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第3回パラオ旅行記(3)


2012年1月28日(土)


PPRの休日

 さて,一夜明けパラオでの休日最初の朝がやってきた.文化都市や秘境系の観光なら早朝から活動開始というのが定番だが,こういうビーチリゾートは何もしないでゆったりというのも大きなポイントである.この日は朝9時頃に起床,朝食は日本から持参したスナックで済ませた(こうしたビーチリゾートでは朝食はオプションのケースが多い).

PPRは気持ちの良い南国リゾート
 
 この日のメインイベント,セブンティ・アイランドの遊覧飛行は午後からなので,午前中はホテルでのんびり過ごすことにする.パラオ・パシフィック・リゾートはアラカベサン島の西岸の海に面したホテルであり,目の前にはプライベートビーチが広がっている.このビーチ,もちろん普通の海水浴にも最適なのだが,中をのぞくと熱帯の海特有のカラフルな魚がたくさん泳いでいて,簡単なシュノーケリングが楽しめる.宿泊客は無料でシュノーケリングセットを借りられるので,我々もさっそくお魚見物を堪能した.その後はビーチサイドにあるプールに移動して泳いだり,デッキチェアに寝っ転がって本を読んだりして午前中は何となく過ぎていった.   


遊覧飛行へ

 気が付くと12時半を回っていたため昼食にする.この日はビーチサイドのレストランで軽食を摂った(もちろんビールも 笑).その後いったん部屋に戻って身支度をしてロビーに向かう.本日のメインイベント,セブンティ・アイランドの遊覧飛行に出かけるためだ.
 セブンティ・アイランドはパラオを代表する観光スポット,ロックアイランドの中でもとりわけ美しい島々として知られ,パラオを紹介するガイドブックやサイトなどでは必ず取り上げられている.しかしながら,その周辺全域が貴重なウミガメであるタイマイの産卵地域であることから,現在は観光目的での立ち入りは禁止され,観光客に許されているのはセスナ等による空からの見学のみとなっている.今回はこのセブンティ・アイランド遊覧飛行を体験してみようという趣向なのだった.
 2時30分に迎えが来るということでロビーで待っていると,ほどなく係員がやってきた.車に乗り込んで飛行場へ.どこか専用の飛行場があるのかと思っていたが,着いた先は昨夜降り立ったパラオ国際空港だった(笑).空港ターミナルの隣に小さな建物があってここが事務所らしい.中に入るとウエルカムドリンクが出てきた.それを飲みながら待っていると,一人の日本人男性がやってきた.どうやら彼が係員兼パイロットらしい.今回は飛行時間60分のプランということで,どういうコースを飛ぶかを話し合う.セブンティ・アイランドは必須であるが,はっきり言ってそれ以外は何も考えてこなかった.パイロットにお任せにしたいというと,バベルダオブ島の北の方は単調な景色が続くので,南のロックアイランド中心に飛ぼうということになった.
 打ち合わせが終わるとさっそく搭乗である.空港のターミナルとは違う入り口(裏口という感じ)から飛行場へ,セスナは駐機場の隅にひっそりととまっていた.乗り込むとプロペラが回り始め,いよいよ出発だ.小型セスナとはいえ国際線旅客機と同じ滑走路を使うところがパラオらしいと感心した(成田や羽田ではありえないだろうな 笑).
 
   


ロックアイランドの遊覧飛行

 滑走路を飛び立ったセスナは一路南へ向かう.右手にはKBブリッジがその雄姿を見せている.コロールの市街地を過ぎるとその南方の内海にマッシュルームのような島々が見えてきた(私はここをパラオ松島と呼んでいる).その反対側にある大きな島の海岸に佇むのがミルキーウェイと呼ばれるスポット,ここは海底にたまった白い泥のためにそこだけミルクを溶かしたかのように見えることからその名がある.ここで行われる泥パックは美肌効果があると有名らしい.
 さらに南下すると,タツノオトシゴのような形をしたウルクターブル島にさしかかる.ここはロックアイランド最大の島であるが現在は無人島らしい.その先にあるのがマカラカル島でその手前にユーイデルコール島がある.
 マカラカル島は内陸部にいくつかの小さな湖がある.これらは太古の昔,海だったところで現在は外界と隔絶された塩水湖となっている.これらの湖の中でもジェリーフィッシュ・レイクは非常に有名な場所である.ここにはタコクラゲの一種である無毒化したクラゲがたくさん生息していて,彼らと戯れることができるからだ(我々も2005年秋の訪問時に訪れた).この日も上空からは湖で遊んでいる人らしき影がたくさん見えた.
 ジェリーフィッシュレイクを後にしてマカラカル島の南西へ,間もなく見えてくるのがオモカン島,ここは干潮になると白い砂の道が出現することで知られている(ロングビーチ).この時ちょうど白砂が出現していた.付近には鯨の姿そっくりの通称クジラ島もある.
 ここからさらに南にあるのがカープ島とガムリス島である.どちらの島もダイビングスポットとして有名な場所で,カープ島は宿泊施設のあるリゾート島として知られている(島名の由来は島のオーナーが広島カープのファンだからという噂があったが真偽のほどはわからない 笑).一方のガムリス島付近にはマンタの通り道として知られるジャーマンチャネルがある.その南に位置するのが戦跡として知られるペリリュー島だ.2005年冬に訪問したこの島を今度は上空から見ることができたのは非常に感慨深かった.
 ペリリュー島から反転して北上,いよいよセブンティ・アイランドである.しばらくしてガイドブックでも有名な島影が見えてきた.ワクワクする瞬間である.セスナはこのセブンティ・アイランドの上空を何度か旋回,素晴らしい景色を堪能したひと時だった.
 この後は戻る時間となる.帰路はロックアイランドの西側を飛び,無事飛行場に着陸した.

はるか向こうにKBブリッジが見える

コロール南に広がるパラオ松島

ミルキーウェイ

ミルクを溶かしたような色です

ユーイデルコール島
 

ジェリーフィッシュレイク

マカラカル島北方も松島です

クジラの形をしたクジラ島
 

ロングビーチ

ジャーマンチャネル

カープ島
 

ガムリス島


有名なダイビングスポット,ニュードロップオフ

ここも有名なスポット,ブルーコーナー
 

ペリリュー島の滑走路が見える

ペリリューの市街地


いよいよセブンティ・アイランドが
 

セブンティ・アイランドA


セブンティ・アイランドB


パラオ・パシフィック・リゾートが見えます
 

コロールとアラカベサンw結ぶ日本橋

コロールの市街地


KBブリッジの雄姿

 


KBブリッジ

 セスナを降りた我々は再び送迎車に乗ってホテルにもどるのだが,その途中バベルダオブ島とコロール島との間に架かるKBブリッジを見学した.
 アーチ形の堂々とした巨大な橋であるが,実はKBブリッジとしては2代目である.初代のKBブリッジは1977年に韓国の建設会社によって造られたのだが,施工技術が未熟だったために(一説には手抜き工事だったとも),

現在のKBブリッジ
 
完成直後から陥没し始め,1996年に突如崩落してしまった.この橋はパラオの主要な2島を結ぶ唯一の橋であったため,この事故でパラオは大きな混乱に陥った.その後2002年に日本の大手ゼネコン鹿島建設によって土台から新たに建設されたのが現在のKBブリッジである.現在は日本・パラオ友好の橋として両国友好のシンボルとなっている.現在橋の周辺は公園になっていて,現地の人たちの散歩コースにもなっている.この巨大な橋を見て,日本の土木技術のすばらしさを再認識したのだった.
 ホテルに戻った後はシャワーを浴びてしばし寛ぎタイム,そして日が暮れてから夕食にと市内へと繰り出したのだった(この日はコロール市内にある美登寿司に行った).
 



 

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