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 天の南極


天の南極

 私たちの住む地球には極点と呼ばれる場所が存在します.これは地球の自転軸と地球の表面が交差する場所のことで,北半球にある極点が北極,南半球が南極となります.どちらも非常に寒い地方です.
 極点では自転の影響による遠心力がかからないため,理屈の上では体重が増えることになります.

 一方これに対して天の極点と呼ばれるものが存在します.

 私たちが夜空に見ることができる星座は時間とともに大きな円を描くように回転していますが,その回転の中心に位置するのが天の極点となります.実際には地球の自転軸を地表を越えてはるか宇宙まで伸ばした先ということになります.北極点から伸ばした先が天の北極,南が天の南極となります.
 天の北極・南極は動かず(短期的には),正確な南北を示すため,この場所になんらかの天体があれば,それが方角を示す指針となります.
 このうち天の北極付近に存在するのがポラリスで一般に北極星の名で知られています.古来北半球の旅人はこの星を頼りに方角を知ったのですが,北極星自体はそれほど派手な星ではないため(約2等星)有名な北斗七星やカシオペア座を目印に探すのが一般的です.

 一方で,天の南極にはポラリスのような明るい星はありません.天の南極付近にははちぶんぎ座という星座があるんですが,とても暗くて地味なので実際には役に立たないのです.そこで登場するのが有名な南十字星ということになります.
 南十字星というと,ひとつの星の名前のように聞こえますが,正確には南十字座という星座のことです.これは天空88星座のなかで最も小さい星座です(最小でも知名度は抜群です).ちょうど天の川の中に明るい4つの星が十字架のように並んでいるためこの名前があります(英語ではサザンクロス Southern Cross).
 この十字の縦棒を下の方に5倍伸ばしたところが天の南極にあたります.写真は南半球のナミビアで撮影した南十字星です.

 ちなみに南十字星の近くにはより大型でよく似た星の並びがあって,ニセ十字と呼ばれています.本物とニセ物の見分け方としては
@ 本物の横棒の左側には2つの明るい星(ケンタウルス座α星とβ星)がある.
A 本物の横棒はやや右肩上がりになっているがニセ十字の横棒は左肩上がりである.
B 本物の十字架のてっぺんの星(γ星)はやや赤っぽい色をしている.
C 本物の十字架の右下に星(ε星)がある.

 南十字星はサイパンやグアムあたりでも見られる季節があるので,機会があればぜひ探してみてください.
   

ナミビアの9月下旬夜8時ごろの空です.


南十字座とはちぶんぎ座に線を引いてみました.水色の十字部分が天の南極です.
   



 

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