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ナミビア旅行記(9)


2008年9月22日(月)


赤い砂漠に別れを告げて

 さて,泣いても笑ってもついに帰国の日である.この日は我々は8時50分にウィントフックを発つ便に乗らなければならないので,朝は5時起きである.そして朝食なのだが,あまりに早い時間帯なので,パンとハムやチーズ,飲み物程度の軽食である.朝食の後はチェックアウト,そして空港へと向かう.最後まで天候にも恵まれ,心地よい旅をすることができた(まあ尤も,ナミビアの天気予報は「明日は快晴です」と言っておけば9割方当たりなのだが 笑).ウィントフックの空港へ着き,ここでこの9日間お世話になったドライバー,レイノ君ともお別れである.本当にありがとう.
 空港で搭乗手続きを済ませ,いよいよナミビアを離れる時が来た.離陸とともにあの荒涼とした大地が遠くなっていく.今回の旅は実に神秘に満ちた大自然,それまで動物園やTVでしか見ることのなかった野生動物,雄大な砂漠に荒涼とした大地,独自の文化を守るヒンバ族,アフリカのイメージを覆すようなスワコプムントの冷たい海風(「寒流の影響はこんなにも強力だった

ナミビア最後の朝日です.本当に毎日が快晴でした


ウィントフックの空港からヨハネスブルグ行きのの飛行機に乗り込んでいきます
 
のか!」と改めて思わされた),どれも私たちにとって新鮮なものであった.これほどの刺激を与えてくれたナミビアに別れを告げ,飛行機は南アフリカ・ヨハネスブルクへと向かっていった.
 この日も晴天なので,下界の様子が窓からよく見える.ふと見ると,眼下の平野に畑が目立つようになってきた.もうここは南アフリカの領空内である.「そういえば,畑を見るのも久しぶりだなあ」と改めて気付いたのであった.ナミビアは乾いた大地,水も少ないために農業に適した土地が非常に少なく,我々もナミビア国内で畑を見ることがほとんどなかったのであった.「畑を見るのが久しぶり」というのも,実にすごいことではないか.
 そう思っているうちに飛行機は徐々に高度を下げていく.途中,眼下に広がるヨハネスブルクの町並みを見て,「強盗に襲われている人が見えたらどうしよう」と思ったりもしたが,さすがにそのような現場を目撃することもなく,飛行機は無事に着陸した.
 ヨハネスブルクに到着はしたのだが,次の香港行きが16時35分発とかなりの待ち時間がある.一度解散・自由時間となり,その後みんなで空港内で軽食をとりましょうということになった.これから長いフライトが待っているので,我々は空港のラウンジへ行ってシャワーを浴びることにした.ラウンジでシャワーを浴び,一休みしてさっぱりとしたところで再集合の時間となり,みんなでレストランに行って軽食となった.今回の参加者はみんな旅慣れた人たちばかりということもあり,様々な旅にまつわる話を興味深く聞くことができた.中でもすごかったのは,一人参加の年配の女性の経験談であった.なんでも彼女が以前中米のベリーズを訪問し,遺跡見物に行こうとしたところ強盗に襲われ,所持金やパスポートを奪われた上,手を刃物で切りつけられたというのである(怖).幸い自分でなんとか大使館に届けるなどの事後処理もやったらしく,命まで取られずにすんだそうだが,このような命の危険にさらされる経験を持った人が,今自分たちの目の前にいるということが,いろいろな意味ですごいと思ったのであった.これ以外にも様々な話題で,我々は大いに盛り上がったのであった.
 そろそろ搭乗準備にいい時間かなと思い,改めてボードを確認したところ…ありゃ,1時間の遅れらしい.また待ち時間が延びてしまった.これもネタのひとつと思い,搭乗開始時間までのんびりと過ごした我々であった.
 やたらに長い待ち時間を経て,ようやく搭乗開始の時刻である.手荷物検査,ボディチェックが普通に行われていたのであるが,我々が乗る香港行きは,この日(日本に)帰国するためには必然的に乗らなければならない便である.このため他の会社のツアーに参加している日本人旅行者たちも当然多数搭乗することになる.そのため我々以外のツアー客の姿も多数見かけるのであるが,その中の一人が,どうもウィントフックの空港で購入したらしい「ウイントフック・ラガー」の瓶6本セットを空港の係員に没収されていたのであった(泣).そう,機内持ち込み品として100mlを越す容量の液体は持ち込めないため,手荷物検査で没収の対象になってしまったのであった.我々の目の前でビニール包装を解かれ,廃棄される6本パックの「ウィントフック・ラガー」.没収された本人もショックだったに違いないが,我々もその光景を見て「ああ〜,もったいない….その場でみんなで飲めればいいのに〜(泣)と思ったのはいうまでもない(ルールなので仕方ないのだが).
 我々は事前に,「液体は手荷物として持ち込めないので,空港の売店で買い物をする際は気をつけてくださいね」と添乗員さんに言われていたのだが,もしかすると我々も,油断していたら同様の失敗をしていたかもしれない.
 そして我々の乗った飛行機は,香港へと向かって飛び立ったのであった.長いフライトの末着いた香港は雨模様,何でも近くに台風があるらしい.ヨハネスブルクは晴天だったが,こっちは台風か….Kは心配そうな顔をしていたが,その後成田行きの全日空機は普通に離陸したのであった.そして香港から無事成田へたどり着き,添乗員さんを含め計7人でのナミビアへの旅は,無事終わりを告げたのであった.みなさん,大変お世話になりました.ありがとうございます.

            完(明日からまた日常の世界)
 



 

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