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タヒチ旅行記(3)


2002年8月25日(日)

ボラボラ・ラグーン・リゾートの休日

 私は出国前に当直だったので,翌朝もなかなか起きるのがつらかった.一方のKはさっさと目を覚まし,バルコニーでお茶を飲んだり,ホテルのプライベートビーチを散策したりしてそれなりに楽しんでいたようだ.ところでタヒチの水上コテージつきのホテルでは,従業員がカヌーで朝食を運んできてくれる「カヌーブレックファスト」なるサービスをオプションとして予約時に手配できるのだが,Kが「そこまでしなくていい」と言ったため,われわれの朝食は当然レストランまで出向いてとることになる.朝食をとったものの,私はやはりまだ眠い.もう少し部屋で休むことにした.一方のKはプールへと出かけていったようである.
 しばらく眠ってだいぶ復活したため,私も活動を始めることにした.今日は日曜なので,店など休業しているところが多く,外に出かけてもしょうがないので,ホテル内で過ごすことにした.まずビーチタオルとシュノーケルセットを借りてきて,コテージ周辺で遊ぶことにした.まずこのコテージは前述したようにテーブルがスライド式になっており,ここから下にいる魚に餌付けをすることができる.餌はコテージ群と本館を結ぶ通路の箱に入っている硬くなったフランスパンである.我々はこのパンとは別に,日本から「かっぱえびせん」を用意してきていた.いうまでもなく「かっぱえびせん」には海老が入っている.パンに比べても嗜好性が高そうではないか.この「かっぱえびせん」をこのスライドした窓の下に投げ込んでみる.しかし・・・この床の下に魚の影は見当たらなかった.
 次に我々は少量の「かっぱえびせん」を袋に入れ,シュノーケルセットを着用して海に入る.魚が多くいそうな適当な場所で,「かっぱえびせん」を与えてみると・・・おお,じつに沢山の魚が群がってくる.気のせいかパンより食いつきが良さそうだ.これに乗じて,私は初の水中写真に挑戦する.前回のニューカレドニア旅行で,初めてシュノーケリングを体験し,熱帯魚の群れに感動した私は,今回は是非魚の写真を撮ろうと決意し,デジタルカメラと専用防水カバーを新たに購入したのである.しかし,相手はなにしろ自然の魚である.家で飼っているハムスター(当時はまだ飼っていなかったが)でさえも,いざ写真を撮ろうとするとちょこまか動いてなかなかうまくいかなかったりするものであるが,水中で,なおかつ相手が魚なので,なおさら困難な作業である.

エメラルドグリーンの海に建つ水上コテージ群.借金しても泊まる価値はあると思います

バルコニーでボーっとする私.まさに楽園の休日です

バルコニーから海に降りる階段

海に入る部分にはシャワーも完備

水深はこんなに浅いんです
 
かっぱえびせんで釣って,その隙に撮影しようとするが,なかなかうまくいかない.それでも何とか数をこなすという作戦で,魚の姿を多数写真に収めることに成功した.
 ところで,この水上コテージは,「上下水道の設備はいったいどうなっているのか?まさか‘垂れ流し‘ではないのか?」と思われた方もいるかもしれない.実際私も母の友人に同様の質問をされたことがある.しかし心配は無用,コテージから出る排水は,太いパイプを通って陸地にある専用の施設に送られ,そこで然るべき処理を施されるのである.決して海に垂れ流しをするわけではないのでご安心を(もっとも,垂れ流しなんかしていたら臭くてシュノーケリングや遊泳はおろか,コテージで宿泊すらできないだろう).
 

珊瑚です


チョウチョウウオが南国を感じさせます

かっぱえびせんに群がる魚

 
 
 

 そのように海で魚と戯れているうちに昼食である.我々はレストランでパスタをとり,食事のお供に「ヒナノビール」を飲んだ.ヒナノビールはタヒチで最もメジャーなブランドのビールであるが,「ヒナノ」とはタヒチで最もポピュラーな女の子の名前である.(女優の吉川ひなのの名前は,もしかしたらここからきているのかもしれない.)わりと飲みやすいビールである.(日本でも入手できることがあり,私も盛岡市内の某スーパーの酒コーナーで買ったことがある)ところでタヒチ近海をはじめとして,南太平洋はマグロ漁場としてもよく知られているが,ここのレストランのメニューにも「刺身」があり,白人の宿泊客も結構食べていた.現地にも「ポワソン・クルー」という,生魚の切り身と野菜をレモン汁とココナッツミルクで和えた食品があり,軽食や前菜として好んで食べられている.料理に蝿が群がってくるのが難点だが,考えてみれば我々の子供時代は,蝿がその辺をブンブン飛んでいるのはごく当たり前の光景であった.だから私も日頃から,家の中に蝿が一匹飛んでいるだけで落ち着かないKに,「蝿も棲めないような環境じゃもうおしまいだ」と言っているのである.  
 昼食後はプールで過ごすことにした.リゾートホテルのプールの常として,比較的浅い部分からだんだん深くなり,最深部では日本人女性なら沈んでしまいかねない深さの部分まである.たとえば岩手県の「けんじワールド」には,さすがに水深150cmなんて部分はないが,海外のリゾートのプールには,足が届かないような場所が設定されているのである.我々はなるべくそのような深い場所には行かないように努めながら,プール遊びをしたのである.しかし日本女性の中には,身長が150cmに満たない人も結構いる.そのような人には(もっとも,よほど泳ぎに自信のある人は別だが)結構この手のプールは怖いのではないか.
 その後我々はホテルのプライベートビーチを散策することにした.遠くにはオテマヌ山が,男性的なシルエットを浮かび上がらせて聳え立っている.そのオテマヌ山をバックに,我々は写真を撮った.

これがタヒチで最もメジャーなヒナノビールです

オテマヌ山をバックにして
 
そのほかにビーチにはハンモックが吊り下げられている.Kは早速そのハンモックに寝そべっていた.
 ハンモックに寝そべってくつろぐという行為は,漫画や文学の世界ではしばしば目にするが,実際にはなかなかできるものではない.Kはこの行為に大変感動していたようだ.これぞ南国の休日である.しかし実際には,(この日はそんなに人影はなかったが)ハンモックを使いたい人は他にもいるのであるから,ここで熟睡・・・というわけにはそうそう行かないだろう.他にも,ハンモックだけでなく,ビーチチェアーに寝そべって写真を撮ったりして,くつろぎのひと時を過ごしたのである.
 で,この日の夕食は外には出ずカップ麺にした.さすがに毎日ホテルの夕食では,消化器が悲鳴を上げてしまいかねないのである.この日は日曜なので,仮に外に出たとしても,飲食店は営業しておらず,また軽食を買ってくるというわけにもいかない(本当はここのホテルでも,「飲食物の持ち込みはご遠慮下さい」となっているのだが,明日から豪勢に飲み食いするのでお許しください 笑).よって本来はあまりお勧めできないが,このような形となってしまったのである.そしてボラボラ島の夜は,このようにして更けていくのであった.
 

プライベートビーチのデッキチェアでゴロゴロする我々


こっちはハンモックで寛いでいるKです.昼寝できそう


夕暮れの水上コテージです.各コテージがライトアップされます

 
 



 

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