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ナミビア旅行記(6)


2008年9月19日(金)


湾内クルーズ

 一夜明けて19日となったのだが,昨夜の食事のせいなのか(あまり消化のよくないものも多数あった),はたまたワインが余計だったのか,どうやらKが胃の調子を悪くしたらしい.動くのも結構きついということで,結局朝食には私一人で行くことになった(Kはもうしばらくして多少回復してから食事に行ったらしい).今日も快晴である(ナミビアは1年のほとんどが快晴なので,天気予報は非常に楽だろうな 笑).

ストリートミュージシャンのお兄さんと
 
 さて,今日はここから桟橋へ行き,ウォルビスベイの湾内を船でクルージングすることになっている.まずは車で桟橋へ向かうのだが,途中女性2人が両替をしていきたいということだったので,彼女たちと添乗員さんが両替に出かけた.その間我々と男性2名とは近くのショッピングセンターで待っていることにした.そのショッピングセンターの出入り口には,ギターを抱えたストリートミュージシャンの男性がおり,デモ演奏を行っていた.我々も彼の演奏に合わせて,一緒にノリノリの状態で踊って遊んでいた(最後にチップを渡したのはいうまでもない).  
 そのようにして歌い踊りながら女性チームの帰りを待っていたのだが,戻ってくるのが妙に遅い.かなりの時間がたってから女性チームが戻ってきたのだが,なんでも銀行側の問題で両替ができず,3軒目の銀行でようやくできたのだそうである.どうやらこの町では,銀行ならどこでも両替できるというわけではないらしい.
 女性チームの両替が無事済んだということで,これから湾内クルーズに出発である.まずは桟橋に出るが,やはりこの辺の海は寒流が流れているだけあって,その色彩はどちらかというと北海道などの「北の海」のイメージに近い(緯度的には沖縄と大差ないのだが).そして我々の目を引いたのは,海岸にいるペリカンである.「おお,ペリカンだ!」と感動したのはいうまでもない.どうも餌付けされた個体らしく,人を恐れずにくつろいでいる.それにしても大きい.彼らは船員らから餌の魚をもらって食べていた.
 さあ,これから乗船である.小型の船に乗り湾内をクルーズしながら,この海域に生息するイルカやオットセイを観察するという企画であるが…,早速我々の乗った船に,いきなりオットセイが飛び乗ってきた!こんな間近でオットセイを見るなんて初めてである(水族館にだってこんな企画はまずないだろう).どうやらこのオットセイも,船員らに餌付けされ,人に馴れた個体であるようだ.しかしこうやって間近でオットセイを見ると,改めて彼が哺乳類であるということがよくわかる.一見ぬめっとしているように見える体表だが,よく見ると毛に覆われており,首の辺りには鬣のような長い毛も生えている.そして鰭のような足には,きちんと爪も生えているのであった.
 オットセイには一度海に戻ってもらい,クルーズ開始である.海側から港の無骨な建造物を見ると,昔のアニメ未来少年コナンに出てきたインダストリアを思い出した.船をしばらく走らせていると,海面から何か背鰭のようなものが見える.なんと,もうこの辺でイルカが見られるでのであった.我々にとってのイルカは,「クルーズ中に運がよければ見られるもの」でしかなかったのだが,ここでは普通に見ることができる.イルカたちのそばには,カヌーに乗ったレンジャー2名の姿もあった.イルカの姿を眺めながら,沖合いへと船を進めていく.遠くのほうに砂地が見え,何やら黒いような茶色いような動くものの群れが見えてきた.近づいてみると,おお,オットセイの大群ではないか!しかしすごい迫力である.海では比較的幼いと思われる個体がたくさん泳いでいる.そしてオットセイの群れに混じって,さっき見たのとはまた別の種類のイルカが泳ぐ姿も見られたのであった.船についていくようにイルカたちも泳いでいるのだが,甲板にはいつくばって,より海面に近いところで観察すると実に壮観であった.

クルーズ船の出る船着場です

人馴れしたペリカン

船には先客が…

すっかり慣れています

オットセイは餌をねだって
何度も船に乗り込んでき
ました

海の様子が未来少年コナンのインダストリアを髣髴させます
 
 しかし船の上は実に寒い!に特に胃の調子があまりよくないKにはかなり厳しいようであった.それでも私は振舞われたビール(このクルーズは1ドリンクつきであった)を飲みながら楽しんだのであった.帰りには船に向かって飛んでくるペリカンに餌付けをしながら,クルーズは終了となった.  

さっそくイルカの登場です

オットセイの大群

ペリカンのお出迎え
 

船にから餌をもらいながら滑空するペリカンです
 

湾内で泳ぐオットセイの群れです
 


フラミンゴ不在のウォルビスベイ

 船を降りて車に戻り,次はここから約30kmぐらいのところにあるラグーンに向かうことになった.ここのラグーンには,この季節になるとエトーシャ国立公園のあたりからフラミンゴが飛来してくるということで,「今の時期は見られるかどうか微妙なところですが,見に行ってみましょう」ということになったのであった.し,しかし….我々がラグーンに行ってみると,どうもまだ飛来していないのか,それらしい姿は1羽も見られなかったのであった(泣).せめて2〜3羽ぐらいはいてもいいんじゃないかと思ったのだが,フラミンゴは全くいなかったのである(号泣)
 仕方がないのでフラミンゴは諦め,昼食ということになった.昼食会場は砂浜に張られたテントである.ここでは生牡蠣を初め,サラダや各種シーフード料理が振舞われた.この辺は海水温が低いということもあって,アフリカにいながら新鮮な生牡蠣が味わえるのであった.白ワインとともに味わう牡蠣は実に最高である.そのほかの料理も実に旨い.何よりも普通の飲食店でなく,屋外でテントを張って仲間とともに味わう昼食は,実に楽しいものであった.我々は昼食を用意してくれたスタッフとともに,会話や歌を楽しみながら過ごしたのであった.

海岸砂漠を走る道路

海岸には朽ち果てた貨物船が

快晴ですが寒流の影響でひんやりしています
 
 ちなみに,私たちが食事をしているテントのそばで,車のタイヤが砂に埋まってしまい,動けずに困っている人がいたのだが,我々と一緒にいたスタッフの助けを借り,めでたく脱出に成功したのであった.  

海岸にテントを張って昼食です

ナミビアの新鮮な生牡蠣

美味です!
 


スワコプムントの町を歩く

 昼食の後は一度ホテルに戻る.ところで,この町の近郊で,ウォルビスベイに行く途中の道路の両脇に砂丘があり,ここではバギーを楽しむことができるのであるが,添乗員さんとドライバーから,この砂丘バギーに参加しないかとの声がかかった.女性2名と2人組の男性は参加を表明したのだが,Kはまだお腹の調子がよくないので部屋で休みたいとのことであった.よって我々はバギーは不参加ということになった(寂).
 さて,残された我々はホテルの部屋で一休みである.そういえば今回は少人数ながら団体旅行であり,スケジュールがかなり立て込んでいたために,あまりゆっくりする時間がなかったのもたしかだった.Kは「まだお腹が気持ち悪い」と言いながらベッドにもぐりこんだ.私も一休みすることにする.
 2時間ばかり眠ったところで目を覚まし,せっかくだから街に出てみようと,出かけることにした.スワコプムントの街は比較的整然としていて歩きやすい.町並みもどこか西欧風(ただし本土そのものではなく,やはり植民地風)であった.建築物はさほど高さのないものが多く,ランドマークといえば街の中央部にある教会,という感じである.今回は更に,公園のようなところを通って,昨夜夕食をとったレストランの近くまで行ってみることにした.砂浜には数人の地元民らしき人影が見える.

地元のスーパーマーケット

商店街の様子です

思いのほか波が荒いです
 
 海の雰囲気は,どちらかというと冬から早春にかけての日本の海に近いものがあり,浜辺には冬の日本海でもよく見られる「波の華」が打ち上げられていた.帰りには今朝ストリートミュージシャンもいたスーパーに寄り,いくつかお土産も購入してきた(他には,昔懐かしい「ミリンダ」も購入してきた.この人工的なオレンジ色がまた最高である).
 ホテルへ戻ると,ちょうどバギー参加チームの皆さんも帰ってきていた.これから夕食ということになる.当初の予定では,今夜の夕食はドイツ料理ということになっていたのだが,あいにくその店が予約が取れなかったということで,急遽昨夜とは別のシーフードレストランということになった.しかしこの町のシーフードは結構旨いということを知った我々に特に異存はなかった.
 この日はシーフードのみならず肉料理も注文し,たらふく味わったのである.こうして今回の旅行の中で一番ゆったりとしていた(と思われる)一日は終了した.明日はいよいよナミブ砂漠に向かっての移動である.
 

地元の教会

ミリンダが!

大西洋に沈む夕陽です
 



 

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