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第2回パラオ旅行記(4)


2005年9月22日(木)


ガラスマオの滝

 この日も心地よい晴天であった.この日はパラオ最大の滝である「ガラスマオの滝」へのツアー参加を予定していた.ガラスマオの滝はパラオ最大の島・バベルダオブ島(なお,首都のコロールはこことは別のコロール島にある)にある滝で,海ばかりに目が行きがちなパラオにおいて,ひときわ目立っている観光スポットである.滝に着くまでかなりの距離を歩かなければならないが,途中ではちょっとした沢歩きを楽しむことができ,ジャングルを探検した気分を味わうことができるのである.
 まずはロビーに集合し,車に乗ってバベルダオブ島へと向かう.実はパラオは近い将来,首都機能をこちらのバベルダオブ島にあるマルキョク州に移転する予定らしく,我々がこの辺を通った時も,幹線道路の整備のための工事がいたるところで行われていた.しかしかなり道が悪いところも依然としてあり,ガイドによるとこの数日の大雨で道路のコンディションがかなり悪くなっていたが,今日になっていくらか改善されたということであった.(今日のコンディションが落ち着いているのは,やはり我々の日頃の行いが良かったせいか? 笑)
 途中のガソリンスタンドでトイレを借りたりして,しばらく車で走っているうちに,滝へと続くトレッキングコースの出入り口に着いた.まずは靴の履き替え,途中沢歩きになるので,濡れてもいいように,また滑らないように専用のブーツに履き替えるのである.そして出発であるが,このトレッキングコースは,ここから見ると階段状になっていて,はじめはこれを下っていくらしい.ということは,帰りは登りということになるのか……(汗).実際,出入り口には貸し出し用の木の杖が用意されている.こ,これはかなりきついトレッキングになりそうだ. 
 ウダウダしていても始まらないので,早速トレッキング開始である.最初の下り坂,かなり急である.膝が笑いそうだ.しかしとにかく歩かねばならない.そういえば我々の前に滝から帰ってきたと思われる台湾人のグループの間でも,坂を上っている仲間に「加油,加油」(頑張れ,頑張れ)という声をかけているのが見られた.いずれにしてもハードであることは間違いない.
 我々はジャングルを抜け,熱帯特有の赤茶けた大地を踏みしめて,滝へと歩いてゆく.途中,森が開けたところまで歩いてゆくと,彼方に滝が見えるではないか.もしかしたら結構近いのかも……と,一瞬期待を寄せるのだが,現実はそんなに甘くはない,まだまだ我々は歩かねばならないのだ.何しろ,まだ我々は沢を歩いていないのであるから.
 我々はまた坂を下り,再び森に入って噂の沢へと出た.清流である.これからこの沢伝いに歩いて(あるいはこの沢に入って)行けば、いずれ滝へとたどり着く寸法である.途中にはロープにつかまって歩かなければならない箇所もある.まさに探検気分である.この沢では,体長2〜3mmあるかないかという,極小サイズの蛙が多数生息しているのが見られた.これはオタマジャクシから変態して間もない個体で,いずれそれなりのサイズに大きくなるものなのか,それともこれ以上大きくならない種類なのかはわからない.
 沢伝いにしばらく歩いていくと,木々の間からすだれのように水が落ちている様が見える.おお,これこそがあのガラスマオの滝である.

ここで車を降りてマリンブーツに履き替えて出発します

ガイドの指差す方向に滝が見えます

上写真の拡大図です

ガラスマオの滝.周囲の人間と比べると大きさがわかります

滝の裏側に入ってみると,こんな感じです.日の光をあびてとても綺麗です

滝に打たれても気持ち良すぎて修行になりません(笑)
 
大量の水がドドド……と落ちてくるというわけではないが,水のカーテンかすだれといった感じの滝で,実に風情があり涼やかである.もっとも,それなりに水の勢いはあり,近くに行けば水しぶきでたちまちビショビショになるのであるが(実際,この水しぶきのために写真撮影は難航を極めた).それでも我々は水着姿になって滝壺周辺に行ってみたり,滝の裏側に回ってみたりして,思い思いに過ごしたのであった.残念ながら,以前テレビで紹介されていた大鰻には出会えなかったが,滝壺周辺の水域で川魚が泳いでいるのを見ることができた.  


バベルダオブ島の戦跡

 我々はこのガラスマオの滝近くの休憩所で昼食をとった(サンドイッチである).食後しばらく滝周辺で過ごし,その後は前に来た道を通って戻ることになる.再び沢歩きであるが,途中ガイド氏が川の魚に餌(さっきのサンドイッチの残り)を与えていた.また,魚だけでなく,我々は川エビも(手長エビかザリガニのような外観)見ることができた.さらに川の一部が深くなった場所では,露天風呂気分で水につかることができる場所もある.水が何となく温かいので(別に温泉というわけではなく,気分の問題であろう),心地よく浸かることができる.
 沢歩きの後は,「行きはよいよい……」ではないが,往路では下りだった道,そう,ハードな上り坂の帰り道である.きつい.実にこれがまたきつい.杖につかまって何とか歩くが,運動不足の体には実にこたえる.それでも頑張って上り坂を歩くが,やっと最初の出入り口にたどり着いたときは,もう動きたくないと思ったものである.

しばらく遊んで滝を後にします


途中にはこんな露天風呂のようなところもあります(結構温かくて気持ちいいです)
 
 休憩所で一休みした後,再び車に乗って帰路につくわけだが,途中でドライバーが車を停めて,我々を道路わきの草むらへと案内した.するとそこには,第2次世界大戦で用いられた兵器の残骸があるではないか.見ると連装の高射機関砲のようだ.おそらく海軍の九六式25ミリ機関砲と思われた.ここバベルダオブ島はペリリュー島やアンガウル島のような地上戦闘は行われなかったが,空からの攻撃は当然あったはずで,この機関砲も侵入してきた米軍の艦載機と戦ったものと思われる.
 その後帰る途中に,撃墜された軍用機の残骸や慰霊碑(三角形の塔のような形をしていました)に立ち寄り,夕方無事にホテルに戻ってきたのであった.
 

遮蔽壕の中にあった,海軍の九六式25ミリ連装機関砲と思われました

こちらは撃墜された軍用機の残骸です.機種はよくわかりませんでした

戦争中この島は地上戦はなかったものの,食糧不足等から亡くなった方もいたようです
 


パラオでの外食

 ホテルに戻って少し寛いだ後,夕食に出かけることにした.この日はせっかくだから街に繰り出すことにした.2月のパラオ旅行の際には「美登寿司」に行ったので,この日は同じくパラオで有名な和食屋である「どらごん亭」の姉妹店の「鉄板どらごん」に行くことにした.
 パラオには路線バスなどの公共交通機関はなく,どこかへ出かけようと思うとタクシーを利用する他ないのだが,実は夜間のみ島内の主要ホテル(PPR,PRRそれにバレイシアホテルなど)とダウンタウンの飲食店を廻るという,120%観光客向けのシャトルバスが約1時間に1本走っている(BBIシャトルバス).

コロールールのステーキ屋さんです
 
前回の旅行で「美登寿司」に行った際も利用したのだが,今回もそれに乗って出かけることにした.
 鉄板どらごんは日本でもおなじみの鉄板焼きスタイルのお店で,目の前で肉や魚を焼いて供してくれる.フルコースとライトコースがあったが,フルコースだと量が多そうな気がしたためライトコースにした(我々にはライトコースで十分だった).ついでにワインを注文し,結局いつものように1本空けてしまったのだった.帰りもシャトルバスで帰るつもりだったが,酔っ払ったのと時間が中途半端だったのとで,結局タクシーを呼んでもらい帰った.
 ホテルに戻ったあと,我々はそのままバタンと倒れるように寝てしまったのだった.明日は体験ダイビングである.
 



 

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