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 ジャンボーグA

ジャン ジャン ジャン ジャン
ジャンボーグ ジャンボーグ ジャンボーグA
地球の平和を守るため 
遠い星から贈り物ジャンボーグA
叫べナオキ ジャンファイト 
ヒーロー登場ジャンボーグA
ジャンボーグ ジャンボーグ ジャンボーグA 

        
 
(オープニングテーマ 歌 谷あきら)  


1.ヒーロー番組の乱立期

 ジャンボーグAはウルトラマンシリーズで当時圧倒的な人気を博していた円谷プロが,10周年記念作品の一つとして制作したヒーロー番組である.放送は昭和48年1月から12月までの1年間全50話であった.
 昭和48年というのは2年前の帰ってきたウルトラマンによって火が付いた,いわゆる第2次怪獣ブームの最盛期に当たる年で,それこそ各局が競うように多数の怪獣番組を送り出していた.それゆえどの番組も

タイトル画面
 
他作品との差別化を図るために試行錯誤が行われ,それが成功して大ヒットした作品もあれば,逆にドツボにはまって撃沈した作品も多いという,まさに玉石混淆の時代であった.そしてこのジャンボーグAにももちろんそうした新機軸が盛り込まれている.  



2.ジャンボーグAの新機軸

 ジャンボーグAの基本設定はこうである.
 地球はグロース星人の侵略の危機に瀕していた.これに対して地球防衛のための組織PATが立ち向かっているのだが,第2次怪獣ブーム期の他番組の類似組織と同様にあまり強くなく,いつも怪獣に苦戦していた(第1次期の科特隊やウルトラ警備隊のように独力で怪獣や宇宙人を倒せない).そんな地球の状況に同情した(?)正義の星,エメラルド星から地球に贈られたのがジャンボーグAである.

「ジャンファイト!」
 
 従来のヒーローは主人公の人間がピンチになるとヒーローに変身し敵と戦うというのが基本パターンであった.しかしジャンボーグAは大利根航空という超零細航空会社所属のセスナ機(通称ジャンセスナ)に主人公立花ナオキが乗り込み,「ジャンファイト!」の掛け声とともに機体を宙返りさせることでセスナがジャンボーグAに変化するのである.そして変身後はナオキがジャンボーグAの目の奥で操縦するのだが,そのスタイルはナオキの手足にコードが取り付けられていて,彼の取る動作そのままにジャンボーグAが動くという,極めて直観的な操縦方法であった(Wiiなどの運動ソフトの先駆けかも).この操縦法,非常にわかりやすいのだが,一方でジャンボーグAが敵の攻撃を食らうと,そのダメージがそのまま操縦しているナオキを直撃するというのは子供心には手に汗握る展開なのだが,大人になって考えると理不尽な設定だなと思うのだった(本来ならジャンボーグAのボディーでダメージを吸収して操縦者には影響が極力及ばないようにするべきだし).ともかくジャンボーグAが足にダメージを受けるとナオキも足を,目をやられるとナオキも目をやられるというのは見ていて痛々しかった.   



3.アバウトな設定

 こうした新機軸を打ち出した一方で,ジャンボーグAは思いがけない欠点も露呈させることになった.すなわち従来のヒーローは必要な時にサッと変身して戦えるのに対し,ナオキがジャンボーグAになるためにはジャンセスナに乗り込んで,空に飛び立つ必要があるからだ.これは結構時間と労力のロスになる.何せセスナは飛行場からでないと飛び立てないのだから.しかもジャンセスナはナオキの個人所有物ではなく,あくまでも会社の所属であり,怪獣が出現したからといってホイホイと乗り込んで飛ぶわけにもいかないのだ.

ハンディングフラッシャーで怪獣を攻撃
 
 実際に第6話(「絶望! 売られたジャンセスナ」)ではジャンセスナが売られてしまうことになり,ナオキがジャンボーグAに変身できないという最大の危機が描かれているし,それ以外にも他の人物がセスナを操縦中で不在,社長がへそを曲げてキーを貸してくれないなど細かいことでジャンボーグAが登場できない場面は数多くあった.地球の存亡が一零細航空会社の社長の気分に左右されてしまうというのも非常に情けないのだが,ジャンセスナがジャンボーグAに変身するという事実が公表されていないのだから仕方ないのだろう.
 考えてみればジャンボーグAはエメラルド星から地球人のために贈られたヒーローなハズなのに,その事実はナオキに個人的に伝えられただけで,彼以外の地球人はPAT隊員も含めてだれも知らない.この作品,その辺の設定は結構アバウトで,劇中一般人やPATもジャンボーグAが登場すると,「あっ!ジャンボーグAだ」と無邪気に喜んでいるのだが,実際にはジャンボーグAが何者なのか,どうして地球人のために怪獣と戦ってくれるのかという根本的な疑問を誰も抱かないのである.そもそもナオキがジャンセスナでジャンボーグAに変身する事実を秘密にする必然性はない.エメラルド星人も別に公表するなとは言ってないし,実際に第11話で両親をグロース星人に殺された少年・健太を乗せたままジャンボーグAに変身してともに戦う場面もある(戦いのあとで「内緒だぞ」とくぎを刺してはいるが,相手は子供だからなぁ).
 



4.ナオキとPAT

 主人公と正義のチームの関係といえば,ウルトラマンシリーズのように主人公自身が正義のチームの一員というのが王道であるが,ジャンボーグAの立花ナオキは民間人でありチームには属していない.しかしながら彼の兄がPATの隊長だったことや,のちに兄嫁が基地内で喫茶店を開いていた関係からか基地には自由に出入りしていた(この辺は同じ円谷プロのミラーマンの主人公鏡京太郎と類似している).
 で,ナオキとPATの関係であるが,初期にははっきり言って悪い.これは当初ナオキに「自分がジャンボーグAになって怪獣をやっつけているんだ」という傲慢さが出ていて,いつも怪獣に苦戦しているPATを見下していたところがあったからである.実際に初期にはナオキ自身の感情で怪獣に向かっていたために,PATの作戦を露骨に邪魔する場面も描かれていた.一方のPAT隊員たちもそんなナオキに反発するものもあった.しかし,そうした驕りからピンチを招き逆にPATに救われる場面が出てきたり,ナオキがエメラルド星人の警告を無視して戦い危機に陥った際に,エメラルド星人からジャンボーグAへの変身役を解任されそうになったりするうちに人間的にも成長し,後半には良好な関係を築いている(とはいえ,それでも勝手な行動はしていたが 笑).
 ちなみにPATは殉職や異動でメンバーが流動的な組織であった.最初の立花隊長(ナオキの兄),二代目の岸隊長が相次いで殉職,その後も風間隊員が自身のミスから左遷,大羽隊員が殉職とまるで太陽にほえろの七曲署並みの入れ替わり具合だった.とはいえチームの雰囲気にはとげとげしさはなく,はっきり言うとゆる〜い組織である.一般に正義のチームは基地内の作戦室のようなところに待機しているのだが,PATの面々は隊長以下いつも基地内の喫茶店にたむろしていて,普段からあまり緊張感は感じられなかった(まあ一般人のナオキや彼の甥っ子の和也が自由に出入りできる基地という点でどうかと思うが 笑).
 PATの隊員というと特に印象深いのが,後半の32話から登場した村上隊長である.実は彼は同じ円谷作品のミラーマンの正義のチームSGMのチーフだったのだが,なんとそのまんまの肩書でPATの隊長に就任してしまったのである.SGM時代の村上チーフはかなり渋くて厳しいイメージだった.PAT隊長就任時もそのイメージで登場したのだが,やがてPATのゆるい空気に毒されたのか(笑)柔らかい感じになっていた.その他SGMからは安田隊員が43話から参加したほか,野村由起隊員が32話のみ登場した(PATには元々野村せつ子隊員もいたのだが,32話で村上隊長が「野村君」といった瞬間に2人の野村隊員が同時に「ハイ!」と返事をして,「あっ失礼,由起君の方だ」というくだりが笑えた).
   



5.そしてジャンボーグ9へ

 このような新機軸を打ち出していたジャンボーグAであるが,さすがに主人公が周囲に気を遣いながら変身するのは問題があると認識されたのか,第27話から大胆な新設定が登場した.それがジャンボーグ9である.これはナオキが兄嫁から借金をして購入した軽自動車が変化して登場するヒーローであり,ここに至ってようやくナオキは他人に気兼ねなく変身できるようになった.もっとも9の登場でAがお払い箱になったわけではなく,以後は状況に応じて両者を使い分けるパターンとなる.

ジャンボーグ9への変身
 
9はAよりもパワーでは勝っているのだが空を飛べないという致命的な欠点があるからである(元が自動車だからか).さらに第36話からは航空会社の社長も登場しなくなり,ジャンセスナへの搭乗もフリーパスになって,変身への制限は全くなくなってしまった.  



6.グロース星人は強いのか?

 最初に述べたようにこの作品はグロース星人の地球侵略が骨子であるが,敵であるグロース星人とはどんな存在なのであろう.劇中彼らがなぜ地球侵略しようとしているのかはあまり深く語られていない.グロース星人というからにはグロース星の生命体ということであろうが,実際に登場するのは地球侵略を指揮する幹部(登場順にアンチゴーネ,マッドゴーネ,サタンゴーネ,デモンゴーネ)と配下の怪獣,それに等身大の戦闘員(ミラーマンのインベーダーに似ている)だけである.

ジャンボーグ9とデモンゴーネの死闘
 
 物語は幹部が立案した作戦に従い戦闘員や怪獣が暴れて,それに対してPATとジャンボーグA(and 9)が立ち向かい阻止するというのが基本パターンである.そのグロース星人の作戦であるが,宇宙規模の侵略の割には攻撃目標がいつも東京,事件も主人公ナオキの周辺のみでしか起こらない等かなりスケールが小さい.ナオキの甥(PAT初代隊長の息子)やその同級生がしばしばグロース星人にさらわれるのだが,それに対してPATの全隊員が出動することも多く,星間侵略のスケールとのギャップが悲しいのだった.
 一方でグロース星人のPATに対する情報収集能力は抜群で(グロース星人はPATを過剰に評価している気がするが),PAT基地で新兵器が開発されたといった話題が出ると,その5秒後にはグロース星人の円盤内で「なんと!PATはそのような武器を開発したのか!」と語られるほどの素早さである(PAT内にスパイがいるんじゃないかと思えるほどだが,一般人が平気で出入りできる組織だけに基地内に隠しマイクがあっても驚かないなぁ 笑).ただそんなグロース星人の情報収集能力もジャンボーグAに対してはさっぱりで,Aや9の正体がナオキのセスナや車だという事実に最後まで気づかなかったのは笑いを通り越してしまった.
 最終回,月上で太陽光線を集めて東京を焼き払うという恐ろしい作戦を実行するも失敗し,最後の幹部デモンゴーネが死んでしまった後,「我々はいつか必ず地球を手に入れてみせる」という声が流れて番組が終了したのだが,あれから40年グロース星人の姿を見たものはない…

 ストーリーとは直接関係ないのだが,この作品中に隊員の殉職や葬儀などのシーンでは頻回にモーツァルト作曲のレクイエムニ短調K.626の Hostias が流れているのだが,ディレクターの趣味なんだろうか.



 

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