ウィーンの空港は私にとっては初めてだった(Kは以前トランジットで寄ったことがあるらしい)ので,キョロキョロと,おのぼりさんのようにあたりを見渡しながら歩く.イミグレーションを通過して,航空会社預けの荷物がでてくるターンテーブル前で待っていると,上方になにやらモーツァルトと書いた看板が,驚くことに日本語の看板もあった.さすがモーツァルトイヤーなどと感心しながら税関を通過して到着ロビーに入った.ここでライブドア,じゃなかったライブデスクの現地係員と合流する. |
モーツァルトイヤーを告げる空港の看板.日本語もありました |
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見ると我々のほかに一組の老夫婦と女性の一人旅らしい人の併せて3人が一緒であった.皆で迎えの車(ワンボックスカー)に乗り込み,市内に向けて出発となる.天気は上々であった(何でも今朝まで天気が悪く,丁度我々が着いた頃から晴れてきたらしい.日頃の行いが良いからだなどと,ほくそ笑みながら話を聞いていた).
車はウィーン市内へと入っていくと,左手に川が見えてきた.ウィーンといえばドナウ川が有名なためこれをドナウ川と思う人も多いそうだが,ドナウ川はもっと郊外にあり,今見える川は運河らしかった.暫く走ると車はリンク通りに入っていった.リンクはウィーンの旧市街(元々のウィーンの町.16,17世紀のオスマントルコによるウィーン包囲で包囲されたのもこの部分である)を取り囲んでいた城壁のあったところで,今は路面電車の環状線が走っている.東京で言えば山手線,大阪なら大阪環状線のようなものだが規模ははるかに小さい(一周20〜30分程度).このリンク通りならびにリンクの内側にウィーンの見どころが詰まっている.今回我々が宿泊するグランドホテル・ウィーンはリンク通りの国立歌劇場や楽友協会の近くにある.これは,ヨーロッパのコンサートは日本に比べて開演時間が遅く,必然的に帰りも遅くなるため,治安の面を考えてホール近くにしたのと,リゾート型と違ってこういうアクティブに動く旅行では,ついつい買い物をしてしまい,荷物を置きにホテルに戻りたくなるシチュエーションが多いからである.今回のライブデスクの旅行者は全員このグランドホテルに宿泊であった. |
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ホテルに着くと,まずはチェックインをして,その後ライブデスクの係員からコンサートのチケット(これが一番重要)を受け取って解散となる.我々も旅装を解きに部屋に向かった.ヨーロッパのホテルはアメリカや日本のホテルに比べてインターネット環境整備が遅れている印象があるが,ここの客室にはLANが付いていた.
しばらく部屋でウダウダした後夕食に繰り出すことにする.長いフライトと時差で何となくボーっとしていることと,明日お昼から早速コンサートがある(ウィーンフィルの定演はなんと真昼に行われる)ことからこの日の夕食は軽く済ませようということになった.ホテルを出て国立歌劇場を左手に見ながらケルントナー通りを歩いていくと赤いお魚マークの店が目に入った.ここはヨーロッパ各地に店舗を持つ,”ノルトゼー(Nordsee 北海という意味)”という魚料理店である.セルフサービスで,値段が安く腹いっぱい食べられる店で,私も1991年のヨーロッパ旅行の際には何度も利用した. |
我々が泊まったリンク沿いのグランドホテルです |
この日の夕食会場となった.魚料理のチェーン店です |
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どうせ後は飲んで寝るだけと決めていた我々は,これ幸いとノルトゼーに入ってビールやワインを飲みながら食事をしたのだった.
食事を終えて店の外に出るとあたりは薄暗くなっている.我々はホテルに戻り,長旅の疲れとアルコールのためバタンと横になったのだった. |
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