山しかないが,一般にウユニ塩湖のツアーは数日高地帯に滞在のため,そうなったら大きな問題になる).
ただその点に関して,2011年にオカバンゴデルタのツアーに参加した際の添乗員さんが,「それならまずマチュピチュに行ってみたらどうですか,あそこなら大抵最高地点のクスコに入ってそのあとは下る行程になりますから」と言っていたのを契機に,その翌年2012年にペルーに繰り出した.まあ行ってみればウユニ塩湖の予行としての意味合いもあるマチュピチュ旅行であるがこの時無事に高地帯で過ごせたことから,これは行けると確信した次第である.
ただここで問題が発生する.ウユニ塩湖が天空の鏡で知られるような姿を見せるのは雨期であり,それは日本の冬に該当する.当たり前だが夏季休暇は夏であり冬ではない.これまで,特に2010年以降冬場に海外に出かけることもあったのだが,それらは5日間程度の旅行であった.ウユニとなれば当然10日間くらいの休暇が必要でありその休みをどうやってひねり出すかが問題となるわけだ.
しかし2010年代の半ばになり自分もベテランの領域(笑)になり,周辺の信頼を勝ち得てきた(笑)という実績からか,なんとか休暇問題はクリアできた(その代わり前年2014年夏は休暇なしの働きづめになったわけだが). |
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こうして休暇確保が可能になってくると次は申込である.公共交通機関のみで訪問することが難しい地域であることもあって今回もツアー参加となるわけだが,どこの会社にするか,実は今回はあっさり決まった.それは休暇が取れる日程がほぼ決まていたから.前述のように本来なら休みでない時期に休むため,なるべく勤務日の犠牲が少なくなるようにと計画したからである.その条件に合うツアーを探した結果,クラブツーリズムの「高坂雄一講師同行 水鏡のベストシーズンウユニ塩湖と世界遺産スクレとポトシ10日間」というツアーである.高坂雄一氏というのは主にオーロラを専門にしている写真家とのことだが,ともかく写真家の先生が同行するツアーであるから,参加者もそれなりに気合が入っている人ばかりだろうと身が引きしまる(?)のだった. |
今回の旅行で参照した本 |
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ウユニ塩湖と言えば,鏡のような世界が有名だが,一方でトリック写真が撮影できる場所としても有名だ.その手のネタ写が大好きな自分であるから,それ用のグッズを用意したことは言うまでもない. |
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