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タヒチ旅行記(5)


2002年8月27日(火)

潜水艦ツアーに参加

 この日はボラボラ島で過ごす最後の日である.ボラボラ島発の飛行機は15時20分である.よって昼まではまだ島で遊ぶ時間はある.よってこの日は,昼までに帰ってくることができる「潜水艦ツアー」に参加することにした.これはダイビングができない人でも,シュノーケリングだけでは見ることのできない海の中の様子を観察できる優れもののツアーである.
 まず我々は船でホテルの対岸にある町・ヴァイタぺに出る.ここはボラボラ島最大の村で,海の玄関口ともなっている島の中心地である.しかし中心地といってもただの集落であり,店もあるにはあるが,特にここで買い物はしなかった.ここで我々は,潜水艦ツアーの送迎を待つのである.まもなく迎えの船が来て,潜水艦のあるポイントまで連れて行かれた.
 潜水艦は絵に描いたような黄色い船体で,まさに「イエローサブマリン」そのものであった.最初Kは外海だと聞いて,かなり揺れるのではないかと恐れおののいていたが,実際にはそんなことはない.この日の参加者は,我々のほかに白人系の子連れの家族であった.我々があらかた乗り込むと,ハッチが閉められて潜航開始である.最初は何匹ものコバンザメが窓のそばにわらわら寄ってくるだけであったが,深度が下がるにつれて,様々な魚の群れや珊瑚が見えるようになってきた.

潜水艦の入り口が見えます

中に入ってみます

ハッチを閉めて潜航開始.徐々に湿度も上がってきます
 
 そう,そこには普段テレビやグラビアでしか見ることのできない,珊瑚礁の海の世界が広がっていたのである.ガラス越しとはいえ,ダイビングができなくても珊瑚礁の海の営みを間近で観察することができる.ありがたいことではないか.よく見ると魚や珊瑚だけではなく,ダイバーの姿も何人か見られる.ここはダイビングスポットでもあるようだ.どさくさにまぎれてサメの姿も見ることができた.海の底近くを悠々と泳いでいる.また,我々を楽しませてくれたのは,海底でゆらゆら揺れるイソギンチャクである.磯辺で見るものよりもはるかにでかい.それらの合間を縫って,色とりどりの魚たちが泳ぎまわっている.まさに竜宮城である.ひととおり海の中を見終わった後,潜水艦は再び浮上をはじめ,色とりどりの魚と珊瑚の世界から,コバンザメばかりよってくる水域を経て,海面に浮上してツアー終了となった.  

深いところなので水面付近に比べて魚が大型です

コバンザメがわらわらと寄ってきます.どうして?

どうやら餌をくれるのを判っているらしいです
 


ボラボラ島に別れを告げる

 潜水艦ツアーからホテルに戻った我々は,しばらくプールで遊ぶことにした.しかし空を見ると,何だか雲行きが怪しい.しばらくすると雨が降ってきた.我々が旅した8月は乾季に当たり,降水量は少ないのだが,降るときは降るのである.幸い雨は一瞬で上がったので,この雨はいわゆるスコールであろう.それにしても,雨にしっとりと濡れたプールサイドも,また味わい深い風景である.雨がひとしきり降った後は,またもとの青空が広がっていた(ちなみにこの時の雨が,今回の旅行中唯一の雨であった).
 ホテルの部屋の使用は11時までなので,我々がプールから上がったあとのシャワーは,プールの近くのシャワールームで浴びた.そうこうしているうちにこのボラボラ島を去る時間である.このホテルに滞在中,何かとお世話になった,ひとみさんともお別れである.思えば水上コテージで休日を過ごすことの出来た,優雅な3日間であった.まさにのんびりしたボラボラ島の優雅な休日,是非また期待と思ったものである.我々は空港行きの船に乗り,このホテルと,オテマヌ山,そしてひとみさんをはじめとするスタッフの皆さんに手を振って別れを告げたのである.それにしても,一人でフランス語(恐らくタヒチ語も)を駆使して,我々のホテル滞在をサポートし,なおかつ現地でもたくましく生きているひとみさんは凄いなあと感心したものであった.

突然のスコール.今回の旅行唯一の雨でした

ここボラボラ・ラグーン・リゾートともお別れです

船でホテルからボラボラ島の空港に向かいます
 


パペーテへ

 ボラボラ空港から国内線に乗り,途中フアヒネ島を経由して,約1時間ほどでファアア国際空港に着いた.空港で現地の係員の男性(パシフィック・パラダイスという旅行会社)が出迎えてくれた.日本人だが,なんとなくうちの合唱団にいる男性に顔つきが似ている.現地でのここ数日の天気など(わりかし晴天続きだったようだ)の世間話を交わしながら,パペーテでの宿泊先であるシェラトン・タヒチへと向かった.
 シェラトンはボラボラ島のホテルとまた違って,やはり大手リゾートホテルといった雰囲気が漂っている.さすがに水上コテージはないが,設備に関しては申し分ない.また,ここのホテルには「マンダラ・スパ」もあるらしい.Kが是非体験したいと言っていたので,翌日行ってみることにした.ここで先ほどの日本人係員から説明を受ける.このホテルの目の前には,タヒチにおける主要な公共交通機関である「ル・トラック」の乗降場があるので,街へ出たいときは利用すると良いようなことを言っていた.また,オプショナルツアーに関する説明もここで受けた.

ボートで空港に行きます.既に各地のホテルからの船も到着しています

ボラボラの空港です.とても小さいのですが,ボロイといった印象はありません
 
私はかねてから,テティアロア島へ行くツアーに参加してみたかったのだが,やはり人気の高いツアーらしく,「とれるかどうか難しいところですが,交渉してみます」とのことであった.そこでもしテティアロア島ツアーがとれなかった場合は,モーレア島へのツアーにしようということになった(モーレア島のツアーの方が競争率は低そうだ).
 ひととおりの説明を終えて,部屋に入る.ホテルの中庭と海が見える,眺めのよい部屋である.部屋にはアイロンもついており,Kはこれで乾ききらなかった洗濯物を乾かしていた.また,リゾート地の大きなホテルではよく見られるが,バスルームには洗濯物を干すためのロープが設置されていた.我々も活用したものである.
 さて,ホテルに着いたのが夕方ということもあり,夕食をどうしようかということになった.パペーテには船着場に「ルロット」と呼ばれる屋台群が夜になると出現し,ステーキやイタリア料理,中華やクレープなどが食べられるということである.現地係員の説明にも出てきたので,特にKは行ってみたかったようだが,問題は足である.夜になると帰れない恐れがあるのだ.また,あまりお勧めしないというサイト記事もあるということで(本来はアルコールは販売できず,持ち込みも禁じられているはずなのだが,近年持ち込む人が現れ,問題になっているらしい.何しろいわゆる‘浜‘なので,アルコールが絡むと途端にガラが悪くなるのは目に見えている),我々がルロットに行くことはなかった.結局,我々がこのホテルにいる間は,夕食は全てホテルのレストランでとることになった.
 シャワーを浴びて着替え,レストランへと向かう.ここはフランス領なので,当然ドレスコードなるものが存在する.もっとも,襟付きシャツとスラックスという程度のものである.レストランは海に張り出したような造りになっており,窓際のテーブルに座ると静かな波の音がが聞こえてくる.ワインを傾けながら幸せな気分に浸った.夕食を済ませ,部屋に戻ると,ヤモリが壁を走り回っていた.我々は別に慌ても騒ぎもせず,「あっ,ヤモリだー」とのんきに感動しながら,さっさと眠りについたのであった.
 



 

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