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マダガスカル旅行記(2)

2007年6月8日(金)


空港へ

 私のような地方在住者にとって,外国旅行はまず空港にたどり着くところから始まる(逆に帰りは空港から家に帰るまでが大変である.まさに「家に帰るまでがー,海外旅行であーる.」というわけだ).東北地方在住者にとっての海外への玄関口はやっぱり成田だ.グアムや香港なら仙台空港からも飛んでいるが,遠いところになると成田まで出向かなければならない.特にヨーロッパ便などは,その多くが午前中に日本を出発するため,

いわて銀河鉄道線(IGR)内で嬉しそうな私
 
必然的に前泊しなければならなくなり,懐が痛むのである.ただ今回の旅行では,マダガスカル行きの飛行機が深夜にバンコクを出発するため,それに接続する成田発の便は日本時間の夕方に出発することになった.このため少なくとも前泊の必要はないのであった.
 出発の前日6月7日は職場で残務処理やら申し送りやらをするため,かなり遅くなってしまったが,この出発前日のワクワク感が旅行の一番の楽しみというウワサもあり,私の気分は晴れやかだった.
 そして6月8日いよいよ出発である.空港での集合時間は16時50分(出発の2時間前)なのだが,午前10時過ぎには自宅を出なければならないのが大変だ.すでにスーツケースは宅配で送っているため,荷物といえば機内持ち込み用のバックパックひとつである.在来線と新幹線,成田エクスプレスを乗り継いで,無事空港にたどり着いた.
 


出発

 バンコクまではJALを利用するため,集合場所は空港第2ターミナルだった.指定されたカウンターに行き,係員の女の人から案内書と航空券の束を渡される.話によると,荷物はマダガスカルまで預けられるものの,人間の方はバンコクの空港でマダガスカル航空にチェックインしなおす必要があるらしい.バンコクのスワンナブーム国際空港といえば,2006年9月にオープンしたばかりの,ムチャクチャ広い(成田空港の3倍の広さらしい)空港である.こんなところで無事にチェックインできるだろうかと少し不安になる(ちなみにバンコクでの乗り換え時間は1時間45分,2003年のオスロでの乗り換え騒動が頭をよぎる).
 その後,出国審査場を通過したのだが,順番を待っていると「お客様,これを忘れていった方はいませんかー?という空港職員の声が.なんとその職員はパソコンを入れるような大型のケースを持っていたのであった.「ああっ,あんな見るからに大事そうなものを!」とKが叫んでいた.「サ○エさんじゃないか?」と私.ほどなくして白人の男性が名乗りを上げたのだが,どうも彼が○ザエさんだったようである(笑).その後は特に問題も無く出国審査を済ませ,免税店をひやかしたりして過ごした.以前は免税店で必ずタバコのカートン買いをやっていたのだが,2006年春に禁煙に成功して以来その必要がなくなっている(2007年8月現在続行中).特にすることも無いため,そのまま出発ゲートに向かった.
 18時50分発のJL707便は定刻よりちょっと遅れて成田を出発した(成田空港は離発着スケジュールがタイトなため,何か手違いが起こると簡単に遅れてしまう).機内を見渡すと,ガラガラである.これで採算が取れるのか不安になってくるが,4人掛けシートに横になれるのは助かった.バンコクまでの飛行時間は6時間30分,到着は現地時間の23時25分(日本時間の翌1時5分)である.寝るにはまだ早い時間で,結局ちょっとうとうとした程度でバンコクのスワンナブーム国際空港が見えてきた.上空から見る空港は,真夜中にも関わらず,超近代的な空港設備がビカビカに光り輝いている,まさに東南アジアの経済発展を象徴するかのような光景であった.
 


貸切の予感

 飛行機は無事着陸し,駐機場まで進んでいく(これがやたら遠い.いかに広い空港かがよくわかる).途中マダガスカル航空の機体が見えた.我々が乗る飛行機に違いない.飛行機から降りると…,「うっ,あ,あつ〜い」.東京もまあまあ暑かったが,比較にならない.なにか,暑くて湿気の多い空気の塊をぶつけられたような感じである.我々は急いでターミナルに入った.中に入ると今度は一転して冷房がガンガン効いて寒いくらいだ.こりゃ体調を崩す人が出るんじゃないかと心配になった.我々が案内板に従って"TRANSIT"の方向に向かおうとしていると,我々の名前を書いたプラカードをぶら下げた空港職員が立っていた.どうやらマダガスカル航空のカウンターまで案内してくれるらしい.我々は彼に付いて行くことになった.どこをどう通ったのか全く判らなかったが,無事カウンターに到着した.

スワンナブーム国際空港の内部,なんとファミリーマートも!

マダガスカル行きの飛行機を待ちます
 
 ここでチェックインを済ませると,例の空港職員は今度はこっちだと我々を促す.そのまま付いていくと,今度はセキュリティーチェックに着いた.どうやらここが出発ゲートらしかったが,案内人がいればこそ,あっさりたどり着いたが,独力でここまで来るのはかなり骨が折れるんじゃないかと思った.
 当初は乗り換え時間が足りないんじゃないかと危惧されたが,空港職員の完璧なアシストのおかげで,逆に時間が余ってしまった.こんなことならセキュリティーチェックを通らずに,免税店をひやかせば良かったと思ったが,いまさら戻るのも面倒なので,待合で待つことにした.周囲を見渡すとマダガスカル行きMD011便に搭乗する乗客が三々五々集まってきていた.考えてみれば,今日日本からマダガスカルに向かう観光客は全員この飛行機に乗ることになる.ほかにどんな人たちがいるんだろうと見渡すと,どうやら添乗員に率いられた20人位の団体客が2組いるようだった(後でわかったのだが,クラブツーリズムの団体ツアーと,ユーラシア旅行社のツアーだった).その他に我々2人,それ以外には….どうやら2組の団体旅行以外の日本人観光客は我々だけのようだ.一応我々の旅行も最少催行人数2人のツアーなのだが,本当に最少催行人数しか集まらなかったらしい.またまた貸切ツアーになりそうな予感であった.
 


憧れのレユニオン

 周囲を見渡しているうちに搭乗の案内があり,続々と機内に乗り込み始めた.バンコクからマダガスカルまでの飛行機は週2便,深夜にひっそりと飛んでいる(週1便しかないセイシェルよりはましである).直行便ではなく,途中レユニオン島を経由する.レユニオンはモーリシャスと双子のように語られることもあるフランス領の島である.リゾート地としてはモーリシャスよりもマイナーだが,そのマイナーさが私好みで,いつか行ってみたい場所のひとつである.
 マダガスカル航空のB767型機は日系の国際便にあるような,座席ごとのモニターはなく,いたってシンプルなつくりだった.座席に座って出発を待っていると,客室乗務員が殺虫剤を撒き散らしながら通路を歩いていった.考えてみれば,熱帯地方にはマラリアを始め,蚊によって媒介される病気がたくさんある.国際便を介して,これら病原微生物が侵入しては大変であり,蚊などの侵入を未然に防ぐ対策と思われた.
 さて,マダガスカル航空011便は,成田と違って運行スケジュールに余裕がありそうなスワンナブーム空港をほぼ定刻に出発した.レユニオン経由で締めて11時間のロングフライトである.マダガスカル到着は朝の7時55分,ここで寝ておかないと厳しい状況になる.睡眠導入剤を内服し気合を入れるのだが,気持ちが高ぶっているのかなかなか寝付けない,機内もバンコクまでの日航機と違って結構込んでいたため,複数の座席を占領して横になることもできない.結局寝たのかどうかはっきりしないうちに,飛行機はレユニオンに着いてしまった.

シンプルなマダガスカル航空の機内です


客室乗務員が殺虫剤を撒いていきます


インド洋とマダガスカル島の境がわかります
 
 レユニオンでは意外に多くの乗客が降りて行った.その後たくさん乗ってくるのかと思ったが,レユニオンから乗り込んでくる人は少なく,結局ガラガラの状態で飛行機は離陸した.この頃になると周囲もかなり明るくなっており,眼下には真っ青なインド洋が見える.しばらく飛んでいると,巨大な陸地が見えてきた.マダガスカルである.島東海岸の海岸線がまっすぐに伸びていた.我々の期待もいやがうえにも高まってくる.ほどなく飛行機は高度を下げ,やがてマダガスカルの首都アンタナナリボのイヴァトゥ国際空港に無事着陸した.  



 

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