次に我々が向かったのはトゥウェイフルフォンテーンである.ここは先史時代にサン族(いわゆるブッシュマン)によって描かれた岩絵群が多数残っている遺跡で,2007年にユネスコの世界遺産にも登録された場所である.岩石の転がるサバンナの荒涼とした風景の中に,やがて「TWYFELFONTEIN」と書かれた看板が見えてきた.簡単な歩道と掘っ立て小屋のような管理棟(トイレや休憩所,売店がある)があるほかは,ただひたすら岩だらけの場所であった.ここで我々は現地ガイドとともに岩絵群を見学することになった.
ここは一見するとただの岩山にしか見えないのだが,よく見るとその岩の表面に,確かに様々な動物や鳥の絵が描かれていた.よく世界史の資料集なんかに載っている「先史時代の洞窟に描かれた動物」のような原始的なタッチの壁画である.どうもこれらは岩に彫り付ける方式で描かれたものらしく,そのために今日までこのように鮮明な形で残っているということであった.なおこれらの岩絵は,宗教上の儀礼の一環として描かれたという説や,学校や地図の役割としてのものだったという説があるそうだ.それにしてもキリンやライオン,サイ(?)や牛など,その種類は実に多彩である.中にはオットセイらしき海洋性の動物の岩絵もあるのには驚かされた.ちなみにこの岩絵群がある場所は,一部足場が整備されて |
岩絵のあるTwyfelfontein |
あちこちに岩絵があります |
ミリンダも置いてある売店です |
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いるとはいえ基本的に岩場である.そんなに高低差があるわけではないのだが上るのはややハードであった.岩絵の見学を終え,管理棟でトイレ休憩(売店では,日本ではあまり見られなくなってしまった懐かしいミリンダが売られていた)をした後は,オルガンパイプの岩へ向かって出発である. |
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オルガンパイプの岩とは,柱状節理によってできた景観が,ちょうどパイプオルガンのように見えることから名づけられたもので,同じ柱状節理による地形は,日本でも北海道の層雲峡や福井県の東尋坊などで見ることができる(岩手県の雫石にも,かつて同様の柱状節理が見られる「玄武洞」があったのだが,残念ながら1999年に崩落してしまった 泣). |
ここがパイプオルガンの岩です |
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車で荒野を走っていると,川が流れていたであろう場所(乾季なので涸れていた)に,それらしき節理が見えてきた.ここで車を降り,川底(水は流れていません)へと降りていくと,ちょうど両岸に角材を縦に並べたような実に不思議な光景が広がっていた.オルガンパイプとは実に言い得て妙である.尤も,私の目には,どちらかというと「縦にした角材」に見えるのだが(笑).この不思議な地形を観賞した後は次の宿泊地・スワコプムントへ向けて南下である. |
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たしかにそう見えます |
かなり暑いです |
まさにパイプオルガン |
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