聖誕洞窟を抜けて次は隣接するカトリックの聖カテリーナ教会に入る.ここの中庭には聖ヒエロニムスの像が立っている.5世紀初頭にヘブライ語・アラム語の聖書をラテン語に翻訳した人物である.像の足元には頭蓋骨が置いてあるが,これは彼の翻訳作業に協力したローマの女性パウラのものである).
教会の聖堂は見慣れたカトリックらしいもの,ステンドグラスから差してくる光加減もカトリックだ.ここには生まれたばかりのイエスを模した人形があり,毎年クリスマスの時期になると,ここから先ほどの聖誕スポットまで運ばれるらしい.実はこのカトリックの聖堂と聖誕洞窟(ギリシャ正教管理)はドア1枚でつながっている.普段は宗派の垣根で遮断されているドアが,年に1度クリスマスの時にだけ開けられるというのが興味深い(七夕みたいだなと感じた).聖堂からは当時ヒエロニムスが籠ったとされる地下洞窟に降りることができる.ここで彼は聖書の翻訳作業を行っていたそうだ.,
聖カテリーナ教会の見学を終えると隣接するお土産物屋を覗きつつ休憩時間,各自トイレなどを済ませる.その後は駐車場に戻りバスに乗り込んだ.この後は今日明日と連泊するホテルに向かう.エルサレム市街地西部の高台にあるリモニム・シャロムというところ,名前のイメージから昨日まで泊まっていたホテル(リモニム・ミネラル)と同系列と思われる.到着してチェックインしたのは16時半頃,この手の観光旅行としては早い時間だが,出国以来結構ハードな日程だったので,この日はゆっくり休んでもらおうという趣向のようだ.
さてこの日は金曜日,日没とともにユダヤ教の安息日が始まる日である.彼らは週の終わりである土曜日を安息日として,一切の労働をしない日と定めている.ユダヤ教の一日は日没から始まるので,金曜日の夕方が彼らの土曜日の始まりなのである.そんな安息日が間もなく始まろうという雰囲気もなかなか非日常的で面白かった. |
ヒエロニムスの像 |
聖カテリーナ教会の聖堂 |
聖母子画 |
幼子の人形 |
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部屋に入ってシャワーを浴び,しばらく寛ぐ.やがて日没となり夕食のレストランへ.ブッフェスタイルは昨日までのホテルと大差ない感じだったが,この日は正装した見るからにユダヤ人という家族が多い.聞いてみたら,安息日は夕食の支度などもしてはならないため,こうしてホテルに泊まる人たちがいるんだそうである.まさにユダヤ的発想! もちろんお金がなければ不可能だが,こういうのもありだなと感心したのだった.結局この日もワインを1本空けた我々だった.さあ,明日はエルサレム旧市街の観光である. |
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銅版画もありました |
ヒエロニムスの洞窟に降ります |
地下にも彼の像が |
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地下ののステンドグラス |
この日から連泊するホテル |
日没,安息日の始まりです |
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