ホーエンザルツブルグ城は1077年(ローマ教皇グレゴリウス7世と神聖ローマ皇帝ハインリヒ4世が聖職者叙任権問題を争った,有名な”カノッサの屈辱”と同じ年)に築城が始まったといわれる,典型的な中世の城砦である.小高い山の上にそびえる山城であり,日本でいえば越後の春日山城(上杉謙信の居城)のような趣である.徒歩で登ると結構堪える距離であり,我々はケーブルカーで登ることにした.
城砦行きのケーブルカーは約10分間隔で運行されており,先着順に定員になり次第締め切られる(往復2.1ユーロだが,ザルツブルグカードを持っていると無料になる).我々が行った時は丁度直前のケーブルカーが出発した直後だったらしく誰もいなかった.しばらくボーっと待っていると,客を満載したケーブルカーが山から下ってきた.我々は,乗客を全て吐き出して空になったケーブルカーに乗り込む.我々の後から続々と観光客が乗り込み,すし詰め状態になってから出発した.
ケーブルカーは満員の乗客を乗せながらも,スルスルと山を登っていく.たちまちペーター教会の墓地が眼下に遠ざかっていく.なんとなく愛媛の松山城を髣髴させる(松山城は街からロープウェイで城に登っていく)が,決定的に違うのは松山城は走行中に,松山の観光案内が車内放送で流れるのに対して,ホーエンザルツブルグ城のケーブルカーには車内放送が全くないことであった(最もここに限らず,ヨーロッパの乗り物には車内放送はほとんどない).数分で城に到着した.
ケーブルカーを降りると,例によってうだるような暑さである.乗り場の付近にはカフェやレストランがならんでいて,ビールが飲みたい衝動に駆られたが,ぐっと我慢して先に進んだ.城壁からはザルツブルグの街が一望できた.大聖堂はもちろんのこと,ザルツァッハ川の向こう,新市街のミラベル宮殿もよく見える.確かに攻城砲などなかった中世には,ここは難攻不落の城砦だったことがよく分かる. |
ザルツブルグのシンボル,ホーエンザルツブルグ城です |
城にはケーブルカーが便利 |
城から下界を眺めます |
遠くに山が見えます |
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城砦の内部には多くの部屋があり様々な展示物が飾られていたが,さすがに元々要塞だっただけに,軍事関係の展示が多く,軍事マニアの私をワクワクさせるものも多かった(その他,拷問部屋などという,いかにも中世ヨーロッパ的な部屋もあった).
ひと通り見学して外に出ると,丁度お城の中庭のようなところに出た.ここには長椅子とテーブルが並べられており,ここで休憩して下さいということであろうか?しばらく座って休んでいたが,直射日光の当たる屋外であり,かなり環境的には厳しい.早々に立ち去って昼食にすべく,ケーブルカー乗り場付近のカフェに入った.カフェで我々は例によってビールを飲みながら,スープとパスタを頂いたのだった(このときKが頼んだスープが,唐辛子が利いて,オーストリア風チゲといった趣だったらしい). |
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大砲と兵隊を表しています |
19世紀末の機関砲でしょうか |
昔の軍服です |
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城壁に咲いていた花です.一瞬高山植物かと思いましたが,やっぱり違うようです |
城の中庭です.ここでは何かイベントが行われるのでしょうか.気になります |
昼食のカフェにて.Kが手にしているのはモーツァルトが飼っていた犬です |
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