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 尾瀬旅行記(4)

 2021年6月12日(土)


18.尾瀬沼ヒュッテの朝

 尾瀬旅行の最終日の朝を迎えた.昨夜も消灯後すぐ就寝したため朝5時過ぎには目が覚める.6月の夜明けは早く,周囲はすでに明るくなっていた.ただ昨日一昨日に比べるとやや雲が多い印象である.寝具を片付けて6時に昨夕と同じ食事会場に入る.ここの食事は部屋ごとにあらかじめ座席が指定されており,そこに着席する形式だ.メニューはハムと野菜サラダ,魚(山小屋の特徴として極力ごみが出ないよう全てを食べられるよう処理している),納豆(ウチのKが食べられないもの 笑)そして温泉卵だった.

ヒュッテの朝食
 
 ごみを出さないよう全て平らげたのは言うまでもない.その後は部屋でコーヒーを飲んで寛ぎ,8時少し前にチェックアウトして外に出た.空を見上げると早朝と同じく雲が多い天気である.   


19.ビジターセンター

 ヒュッテを後にしてまずは近くにある尾瀬沼ビジターセンターに立ち寄る.ここは尾瀬保護財団によって管理され,尾瀬地域の自然保護と情報発信を行っている施設だ(姉妹施設として尾瀬ヶ原にも山の鼻ビジターセンターがある).中では尾瀬の動植物や遊歩道の状況からクマやオコジョの目撃情報などが展示されていた(さすがにオコジョはなかなか見つけるのが難しいもよう).自分的には鳥の鳴き声が聴ける装置が面白かった.なおこのビジターセンターは建物が老朽化したこともあり,今年の夏近くの新しい建物に移転するとのことである.    
     
     
     


20.尾瀬沼の風景

 ビジターセンターを後にして尾瀬沼東岸を南下する.湖畔には老舗の山小屋である長蔵小屋があり,そのたたずまいからも伝統を感じさせる.東岸の木道沿いからは尾瀬沼の向こうに燧ケ岳が見えて,条件が良ければ逆さ燧を経験できるそうだが,この日は雲が多くよく見えなかった.
 なかなか動物の姿は見かけなかったが,植物は水芭蕉の群生のほか,いろいろな花が見られた(沼のほとりに立つ標識には一級河川尾瀬沼と書いてあって,沼だけど河川なんだ!と感動した).

老舗の山小屋 長蔵小屋
 

尾瀬沼と燧ケ岳をバックに

ここにも水芭蕉の群生

一級河川尾瀬沼
 

シラネアオイ

ショウジョウバカマ

タテヤマリンドウ
 


21.三平下の休憩所

 尾瀬沼東岸を散策しながら木道を30分ほど進むと三平下の休憩所に到着した.ここは尾瀬沼のほぼ最南部に位置し,東岸ルートと南岸ルート,さらには峠を越えて大清水に至る3つの道が交差するところである.どのルートをたどるにせよ休憩場所として最適な環境にあり,それなりに人の姿があった.我々も荷物を下ろして売店でコーヒーをいただく.歩いた後のコーヒーもいいものだ.
 その後トイレを済ませて三平峠の方へ向かう.ここを過ぎるともう尾瀬沼は見納めということで,名残惜しいなぁと後ろを振り返りながら歩き始めた.

三平下休憩所
 


22.三平峠を越える

 やがて周囲は森の中となり,峠に向かっての上り坂となる.昨日の白砂峠に比べると距離的にはそれほどではないが,キツイものはキツイと運動不足でなまった体を恨めしく思いながら一歩ずつ進んでいく(笑).それでも休憩所から30分ほどで無事三平峠に到着,設置されているベンチに座って休憩となる.この時間になると我々とは逆方向,大清水方面から尾瀬沼に向かってくる人がそれなりにいて,すれ違う場面が多くなった.そう今日は土曜日,尾瀬が最も混む曜日である.

峠へ向かう木道
 
朝大清水を出た人たちがちょうどこの時間帯に峠までやってきたわけである(逆に我々のようにこの時間に尾瀬を離れる人は少数派).   

この頃から晴れてきた

三平峠

記念撮影
 


23.そして下山

 三平峠からはひたすらな下りとなる.とはいえ,壊れかかった木道,石がごろごろする道,沢水があふれた個所などお世辞にも歩きやすいとは言えない個所も多く,油断するとケガをする恐れがあり慎重に下っていく.だいたい1時間ほど歩いて前方に建物が見えてきて,足元の路面が普通の砂利道になった.尾瀬を去った寂しさよりも,なんか人里に戻ってきた安心感が上回る感じだ.やがて砂利道が舗装道路になってまもなく,一ノ瀬の休憩所に到着となる.
 一ノ瀬休憩所は現在休止中だが,休憩スペースとしての利用は可能,さっそく荷物を置いて休憩である(長い悪路の下りで結構へばっていた).ストレッチをして外に出ると,大清水行きと書かれたマイクロバスが停まっているではないか.もしかしてこれは… と思い近くにいた運転手っぽい人に,「これ,大清水に行くんですか?」と聞いたところ,「そうです,今日から運行なんです」との答えが.一ノ瀬−大清水間は自動車が通れる道だが,基本的に許可車以外は通行禁止,夏季のみシャトルバス運行となっている.事前に調べた限りでは2021年のバス運行のスケジュールは発表されておらず,今回は大清水までは徒歩で行かなくてはならないと覚悟していた.が,バスが運行されているとなれば話は別! 聞いたら5分後に出発するということで急いで乗ったのは言うまでもない.
 一ノ瀬−大清水間は徒歩だと1時間かかる(我々の体力だともう少しかかるかも).そこをバスで10分ちょっとで移動できるわけだからこの先の行程が楽になる.結局11時15分ごろに大清水の休憩所に到着できた(当初の予定では12時過ぎに着く予定だった).当初予定よりも早く着いたことから1本前のバスで下山できるんじゃないかということで,ここでお土産品購入&昼食タイム.この日は定番の山菜そばをいただいた.そして11時50分の関越交通バスで車を停めてある戸倉温泉の駐車場に戻ったのである.

ひたすらな下り

下界に降りてきました

山菜そば

3日ぶりの尾瀬第1駐車場
 


24.エピローグ

 駐車場に戻ってみると,さすが土曜日だけあってたくさんの車が停まっていた.ただ満車までにはなっておらず,コロナ禍の影響を感じた.
 荷物を積み込み駐車場を後にする.国道401号を南下し片品村の中心部で国道120号に曲がる.3日前は沼田方面から来たわけだが,この日は逆の日光方面に向かう.道は県境に向けてどんどん標高を上げていき,標高1840の金精トンネルを通った(おそらく自動車が通れる道としては関東で最も標高の高い場所).
 峠からはひたすらな下りとなり,途中湯ノ湖にある日光湯元ビジターセンターに立ち寄りつつ,この日の宿泊先である中禅寺湖畔にある中禅寺金谷ホテルに到着した.
 そして白濁した温泉に浸りつつ,フレンチのコース料理を堪能したのだった.

金精峠

中禅寺金谷ホテル
 

ダイニングルーム「みずなら」

栃木しゃもと日光湯波のテリーヌ

スパークリングワイン


季節のポタージュ
 

金谷ゆずサーモン

牛肉のポワレ

トマトサラダ

デザート
 



 

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