そして,魔人ハンターミツルギの最大の見ものが,クライマックスにおける怪獣とミツルギの戦闘シーンである.前述のように,着ぐるみの肉弾戦全盛期に人形アニメーション(アニクリエーション)を使った意欲作である.
が,当たり前だが着ぐるみの格闘に比べてアニクリエーションは圧倒的に手間暇がかかる.映画ならいざ知らず,予算と時間に厳しい制約のある週一放送の30分番組でこれをやるのは正直きつかったようだ.結局撮影スケジュールは逼迫し,戦闘シーンは毎回かなり短いものになってしまった.またアニメーションの質も予算的制約からそれなりにならざるを得ず,結局完成したのは暗がりで人形がちょこちょこと動いて,気が付いたらミツルギが発射したミサイル(忍者ヒーローものでミサイルですよ 笑)で怪獣が燃え上がってお終いという,緊張感のない寂しすぎるものになったのである.
このように魔人ハンターミツルギは乱立する他のヒーロー番組との差別化を図るべく,かなり特異な設定を取り入れたものの,それらがことごとく中途半端になってしまった作品であった.世間的にも大きな評判を呼ぶこともなくわずか12回で打ち切りになってしまったのは必然だったといえよう.
とはいえ,CGなどの技術的に進歩した現代ならこの構想が輝くのではないか,そう思わせてくれるだけの企画がこの作品にあったと信じたい.
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地震怪獣グラグランとの死闘 |
ミツルギの胸からミサイルは発射 |
砕け散る怪鳥べラドン |
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