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第3回パラオ旅行記(4)


2012年1月29日(日)

注: メディア紛失のためこの日の写真がほとんどありません(泣)

パラオ最大の秘境

 明けて1月29日,日曜日であるが休暇の身には特にこれといった感慨はない(笑).この日はパラオにおける秘境中の秘境,カヤンゲル島を訪問する予定である.
 カヤンゲル島はパラオ最北部に位置する環礁である.バベルダオブ島のさらに北にあり,途中リーフが切れていて外洋を渡る必要があるため訪問するのが非常に難しい場所である.その分手つかずの自然が残っていて,特にビーチと海の美しさはパラオ随一とも言われている.長らく一般の観光客は行けないところだったのだが,最近ここを訪問するツアーが開設されたとの情報が入り,パラオに行くことがあればぜひ参加したいと思っていたのである.ちなみにツアーを開催しているのはパラオ・ロイヤル・リゾート(我々が2005年秋の訪問の際利用したホテル)内にある
ブルーマーリンというダイビングショップであった.ただこのツアー,必ず催行されるわけではない.前述のようにカヤンゲル島へ渡るにはリーフ外を航行する必要があるため,海が穏やかな日でないと行くことはできないからだ.しかも海がどうなっているのかは実際にその周辺まで行ってみないとわからないため,船に乗って出発したはいいが,ぎりぎりまで行って残念!というケースもあるらしい(ブルーマーリンのサイトを見るとカヤンゲルに行ける確率は5割以下らしい).ぶっちゃけ運次第という企画であるが,晴れ男で普段の行いがいいと信じ切っている自分が参加するのだから,当然行けるだろうと自信満々ではあった(笑)
 


バベルダオブ島を北上

 朝起きた段階で天気は晴れ,幸先が良い(笑).カヤンゲル島はアプローチが長いため,ツアーは1日がかりとなる.この日はしっかり英気を養うためにレストランで朝食を摂った(和洋ビュッフェ.和食が普通に食べられるのもパラオの魅力である).その後部屋で水着を着こんで日焼け止めをしっかりと塗って準備をする(パラオは赤道に近いため紫外線が非常に強い).ロビーで待っていると係員の女性がやってきた.促されて車に乗り込む.この日の参加者は我々のほかに家族連れが1組であった.
 いよいよ出発! となったがすぐに船に乗るわけではない.カヤンゲル島は非常に遠いため,まずはバベルダオブ島北部にある桟橋まで車で行き,そこから船に乗り換えるのである(桟橋の段階で風が強いなどの理由でカヤンゲル島に渡れないことが判明した時は,その周辺にある別なスポットを訪問するツアーに振り替えられるらしい).我々に同行するガイドは若い女性2人だった(うち1人が運転手兼任).

PPRの朝

朝食はほぼ和食(笑)
 
 ホテルを出発してコロールの中心部を通り,KBブリッジを渡ってバベルダオブ島に入る.少し走るとT字路にぶつかりそこを左折した(右に行くと空港).ここからしばらくは山の中の単調な道路が続く.実は2005年秋のパラオ訪問の際も我々はこの道を通っている.バベルダオブ島北部にあるガラスマオの滝トレッキングに参加した時なのだが,当時ここは満足に舗装もされていない悪路だった.しかし7年の歳月を経て周辺の景色とは不釣り合いなほど立派な道路に変わっている.案外道路の改良でバベルダオブ島のアクセスが良くなったことも,カヤンゲル島ツアーが開設された理由の一つかもしれない.
 約1時間ちょっとで桟橋に到着,ここにはシャワーとトイレが併設されたショップの事務所があり,トイレ休憩の後ボートに乗り込む.ボートを操縦するのはパラオ人の男性(レモさんと呼ばれていた),この辺の海を熟知したベテラン操縦士とのことで,カヤンゲルに渡るかどうかの最終判断は彼が下すらしい.この日は桟橋の段階で風はあまりなく,まずはカヤンゲルに向かうことになった(ダメな日は桟橋から既に白波が立っているのが見えるのだそう).
 


ドルフィンウォッチング

 ボートは快調に北に向かった.最初のあたりはリーフの中なので波も穏やかで揺れもほとんどない.この調子ならカヤンゲルに行けるんじゃないかと期待が膨らむ.20分ほど走ってボートは一旦停止した.どうやらここがリーフの切れ目らしい.レモさんが真剣な目で先の海を凝視している.女性ガイドとなにやらやり取りをしていたが,どうやら行けると判断した模様,やった!と喜ぶ我々だった.
 ボートは再び走り始めた.リーフ内ではエメラルドグリーンだった海の色も外洋に出ると鮮やかな群青色に変わる.外海ということで多少白い波がちらほら見えていたが,揺れは思いのほか少なかった(少なくとも学生時代に乗った礼文島行きの船に比べると揺れているうちには入らないほど 笑).
 
 しばらく走っているといつの間にかボートの周りを並走している物体が,「イルカで〜す」と女性ガイド,見るとゆうに20頭以上はいるんじゃないかというイルカの群れである.ガイドが「ジャンプ! ジャンプ!」と煽っていたが,英語を解さないのか,なかなかテレビで見るような軽快なジャンプは見せてくれなかった(笑).とはいえ久しぶりのドルフィン・ウォッチングに感激した一同だった.

ボート周囲にイルカが!
 

 しばらくしてイルカの群れは違う方向に行ってしまい,やがてボートの周辺は再びエメラルドグリーンに変わった.どうやらリーフの中に入ったようだ.ふと前方を見ると島影が… おおっ!カヤンゲル島だ.何とも言えないブルーの海に囲まれた白砂のビーチが見える.さっそく上陸かと思っていたら,この日は海の透明度が高いのでまずはシュノーケリングタイムとのことだった(島周囲の気象条件が刻一刻と変化するため,ツアーの順番は適宜順番が前後するらしい).

カヤンゲル島
 
 島から少し離れたスポットにボートは停まり,まずは2人の女性ガイドが海に潜る.どうやら海流など危険がないか確認しているらしい.やがてOKが出て一同シュノーケリングセットを身に着けて海に入る(私はもちろんライブジャケット付).海の中はものすごい透明度,海底にはサンゴがびっしりと敷き詰められ,カラフルな魚がひらひらと舞っている.竜宮城ってこんな所なんだろうか,という光景だった(ガイドさんによるとタイマイもいたらしいが見つけられなかった).
 が,ここでデジカメにトラブルが発生,なんと液晶画面が映らなくなったのである.このコンデジは水中持ち込みOKの優れものだが,ファインダーが付いていないタイプなのだ.この日は水に濡れる覚悟で来たため,もう1台のデジカメは置いてきてしまっている.というわけで,以後は液晶にこんな感じに映ってるだろうなという予想でシャッターを押すことになった.
 しばらくシュノーケリングを楽しんだ後,いよいよ島に上陸である.
 
 


カヤンゲル島

 カヤンゲル島はパラオ最果ての島であるが,無人島ではなく約50人ほどの人が生活している.まずは彼らの村を訪ねることになった.空から見ると大腿骨のような形をしているカヤンゲル島は全体がジャングルに覆われた島だ.島を縦断するように道路が走っていてこれがメイン道路である(とはいっても未舗装だが).この道路に沿って民家が並んでいる.どこも南国特有の簡素な造りで,軒先には小型のバナナを干している(カヤンゲルのバナナは品質がいいらしい).村の人によると,最近まで新年のお祭りがあって賑やかだったとのこと(今は祭りの後の静けさというわけか).村の見学が終わるとランチタイム,この日はコロール市内の焼肉屋さんのお弁当だった(結構ボリュームがあっておいしかった.

カヤンゲル島内部
 

 昼食後しばらくは休息時間,この頃になるとどこからかやって来たのか,1匹の小さな犬が周囲を走り回っていた(聞いたところ,ブルーマーリン関係者の犬らしい).その後はカヤンゲル島の南側にある島の南方に干潮時にのみ出現するロングビーチへ.運がいいことに我々が訪問した時間帯がちょうど干潮だったのだ(これも日頃の行いのよさか 笑).昨日はセスナからロックアイランドのオモカン島にあるロングビーチを眺めた.あそこも白砂が広がる美しいスポットだが,ここカヤンゲルのロングビーチもまた,息を飲むような美しさだった.

ロングビーチ
 


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 しばらくロングビーチを堪能したのち,帰る時間となった.名残惜しいが仕方ない(先ほどから我々に付きまとっていた犬は本島に連れ帰られることになったとのことで,帰路ボートに同乗することになった..ボートは環礁を出て再び外洋へ.揺れが心配されたが,午後はさらに天候が安定したらしく,揺れはほとんど気にならない程度だった.約1時間ほどの航行でバベルダオブ島北埠頭に到着,ここでトイレおよび軽くシャワーを浴びる(犬とはここでお別れ).
 この後は専用車でホテルに戻った.かなり充実した一日で疲れもあったため,この日の夜は外出はせず,ホテル内のレストランで夕食にした.このあと部屋で液晶画面がダメになったデジカメ写真のメディアをiPadに接続して写り具合の確認作業を行った(この時iPadに写真を取り込んでおけば後の悲劇は防げた).
   



 

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