バレンツブルのホテルはロングイヤービーエンのようなおしゃれな感じは全くなく,いかにも旧ソ連といった無骨な作りであった.殺風景なロビーを通って休憩用のカフェ(のようなところ)に入る.途中廊下の壁にはダイヤル式の電話が設置してあった.今では日本でもほとんど見ることがなくなったダイヤル式電話だがここではまだ現役らしい.カフェはカウンターと丸テーブルがいくつか並んだ普通の作りであった.カウンター上にはコカコーラなどのソフトドリンクが積み上げられている.私はビールを,Kはレモン風味のソフトドリンクを注文した.休憩しているとガイドのカタリーナさんがやって来て我々に日本人かと聞いてきた.そうだと答えると鞄から楽譜を取り出して我々に見せた.見せられた楽譜は浜崎あゆみの曲であった.彼女はロシア本土で学生をやっているらしいが,日本の歌謡曲に興味があるとのことで,これがどんな曲なのか教えて欲しいとのことであった.しかし私もKもこの方面には全く暗いため,申し訳ないが良くわからないとしか答えられなかった.
20分程休憩した後出発となる.来た道を引き返し今度はPolar Star(文化施設)に入った.ここには多目的用の大きなホールがあり,正面に舞台,対面に客席が階段状に並んでいる.壁や天井には照明装置がごてごてと付いていた.客席数はざっと見たところ800から1000くらいであり,下手をするとこの街の全住民(1000人)を収容できそうな気がする.旧ソ連時代にはここで人民会議でも開いたのだろうか.ホールの外側にはお土産物屋が並んでいた(とはいっても専用の店舗があるわけではなく,露天が並んでいるだけである).民芸品などに混じって旧ソ連のものと思われる勲章や帽子なども売っていた(ベルリンの壁崩壊後の東ベルリンを彷彿させた).私は軍帽を買い,Kはボールペンを買っていた(結局不良品で字が書けないシロモノであったが). |
バレンツブルグ博物館.ロングイヤービーエンの博物館よりはかなり立派に見える
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博物館前の看板.手から光を発した労働者,未来都市と宇宙ロケットといかにも昔の共産主義国家を髣髴させます
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ガイドのカタリーナさん.後に見え重厚な建物がバレンツブルグホテルです
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買い物に熱中しているうちに周りを見渡すと他の人々はみな出発した後だった.我々もあわてて外に出る.辺りを見渡していると近くにいたロシア人が教会の方に行ったよと教えてくれた.指差された方を見ると茶色い木造の塔が見えた.どうやらあれが教会らしかった. バレンツブルグの教会はロングイヤービーエンのものとは異なり礼拝堂のみのこじんまりとしたものであった.内部にはロシア正教会特有の横棒が一本多い十字架が掲げられている.ここで他の観光客と合流して船に戻る時間になった. |
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ホテル内にあったダイヤル式電話.シブイです |
ホテル内のカフェ.カウンターには飲み物の缶が. |
カフェでくつろぐ私.手に持っているのは大東町のライター |
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Polar Starの正面.社会主義的な絵が飾ってあります |
こちらがホールの内部,住民総会が開けそうな規模です |
バレンツブルグの教会です.内部は礼拝堂のみでした |
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