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 ボリビア旅行記(5)


2015年2月9日(月)


スクレの朝

 今回の旅行で初めて普通のホテル滞在(笑)から一夜明け,2月9日となった.昨夜は早々に眠りについたため,起床時間は5時だったにもかかわらず目覚めは爽快である.そして今回の旅行で初めてホテルで朝食を摂った(笑).会場は昨夜の夕食と同じレストラン,形式は一般的なビュッフェスタイルである(卵料理のコーナーがあるのがやや高級感を醸し出していた).

早朝のスクレ.昨夜は雨が降っていたもよう
   
 ただ高地帯最初の朝食ということで欲張らずに腹7分目くらいに抑えておく.ただ食後にはコカ茶をいただいたのはいうまでもない(これが飲めるのはペルーとボリビアだけ).
 7時に昨日と同じ大型バスに乗って出発,ふと見たら近くに野犬がいて,車が走り去るたびに追い掛け回している.狂犬病なのかとビビったのだった(日本だとイメージしないが,世界では狂犬病はいまでも現役の病気で,毎年大勢の方が亡くなっている). 
   

朝食ビュッフェ

卵料理もある

コカ茶(別の日の写真)
   


アンデス地帯を走る

 バスはしばらく市街地を走っていたがが,徐々に人家が減ってくる.30分ほどしたところで有料道路の料金所のようなところを通過,ここからは高速道路なのかと思ったが,道は広くなく曲りにくねったまま,どんどん標高を上げていく感じだったた(日本でいえば蔵王エコーラインみたいな感じか.ガイドブックにはこの辺の道はよくないと書いてあった).標高が上がったためなのか,周囲は段々木々が少なくなり,代わってサボテンの姿が目立つようになる.やがて赤茶けた大きな川が出現,ここがスクレのあるチュキサカ県とポトシやウユニのあるポトシ県の県境らしい.ここに中世ヨーロッパの砦のような風情の橋があったため写真撮影タイムとなった(この辺から写真ツアーの本領が 笑).
 撮影を終えて再びバスに乗り込むと,今ポトシは雨が降っているらしいとの情報が入り,雨具などを準備するよう指示が出された.その後も道はどんどん上りとなって植生も乏しくなっていく.途中,雪をかぶったアンデスの山々を背景にしたジャガイモ畑などがあってここでも停車して写真撮影をしながら進んでいった.周辺は曇り空だったが,少しずつ明るくなってきた.どうやらポトシの雨も上がったとのこと(晴れ男のビザンチン皇帝がいるんだから当然だとほくそ笑む 笑).やがてポトシの町に入る頃には日も差すようになっていた.

山岳道路の趣

県境の砦みたいなところ

柳の木です
   

トイレ休憩に寄った町

アンデスの山々

ジャガイモの花
   

アンデスの山々とジャガイモ畑
   
       

銀山の町ポトシ

 ポトシはかつて銀山で栄えた標高4100メートルにある都市だ.人口は約16万人で,都市としては世界で最も標高の高いところにあるらしい(集落レベルならもっと高いところはある).まずは市内が見渡せる小高い丘に停車,ここはポトシの入り口となっていて,それを象徴する門が立っていた.アンデス地方の他の都市もそうだが,ここポトシも赤茶けた山々に囲まれた茶色い建物が立ち並ぶ街である.ただ,クスコやスクレのような洗練された都市に比べると他の色が混ざっている感じが強く,そのことがこの街の雑然さを強めているような気がした.
 市内を一望したのちバスは市街地に入っていく.この街も石畳の道路で道が狭く,ゴミゴミしている.ガイドさんによると,狭いのはここは標高が高く寒いため,なるべくみんなが寄せ集まって生活しているからなのだそうだ.
 バスを降りてまずは中央市場へ,ボリビアでも大都市に行くと今風のショッピングモールもあるらしいが,地方都市ではまだまだ昔風の市場がメイン,ここも小さなお店が所狭しとひしめいていた.市場内でトイレを借りて,街の中心11月10日広場へ.ここもなにか由来があったはずだが忘れてしまった(笑).
 広場の中心にはミニ自由の女神が立っていた.スクレのミニエッフェル塔といい妙にフランスに縁がある気がする.広場周辺には定番のカテドラルや市庁舎のほか,旧造幣局やヘススの塔といった観光スポットもあった(今回は入場はなし).ゆっくりと歩いていたのだが,ちょっと歩くだけで息が上がるのは,さすが標高4000メートル超と感心した.

ポトシ市街地の入り口にある門


赤茶けた山肌,真ん中の尖った山がセロ・リコ


ポトシのマーケット

   

11月10日広場と市庁舎

ミニ自由の女神像

サン・ロセンソ教会
   

奥がカテドラルで手前が旧造幣局

カテドラル


デ・ヘスス塔
   

ポトシの展望
   


標高4000メートルの昼食

 この辺でちょうどお昼時になったためランチとなる.この日は行ったのは EL EMPEDRADILLO という落ち着いた感じのレストラン,メニューは焼き石スープとラザニア,標高4000メートルで食事なんかできるのかと思ってたが,意外に食べやすくてほぼ完食した(さすがにアルコールは無し 笑).
 食事後外に出ると,レストランからポトシ銀山こと,セロ・リコが見えたのだがが,なんか街の郊外で見たのと違う? 午前中は山頂に雪があったはずなのにいつの間にか消えてしまっていた(お昼の日差しで溶けたのだろうか).レストランの前で迎えのバスに… と行きたいところだったが,道が狭いためここまでは来られないということで,やむなく歩くことになる.標高4000メートル,しかも食後ということで脳に行く酸素はかなり少ない.みんなお疲れモードになっていた(オマケに渋滞でバスの到着が遅れるし… 笑).

この日のレストランEl Empedradillo

石焼スープ
   

ラザニア(結局完食しました 笑)

食事後気が付いたら雪が消えている

ちょっと前まではあった
   


いよいよウユニへ

 ようやくやってきたバスに乗り込んで出発,ここからは本日の目的地ウユニ塩湖に向けてひた走る.ウユニは標高3700メートルでポトシよりも低いので,少しは楽になるはずだなどと妙に安心した気分に浸る一同,観光の疲れもあって気が付いたらみんな睡眠モードになっていた(自分はワクワクモードに入っているため眠っている暇はなかった 笑).
 それでも途中リャマやフラミンゴを見つけて写真を撮ったり,突然スコールが降ったりしながら着実にウユニに近づいていく我々だった.が,ここで現地から連絡が… なんでもウユニの町への国道が閉鎖されているため大型バスは通れないとのこと,やむなく途中でバスを降りて,4台の4WD車に乗り換えることになった.国道閉鎖ということで何かあったのかと心配したのだが,特に深い理由はないらしい(この辺ではよくあるそうだ).

リャマの群れ

標識も南米風
   
 通行止めポイントでバスを降りると,そこにはこれから私たちのウユニ塩湖滞在をサポートしてくれる現地スタッフが待っていた.その中に真っ黒に日焼けした一人の日本男性がいたのだが,この方こそボリビア観光界でレジェンドと呼ばれる”トシさん”である.還暦を過ぎているというウワサだったが,とてもそうは思えない引き締まった体の御仁だった.    

山を縫うように一本道が

ウユニ周辺の様子

ここで通行止め
   


高坂先生登場!

 バスを降りて数百メートルほど歩き,専用車に分乗する.私とKは現地ガイドのみずえさんとともに1号車になった.ほどなく出発してまもなくウユニの町に入る.この日は風が強くて,街中はいたるところ土埃が舞っていた(その姿は銀河鉄道999に出てきた火星の大シルチスを思いだす).
 ウユニの町から先はほとんど未舗装の悪路になる.途中コルチャニという小さな村を過ぎるとホテルは間もなくである.案内板の方向に曲がっていくと,前方にホテルが見えてきた.

砂埃が凄い!
   
今回泊まるのはウユニ塩湖の湖畔に建つルナ・サラダという塩のホテルである.その名の通り,ウユニ塩湖から切り出した塩のブロックで作られたホテルなのだった.
 ここで一同,写真家の高坂雄一先生と合流する.今回のツアーは写真撮影ツアーということで参加者の方々もみな(添乗員さん含め)写真にこだわりを持った方々ばかり,ネタ写が主目的なんていう人はおそらく自分しかおらず,厳しい先生なら「ナメたやつだ!」と怒られるんじゃないかと不安に思ってた.
 が,高坂先生,ロビーでいきなり

 「よろしくおねがいしま~す♪」


 と軽快に登場,不安は一気に吹き飛んだ(笑).
 この後さっそくウユニ塩湖の夕日撮影会に出発となる.結局この日先生は私とKの1号車に同乗することに,車内でお話しさせていただいたのだが,先生はカナダに25年在住しており普段はオーロラを専門にしているということだった. 
   

塩のホテル「ルナ・サラダ」

ここがフロントです

パブリックスペース
   


最初の夕日撮影

 ホテルを出た専用車は砂地の道(と言えるかは不明だが)を進んでいく.しばらく行くと碑のようなものが建っていて,円錐形の巨大な盛り塩が並んでいる地帯に到着,どうやらここからが塩湖の始まりらしい.
 ウユニ塩湖は総面積1万㎢と秋田県に匹敵する(もしくは東京23区の17倍)広大な面積を持つ塩原である.もともと海だったところが隆起して形成された場所で,全体の高低差がわずか数十センチしかなく,世界で最も平らな場所とも言われている.乾季は一面真っ白な塩の原野だが,雨季にはうっすらと水が張りいわゆる「天空の鏡」状態になることで知られる.

ウユニ塩湖の夕日(この日は波が立っていますが)
   
この天空の鏡が見たくて地球の反対側から駆け付けた我々である.ついに念願がかなうと感無量だった.
 しばらく走って,夕日スポットに到着する.この日は風が強かったため,いわゆる鏡状態ではなかったが,それでも夢にまで見たウユニ塩湖の夕日は素晴らしかった(みんなバシャバシャ写真を撮っていた). 
   

車がいい感じを出しています

向こうの影は別な団体さんです
   


塩のホテル

 日没後はホテルに戻るのだが,周囲はあっという間に暗くなっていく.こんなところで迷ったら冗談じゃなく遭難しそうだなと考えた(車はお互いはぐれないように連なって走っていく).到着後さっそく夕食,基本的にビュッフェスタイルで日替わりのスープがあった.この日の野菜スープは結構美味かった(給仕のお兄さんが「サツマイモ! トリ! ウシ!」と片言の日本語で料理の説明をしていた).
 食事後は夜の星空撮影会の予定だったのだが,雨が降り始めたためこの日は中止に.代わって高坂先生の写真講習会である.星の撮影法を中心に講義を受けた.終了後は各自部屋に入る.塩のホテルはうわさに聞いていた通り,壁はもちろんすべて塩のブロックで,床もすべて塩という本当に塩ずくめのホテルだった.油断していると足が塩まみれになるため,シャワーで使用済みのタオルを床に敷いて対応した.この夜も寝酒として持参した緊急用ウィスキーを飲む.結局この晩ですべて無くなってしまった(笑).さあ,明日は日の出撮影会である.
     

塩のホテルのレストラン

一面全て塩です

壁は塩のブロック,床は塩
     
       
       



 

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