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ニューカレドニア旅行記(5)


7.2001年11月14日(水)

 この日も朝から好天であった.朝食会場へ行き朝食である.ご飯と味噌汁もあるビュッフェスタイルだ.時折開けっ放しになった窓から小鳥が入ってきて,パンくずをついばんでいた.明るい雰囲気の会場である.
 朝食を済ませ,我々はヌメア市内の散策に出かけることにした.まずホテルから徒歩でアンスバータのパームビーチ・ショッピングセンターに向かい,かねてからKが乗りたいと言っていたプチトランに乗ることにした.電気自動車なのでそんなにスピードが出るわけではないが,ゆっくりと市内を走ってゆく.
 しかし,ここでこの旅行における最大のピンチが到来した.な,なんとKがお腹を壊してしまったのである.ガイドブックでは,ニューカレドニアは本島にいる限りは水道水は特に問題なく飲めると書いてある(実際我々もメリディアン・ヌメアの水道水で冷茶を作っていた)が,ややお腹が弱いKには厳しかったようである.整腸剤を飲ませるが,あまり効果はないようである.うーん,困った.
 痛む腹を抱えるKと共に,ヌメア市内を散策する.平日なのでかなり賑わっている.ココティエ広場ではほか弁のようなお弁当を広げて食べている人々もいる.赤い火焔樹の花が咲きほこり,のどかな光景だ.その辺の人に「ボンジュール」と声をかけると,にこやかに返事を返してくれる.そして私のそばでは,Kがお腹ゴロゴロと闘っている.
 この広場の中心には.1884年に造られた噴水がある.ものの本によると,この噴水は1900年にいったん水が止まり,61年後のクリスマスに再び出るようになったのだそうだ.この噴水の前で写真を撮り,我々はヌメアのシンボルともいうべきサン・ジョセフ大聖堂へ行った.この教会はニューカレドニアの写真でもよく被写体としてとり上げられる建造物である.教会内にはシャコガイの聖水盤やニッケルのシャンデリア(ニューカレドニアは観光化される前は主にニッケルの産地として知られていた.森村桂の「天国にいちばん近い島」にも,ニッケルを扱う商社に関するエピソードが登場する)があった.しかし聖堂内は撮影禁止なので,残念ながら内部の写真はない.


ホテル・ル・メリディアン・アンスバータの中庭

ヌメアの中心部,ココティエ広場にある噴水です.



 午後からは森林公園に行ってみることにした.ここは動物園,植物園,自然公園からなる施設で,我々はこの中の動物園を散策することにした.この動物園の最大の目玉は,ニューカレドニアの象徴といえる飛べない鳥「カグー」である.この鳥はツル目カグー科の1属1種の鳥で,ニューカレドニアの固有種である.ちなみに日本国内では横浜の野毛山動物園とズーラシア(ただしズーラシアでは非公開)で飼育されている.
 動物園でもKは相変わらず腹痛と闘っていた.園内でトイレを見つけると必ず駆け込んでいたようである.それでもやはり動物たちは見たいので,何とか頑張って園内を歩く.課外学習と思しき小学生の一群もいた.いろいろな動物や鳥類を見ているうちに,さて,お目当てのカグーである.大きなケージの中で2羽が寄り添っている.青みがかったグレーの羽色が美しい.この鳥はニューカレドニアの植民地化に伴う開発に伴い,生息数が激減し,現在は手厚く保護されているそうだ.その他にも園内には,ウベア島にのみ生息するインコや,周辺のオーストラリアやニューギニア産の鳥や哺乳類(セキセイインコも展示されている.その辺のショップで買ったのを展示しているのではないかとつい思ってしまう)が展示され,日本語の説明も表示されていた.横浜の動物園から寄贈されたという丹頂鶴も展示されていた.そのほか園内には孔雀が放し飼いされており,なかなか優雅である.
 しかしKはやはり腹痛がつらいらしく,ほかのエリア(植物園など)を回ることはできなかった.そこで我々はホテルに戻ることにした.ホテルに戻ってもKはまだつらいらしく,部屋に戻るとベッドに倒れこみ,そのまま動けないようであった.
 よって,この日の我々の夕食は必然的にルームサービスとなった.Kが動けそうもなかったからである.ヌメア市内には「さつまラーメン」という大分県に本社のあるチェーン店のラーメン屋があるということで,行ってみたかったのだが,Kがこの状態ではとても行けそうにない.結局部屋で私はステーキ,Kはオニオンスープとカスタードプディング(腹が痛いのでこれしか食べられないらしい)をとり,あとはそのまま眠りについたのだった.



ココティエ広場の音楽堂です.時々コンサートも催されるようです.

ヌメア森林公園にいる孔雀です.


 

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