9時45分頃ホテルの正面玄関(本当に裏口みたいな玄関)に出てみると既に白人の親子連れが来ていた.どうやら同じツアーに参加するらしい.我々と同じように防寒具に身を包んでいる.10時にスピッツベルゲントラベルの古い大型車がやってきた.ガイドらしき若い女の人が降りてきてなにやら説明をはじめた.話によると今日は山の上の霧が濃いため,山の尾根を歩くのは危険であること,そのため中腹を歩く日程に変更したいのだがそれでもいいかということであった.元々体力に自信のない我々に異存のあろうはずは無く,そのまま参加することにした.
スピッツベルゲンホテルを出発した大型車は途中ラディソンSASホテルに寄り,そこで更に数組の客を乗せた.その後メイン道路を走りUNISのT字路を右折(左折すると空港に行く)したが,周囲はあっという間に原野のみとなった.何も無いところを10分位走り,犬が大勢いるところについた.ここは犬ぞり体験ができるところらしい.ここでスピッツベルゲンホテルで一緒だった白人の親子が降りた.どうやら彼らはトレッキングには参加しないらしい.
白人の親子と別れた後残ったのは我々の他に,中年のカップルとアメリカから来た母親と息子(20代?),父と息子の二人連れ,それにガイドの若い女性(大きなリュックを背負い,一丁のライフル銃を持っている.どこだか忘れたが旧東欧出身であった)である.原野の一本道をしばらく走り,本当に何も無いところで突然車から降ろされた.どうやらここから歩くらしい.道路から離れてツンドラの原野に入っていく.ツンドラは踏むとまるでスポンジのようにぶよぶよしている.一歩一歩足をとられるようでとても歩きにくかった.辺りはツンドラ以外何もないのかと思っていたが,たまに山小屋のような古い家が見えた.また所々にトナカイがいてツンドラの苔を食べていた.
歩いているうちにあたりは次第に勾配になり,地面もツンドラから岩山の露出した地帯に変わってきた.ふと地面を見るとピンク色の小さな花が固まって咲いていた(後でこれはムラサキユキノシタ(purple
saxifrage)とわかった). |
トレッキングのひとコマ.この辺を歩いているうちはまだ楽勝であった.このあと上りにさしかかる |
ツンドラにたたずむトナカイ.苔を常食としているようであるが栄養価があまり高くはないため痩せている |
スバールバルの原野に咲く高山植物.標高は低いが緯度が高いためこのような花が咲いている |
雷鳥のオスである.大地に散らばる瓦礫にまぎれて見つけるのが大変である |
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