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タヒチ旅行記(2)


2002年8月24日(土)

出発

 成田から南太平洋方面に飛ぶ便は,おおむね夕方から夜にかけて飛び立つものが多い.従って我々が自宅を出るのは午前中ということになる.さて,出発の日の前夜,私は当直であった.Kに職場前まで来てもらい,そこからタクシーで東北新幹線・水沢江刺駅へと向かう(他の公共交通機関を使わないのかという声が上がりそうだが,この年から赴任していた大東町(現・一関市大東町)は僻地ゆえ,恐ろしく交通の便が悪く,自宅から最寄の新幹線駅へ出るには,タクシーか自家用車を使うよりほかないのである)そして新幹線および成田エクスプレスを乗り継ぎ,成田空港へとたどり着いた.
 今回我々が乗ったのはエア・タヒチ・ヌイである.機体はさほど大きいものではない.前回のニューカレドニアと同様,夜のフライトなので,機内ではさっさと寝てしまった方が良い,ということで,機内食をとった後は現地に着くまで眠ることにした.しかし機内ではそう簡単に寝付けるものではなく,特にKは「近くに座っている子供の声が気になる」と余計に寝付けないでいたようだ.睡眠薬は服用したらしいが,もともと布団の上でもない,しかも揺れる機内ゆえ,さほど効果は得られなかったようだ.
 さて,タヒチは日付変更線の向こう側にあるため,現地への到着は出発時と同日の午前中になる.何だかさっぱり眠れないまま我々はタヒチのファアア国際空港(なんだか眠そうな名前)に降り立った.我々が降り立つと,早速タヒチアンミュージックによる出迎えである.そして「ティアレ」というタヒチのシンボルともいえる花で作った(かなり香りが強い)レイを一人ひとりにかけてくれた.さすがは南の楽園である.
 我々は入国手続きと両替を済ませ,一度空港の外に出てみることにした.この空港の建物は藁葺き屋根のようになっていて,ちょうどバンガローのような外観を呈している.国際空港とはいっても素朴なつくりである.敷地内の地面にはところどころ穴が開いており,時折蟹が姿を現したりしていた.それにしても日差しが強い.私は職場からそのまま来たのでワイシャツと通勤用スラックス姿である.さすがに白ワイシャツでも暑い.しかし前回の教訓を生かし,帽子は着用している.
 さて,我々はこれからボラボラ島に向かうわけだが,国内線へ乗り継ぐまでの時間は空港内で過ごすことになる.昼食として空港内のカフェで販売されているバゲットサンドを購入し,ビールと共に食べることにした.しかしこのサンドイッチ,一本が恐ろしくでかい.どうやらバゲットまるまる一本使っているようだ.(具材はツナを選択)一本だけ買ってKと半分ずつ食べることにした.さすがフランス領だけあってなかなか旨い.しかし一本をそのまま食べている人も結構いたりした.
 そんなこんなで空港で待機し,いよいよボラボラ島へ向かうことになる.
 

タヒチの空港に降り立った我々

ここがファアア国際空港です

機内からのポリネシアの島
 


ボラボラ島へ

 我々はエア・タヒチの小型機に乗り,一路ボラボラ島へ向かった.ボラボラ島へ行く飛行機は当然プロペラ機である.やはりKの顔は引きつっている.
 さて,途中モーレア島を経由して,我々はボラボラ空港に降り立った.ところで,ボラボラ島はオテマヌ山のある島を中心として,その周辺を現地語で「モツ」と呼ばれる珊瑚礁性の小島がいくつも取り囲んでいるという構成で成り立っている島である.そしてボラボラ空港はこれらの「モツ」のうちのひとつに立っており,ホテル(あるいは本島)に行くには船に乗らなければならない.もちろん我々もホテルからの送迎ボートに乗ることとなった.
 送迎ボートからは本島に聳え立つオテマヌ山が良く見える.切り立った崖の様相が男性的だ.もしかしたらここでロッククライミングに挑戦する人もいるのかもしれない.そのようなことを考えているうちに船はボラボラ・ラグーン・リゾートの桟橋へ着いた.
 ホテルのロビーに入ると,まずはウェルカムドリンクのサービスを受ける.飲み物は椰子の殻に入ったそのままの状態で供されるココナッツジュースである.漫画やグラビアなどではよく見かけるが,実際に手にとって飲むのは初めてである.それまでは漫画などでしか見たことがなかったので,形態そのものには大変感動したのだが,味の方はというと,特にほっぺが落ちるという代物ではなく,特にKは「なんか青臭い」というような感想をもらしていた.そしてホテルの日本人スタッフ(ひとみさんという女性だった)による説明を受け,個室へと案内される.

今回の宿泊地であるボラボラ・ラグーン・リゾートの看板です

ボラボラ島のシンボル,オテマヌ山です(ガイドブックには必ず載る山です)

ココナッツジュース.椰子の実から直接飲むスタイルです
 
 せっかくのタヒチだからと,我々は水上コテージに泊まるプランをあらかじめ予約してあるので,通されたのは数ある水上コテージの中のひとつである.なんとシャンパンのサービスまであった.茅葺屋根のようなコテージに,落ち着いた内装である.そして何よりも忘れてならないのが,スライドできるガラステーブルである.これはガラステーブルをスライドすると,部屋にいながらにして床下のラグーンにいる魚に餌付けができるという代物である.しかしこの日はもう遅かったので,餌付けをしたりするのは次の日にすることにした.
 そして我々はシャワーを浴び,夕食をとりにレストランへと向かった.パンの実のスープと「ロブスターのラビオリ」(ホワイトソースがかかった海老餃子のようなメニューであった)をとり,ワインを飲んだ.ジュール・ベルヌの「海底二万マイル」やTVアニメの「ふしぎの島のフローネ」にも登場し,ガイドブックでも見かける「パンの実」を一度食べてみたいと思っていたが,スープに加工された形とはいえ,とりあえず食べることはできた.しかし原形に近い形で(現地の人はこの実を蒸し焼きにして,主食の一つとして食べているらしい.芋のような食感だそうだ)食べることは,今回の旅行中は残念ながらできなかった.(2006年現在,未だにこの夢は実現していない)そしてその夜は,出発前夜当直だったこともあり,早く寝ることにした.
 

タヒチ名物(?)水上コテージ群の向こうにオテマヌ山が見える


これが水面が覗けるスライド式ガラステーブルです


水上コテージの中.ベッドや机の他シャワー,トイレも完備です

 



 

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