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 ミャンマー旅行記(3)


2014年2月8日


ヤンゴン空港の朝

 明けて2月8日,いよいよ本格的な観光が始まる.この日は早朝の便でミャンマー中部の都市バガンに行き,一日同地を観光することになっている.4時にモーニングコールで起こされ,身づくろいをしてロビーへ.この時間ではもちろん朝食のレストランは開いていないため,代わりのボックスが渡された.昨日と同じトヨタのマークUで空港へ向かう.昨日は夕方のラッシュで大混雑だった道路も,早朝は空いていて,スイスイと走っていく.

早朝なのに混雑している空港
 
30分弱でヤンゴン空港に到着した.国際線のターミナルと違って国内線のそれは年代を感じさせる古い建物である(これが昔の国際線ターミナルだというウワサ).早朝ではあるが,各地へ向かう飛行機を待つ乗客で待合は大賑わいだった.一般的な空港だと電光板にフライト状況が表示されるのだが,ここにはそのようなものはない.どうするんだろうと思っていたら,適宜係員が便名の書かれたプラカードを手に乗客を誘導しているようだった.搭乗まで時間があったのでここで朝食をいただくことに.ボックスの中身は固いパン2枚とゆで卵,バナナだった.ふと見ると近くには日本人の団体観光客の姿が,添乗員さんのファイルから阪急交通社のツアーらしかった.   

空港の待合(外国人が多い)


このように係員がプラカードを掲げています

朝食のボックスの中身です

 


霧で出発が遅れる

 6時ごろにニャウンウー(バガン最寄りの空港)行きのプラカードを持った係員が登場,搭乗開始となる.この飛行機はATRのプロペラ機だった.指定された席について離陸を待っていると,なにやらアナウンスがあって一同飛行機から降ろされた.機体トラブルか!と心配したのだが,どうやら霧のため離陸できないということらしい(降りてみたら結構な霧だった).ガイド氏によると稀にこういうことがあるそうだが,経験したのは初めてだと言っていた.稀な出来事がまさか自分が来た日に起こるとはと思ったが,まあこれも経験ということで自らを慰めた.
 再び待合に戻って待つこと約2時間,霧も晴れてようやく出発となる.ヤンゴン−ニャウンウーは1時間半ほどのフライトだが,飲み物のほかに軽食のサービスがある.さすがにアルコールはないので飲み物はコーラにしたが,軽食のソーセージパンが美味かった.10時近くにようやくニャウンウー空港に到着である.飛行機から降りてみると,意外に涼しい! 確かにバガンはヤンゴンよりも北でしかも標高も高いわけだが,それでもヤンゴンとの気候の違いに驚いた.
   

ヤンゴンの国内線ターミナル

霧で出発できません

機内での軽食サービス
   


ニャウンウーマーケット

 この空港はボーディングブリッジではなく,タラップを降りてバスでターミナルに向かう形式なのだが,このバスが昔の日本の路線バスでなんか懐かしかった.空港のターミナルではターンテーブルから荷物が出てくるのが一般的だが,この空港では係員が一つ一つ運んでくるスタイルらしく,けっこう時間がかかる(団体客は別枠で出てくるらしく,さきほどの阪急交通社の人たちはターミナルの外で待つように指示されていた).出発が遅れたことで,荷物を待つ時間ももったいないということでガイド氏は先に手続きをしてくると言って外に出ていった.しばらくしてようやく荷物が登場,迎えの車に乗り込みいよいよ市内へ繰り出す.まず向かったのは空港近くのニャウンウーマーケット,地元の市場なのだが,野菜や肉から雑貨品までなんでも売っている.大勢の地元の人々に加えて観光客の姿もたくさん見られた(あとで調べたら大抵のツアーはここに寄るらしい).市場はいわゆるアジア的な熱気がすごかったが,ここではガイド氏の勧めで茶葉で作ったミャンマー風の漬物をいただいた(ちょっと脂っぽかった).

飛行機からターミナルへのバス

このように日本の路線バスの名残が
 

ニャウンウー空港

アジア的な市場です

たくさんの店が
 

現地の人々


顔に塗っているのはタナカという顔料

ミャンマー風茶葉の漬物

 


シュエズィーゴン・パゴダ

 マーケットの散策が終わると,いよいよバガンのダウンタウン(?)に入っていく.バガンはミャンマー最大の観光地といわれ,平原にたくさんの仏教建築物が立ち並ぶ光景が素晴らしいところだ.特に城壁で囲まれたオールドバガンと呼ばれる地区(バガンの旧市街)にそれらの建物が集中している.街を取り囲む城壁の出入り口のひとつタラバー門をくぐってバガンの旧市街へ,まずはこの町最大のパゴダ(仏塔)であるシュエズィーゴン・パゴダに向かった.
 ミャンマーは国民の大多数が仏教徒(いわゆる上座部仏教)で,国内あちこちにパゴダ(ミャンマー語ではパヤー)と呼ばれる仏塔が立っている.サイズはさまざまだが,大きいのになると優に100メートルを超えるものもある.バガンのシュエズィーゴン・パゴダも40メートルほどの高さを誇っていた.ミャンマーではパゴダや寺院を見学するには靴や靴下(ストッキングも含む)を履いたままでは許されず,素足にならなくてはならない.この日は一日中その手の場所を観光するということで,最初から素足にビーチサンダル状態にしていた(結果的に大正解).指定された場所でサンダルを脱いで中に入った.円錐に近い金色のパゴダが太陽に輝いている.これは金箔をはっているためで,この国ではパゴダや仏像に金箔を貼ることがその人の功徳になると考えられているからである(私も貼りました).もっともすべてのパゴダに金箔が張られているわけではなく,白く塗られたものや,元の石材の色そのもののパゴダも多い.

旧市街の入り口タラバー門


シュエズィーゴンパゴダの入り口


何となく西洋の教会を彷彿させる絵です
 

手に持ってるのは金箔です

シュエズィーゴン・パゴダ

全体に金箔が貼られている
 

側壁には仏教画が描かれています

パゴダ施設内は裸足で
なくてはなりません

東屋内に置かれているお坊さん(?)
 


アーナンダ寺院とタビニュイ寺院

 続いてはアーナンダ寺院へ. バガンにやって来たのにここを見ないとというのは来てないのと一緒だといわれるほどの名所である.インドのナーランダ僧院に似た名前だが,これも仏教関連用語なんだろうか.まずは寺院の北にある建物に入る.ここはアーナンダ・オーチャウンと呼ばれる古い僧院で,内部に飾られている壁画が有名らしい(残念ながら内部は撮影禁止).
 そしていよいよアーナンダ寺院である.ここは本堂の大きさが60メートル四方ほどあり,東西南北4か所に入り口があって,それぞれに巨大な金色の仏像が立っていた.よく見ると4体それぞれに特徴があって素晴らしいなと感じた(まさに壮麗の一言).
 そのあとに見学したのがタビニュイ寺院,1144年に建立されたバガンでもっとも高い寺院である(65メートル).ここも内部に金色の仏像が数多く飾られていた(ここに限らずミャンマーには金ぴかの仏像や仏塔が本当に多い).

アーナンダ・オーチャウン

アーナンダ寺院の裏口
 

北の仏像(拘楼孫仏)

東の仏像(拘那含牟尼)

南の仏像(伽葉仏)

西の仏像(釈迦牟尼)
 

小さい仏像も

記念撮影

こちらが正面です
 

タビニュイ寺院

天井の装飾

ここにも金ぴかの仏像
 
   


シュエグーヂー寺院とランチ

 タビニュイ寺院から出るとちょうどお昼時になっていた.この日のランチは街のレストランの予定なのだが,ふと見ると近くの寺院のバルコニーに観光客の姿が見える.なんだか眺めがよさそうなスポットだ.ガイド氏にあそこに行ってみたいというと,大丈夫とのことでちょっと寄り道をすることにした.ここはシュエグーヂー寺院といって,バガン旧市街で唯一展望が楽しめる寺院らしかった(郊外にはシュエサンドー寺院という有名スポットがある).

展望が良いシュエグーヂー寺院
 
 登ってみると,今まさに見てきたタビニュイ寺院やアーナンダ寺院が非常によく見えた.近くには王宮博物館や考古学博物館も建っていた.これらは外観が寺院風になっていて,それはそれで風情があるのだが,所詮は歴史的考証を無視した観光施設であり,こうしたものの存在がここが世界遺産になれない理由となっている.  

パゴダが立ち並ぶ

タビニュイ寺院

奥がアーナンダ寺院
 
 しばし展望を楽しんだ後,昼食会場へ.バガン旧市街からちょっと離れたお洒落なレストランだった.この日は西洋料理ということで,トマトスープとバーベキューのセットだった(バーベキューは魚と牛と鶏).旅行に来ればお昼からアルコールが定番の我々はさらに地元のミャンマービールをいただいたのはいうまでもない(笑). 

昼食会場のEden BBB Restaurant
 

客層の大半は外国人

トマトスープ

メインのバーベキュー
 


漆器博物館

 バーベキュー料理を堪能した後,今度は市内にある漆器博物館の見学に向かう.実はここバガンは漆細工が名産品なのである.途中,旧市街の入り口であるタラバー門を見学する.この門は9世紀にビンビャー王がこの街を囲むように造った城壁の一部である.ここにはバガンの守護神であるナッが祀られている.9世紀のピンビャ王が自分の王位を脅かしていると誤解し殺害した王子ミンとそれを悲嘆して死んだ妹マハギリがナッの化身とされている.

通りから見えるタビニュイ寺院
 

9世紀に作られたタラバー門

ナッ神の像(これは兄のミン)

タラバー門を背景にして
 
 タラバー門から旧市街に入り最初の交差点を左折してしばらく行くと,漆器博物館である.ここは博物館と同時に工房も兼ねていて,漆器が作られる行程がよくわかるように,各作業を職人さんたちが順番にやって見せてくれた.こうした場所では必ず併設してある(笑)お土産屋さんも覗いたが,漆塗りのぐい飲みを購入したのだった(極めて実用性が高いな 笑).  

漆器博物館

各作業工程を見せてくれる

ネコがいました(笑)
 
 その後は本日宿泊のホテルにいったんチェックインすることに.この日の宿泊先はバウガ・テイデイ・ホテル,バガン旧市街の南に位置する,いわゆるニューバガンと呼ばれる地域にある新しいホテルである.広々とした庭やプールなどもついたリゾート風のホテルだった.特にプールは魅力的で,この暑いミャンマーの気候ではぜひ泳ぎたくなる.しかしながら一休みしたらまたすぐに出かけることになっているため,結局このプールを使うことはなかった(泣).   

ホテルのフロント


色彩がミャンマー風です


テラス席には象のモニュメントが!
 


馬車観光

 時間になりガイド氏と車が迎えに来たのでさっそく乗り込む.この後はバガン周辺の寺院の散策であるが,今度は自動車ではなく,バガン名物の馬車に乗っての散策である.行程はこの街最大規模を誇るダマヤンヂー寺院へ,その後サンセットポイントとして有名なシュエサンド・パゴダに行き,その後夕食という流れになる.まずは市内の馬車プールへ,ここは観光用の馬車がたくさん待機しているスポットである.周辺には馬車の他にここまで観光客を乗せてきたと思われる観光バスの姿もたくさんあったが,日本でおなじみのJRバスほぼそのままのスタイルで停まっていたのは感動だった(笑).日本のバスと写真を撮っていたら,交渉を終えたガイド氏がやってきて我々を1台の馬車に案内してくれた.バガンの観光馬車は御者を含めて4人乗りである.当初はKが前に座ったのだが,重さのバランス云々の問題で結局私が前になった(笑).

バガン郊外の馬車プール

JR関東のバスです
 

この馬車に乗ります

最初は舗装道路

積載オーバーでは!
 
 馬車はトコトコと進んでいく.周辺には,よく知られたものから無名なものまでたくさんのパゴダや寺院が聳えていた.自動車からだと車窓から写真を撮るのがけっこう難しいのだが(自動車は速度が速いから),馬車だと楽勝,それゆえ時間がたっぷりある観光客はこの馬車を1日チャーターして市内観光するらしい(あとはレンタサイクルやレンタバイクも多い模様).馬車は最初は自動車も通行するような舗装道路を進んでいたが(明らかに積載オーバーだろうというトラックとすれ違った),途中から馬車専用かと見紛うほどの狭い未舗装道に入っていった.
 馬車に揺られてしばらく行くとダマヤンヂー寺院に到着,ここは12世紀のナラトゥ王によって建造がはじめられた寺院だ.彼は自分が王になるために父王および兄王子を暗殺したが,その後罪の意識にさいなまれてこの寺院の建造を始めたそうだ.だが後にその彼自身も暗殺されてしまい,結局この寺院は未完成のまま放置されて現在に至っている.確かにこの寺院は今まで見てきたものとは趣を異にし,壁などは荒れはてていているうえに,天井にはコウモリが飛び交うなど不気味な雰囲気を醸し出していた.しかしながらここにも壁画や金色の仏像はちゃんとあって,やっぱり寺院なんだなと感じさせられた.

名もなきパゴダが立っています

馬車道です

ミィンカバーパゴダ
 

背後から見たダマヤンヂー寺院

こちらは正面です


金ぴかの仏像
 

こちらは白い仏像

顔面だけが金色のも

壁画です
 

記念撮影(笑)

周辺にもたくさんのパゴダが

蹴鞠(?)に興じる現地の若者
 


シュエサンド寺院

 続いてはサンセットポイントのシュエサンド・パゴダに向かう.途中同じ場所を目指しているらしい自転車に乗った欧米系の観光客が道に迷ったらしく声をかけてきた.すると御者が自分たちが行く方向だからついてこいと言って誘導していた.
 シュエサンド・パゴダは11世紀に建立されたこの街ではかなり古いパゴダである.仏塔としては特に変わったものはないのだが,ここからの夕陽が見事ということで観光客に人気のスポットとなっている.我々が行ったときはすでに大勢の観光客で賑わっていた(テラスに上がる階段が狭くて大渋滞!).テラスからのバガン市街の眺めは素晴らしいの一言である.夕日の中に浮かぶパゴダはもちろん,牧舎に帰るらしい牛の群れが土煙を上げる様子なども良いアクセントになっている.ここ バガンは,カンボジアのアンコールワット,インドネシアのボロブドゥールと並んで世界3大仏教遺跡に数えられているのだが,さもありなんと感じた.

スラマニ寺院(地上から)

同じくスラマニ寺院(展望所から)
 
その後サンセットの時刻を迎え,帰りの階段がこむことが予想されたため素早く撤収した我々だった(それでも大渋滞だったが 笑).  

古都バガンの風景

牛さんのお帰りです

バガンの夕日
 
 
 
 
 


ナンダレストランのディナー

 日没後周囲はどんどん暗くなっていく(バイクや自転車の人は帰路注意が必要).我々は直接夕食会場のナンダレストランに向かう.ここはミャンマー伝統のあやつり人形ショーが見られる野外レストランである(この街をを訪れるパックツアーの多くが利用することで有名らしい).ここの操り人形は日本の人形浄瑠璃とは異なり糸で操るタイプ,いわゆるマリオネットである.浄瑠璃のように劇を演じるわけではなく,音楽に合わせて人形が躍るスタイルだった.夕食はサラダ,スープ,メイン(ポーク)のコースで,飲み物には白ワインをいただいた(ミャンマー産のワインだった!).
 その後はホテルに戻ったが,早朝からの観光の心地よい疲労とアルコールであっという間に寝てしまった.明日はいよいよチャイティーヨ・パゴダである.

ミャンマー伝統の操り人形

音楽に合わせて踊る
 

ミャンマーワイン

サラダ

スープ

メインはポーク
 



 

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