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フランス旅行記(2)


2008年3月30日(日)


引っ越し

 転勤が正式に決まったのは2月に入ってからであったが,それからの1ヶ月半はまさにてんやわんやであった.
 古い勤務地の仕事の片付け(たまった退院要約や各種書類など)をしながら引っ越しの準備である.私は仕事の片付けで連日夜遅くになっていたため,引っ越しのほうはもっぱらKの担当になっていた.
 3月27日(木)に家財道具の搬出が完了,この日

忘年会でお世話になったメーテルとの別れ
 
はホテル泊まりとなった.翌28日(金)朝に新居への荷物の搬入のためにKが単身小田原に出発し,私はそのまま職場に行った.いつもどおりに仕事を終え,医局の机の片付けや,仕事の申し送り書の作成などで深夜までかかり,この日は病院の仮眠室で寝た.そして翌29日(土)ついに当地を去る日である.各病棟などのあいさつ回り,医局の同僚(メーテル含む 笑)とのお別れの挨拶を済ませて,お昼過ぎに出発した.そのまま新幹線に乗り込み,成田のホテルに入り,すでにチェックインしていたKと合流した.  


出発

 ヨーロッパ行きは午前中に出発する便が多いため,我々は朝早くにチェックアウトをして空港に向かった.私の過去2回のフランス行きはアエロフロートとエールフランスだったが,今回は初の日系航空会社である.全日空のチェックインカウンターで荷物を預けて搭乗券をもらう.最近はeチケットが主流となっているため,以前のような航空券の束ではなくなった.煩雑でないのはいいのだが,こんなチラシのような紙きれで本当に大丈夫なのかとちょっと不安になる.荷物の方は4泊6日の旅行の割に大きめだ.これは今回の主目的である「新選組 in パリ」のための衣装一式(長衣,袴,ダンダラ,大小一式)を詰め込んだからである.大小はいつも使っている金属製の模造刀にしたかったのだが,金属探知器に引っ掛かってトラブルになるのがいやだったため,今回はオールプラスチック製のおもちゃを用意したのだった.
 9・11事件以来年々空港のセキュリティが厳しくなっているが,最近では検査する側もされる側も慣れてきたのか思ったほど時間がかからずに通過できた.そのまま免税店をちょっと冷やかして指定されたゲートから飛行機に乗り込んだ.
 ANA便はほぼ定刻に離陸,我々は機上の人となる.安定飛行になったのち飲み物,食事となるのだが,やっぱり日系の航空会社ゆえか,味は日本人向けだった(かなりわたし好みの部類).
 この時間のヨーロッパ便は太陽を追いかけて飛行するため周囲はずっと明るいままである.このままいくと現地の夕方に到着する,頑張って寝ずに飛行した.
 


パリに到着

 約12時間の飛行の後,無事にパリのシャルル=ドゴール空港に到着した.現地は曇りである.入国審査,税関と流れていくのだが,日本のパスポートを持った善良そうな(?)日本人に対する審査はユルく,ほとんど何も聞かれずにスルー.盗まれた日本のパスポートが闇で高値取引される理由がよくわかる(世界数十ヶ国にビザなしで入国できる優れものである).
 税関を抜けるとANAの現地係員の女性が待っていた.同じツアーらしい2組の方々と一緒にマイクロバスに乗り込む.同じツアーといっても宿泊先は別なため,順々にホテルによっていく.空港から高速道路を走り,北方からパリの街に入った.

今回の宿泊先メルキュール・オペラ・ガルニエ
 
 パリの北の方にはアフリカ系の移民の人たちが住んでいる地域がある.車窓からそれっぽい人たちがたくさん見えた.元来フランスは移民に寛容で多くのアフリカ系移民を受け入れてきた.私の経験でも1990年頃に比べて格段にアフリカ系・イスラム系の人が増えた印象がある.ただ近年の失業率の増加は従来の移民政策に変化の兆しをもたらしているようである.
 などと考えているうちにバスは我々のホテルに到着した.今回の宿泊先は和装して走る企画があるため,多少部屋は狭くてもいいから移動に便利な場所を希望していたため,オペラ座近くのメルキュール・オペラ・ガルニエである.ホテルそのものは小奇麗なのだが部屋は狭く,ほぼ東横イン並みである.床でスーツケースを全開にできない広さであった.ただLANは付いていた.実はこれ,非常に重要なポイントである.今回のパリ旅行は5月のひの新選組まつりのコンテストネタも兼ねているため,みんなに内緒でやってきた(親にしか知らせていない).そのためアリバイ造りのために何事もなかったようにブログを更新したり,ひと様のブログにコメントを付ける必要がある(まさかパリからコメントしてるたぁ,お釈迦様でも分かるめぇ 笑).
 時間的には夕食時であったが,直前に機内食を食べていたこともあり,この日は近くの売店でパンを買ってきて済ませた.そして長旅の疲れからかあっという間に寝てしまった.
 



 

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