今回のテーマ関之尾滝(せきのおのたき)は宮崎県都城市にある.
この滝は宮崎県を代表する河川である大淀川の支流,庄内川にかかる滝で,周辺は母智丘・関之尾県立自然公園に含まれている自然豊かな場所である.滝周辺には駐車場やお土産物屋もあるほか,遊歩道や橋なども完備されており,観光に苦労することはありませんない.
関之尾滝自身は,もっとも大きな大滝,それよりも小ぶりな男滝,女滝の3つから構成されている.メインとなる大滝は幅40メートル,落差18メートルの比較的規模の大きな滝であり,一方で男滝は大滝より少し下流に木に隠れるようにある小ぶりな滝である.また女滝は遊歩道途中にある川上神社の下にある小さな滝だ.
この関之尾滝で有名なものに,世界でも有数の規模といわれる甌穴群が挙げられる.これは河底や河岸の岩石上に形成された円形の穴のことで,急流によって水中の砂が渦を巻き,長い年月をかけて河床の岩を削ることによって,岩の表面に大
きな穴ができあがるものである.この関之尾滝の甌穴群は80メートル,長さ600メートルもの規模を誇る,貴重なものとなっている.
またこの滝には,当地の領主北郷資忠にお酌をした美女お雪(おしず)があやまって酒をこぼしてしまい,これを恥じたお雪が杯を持って滝つぼに身を投げ,その後名月の夜になると,ここに朱塗りの杯が浮かんでくる… という伝説が残されているのだそうだ.
(訪問日 2013年4月6日) |
関之尾の滝案内図 |
関之尾の滝(大滝) |
甌穴群だが,増水しているためかわかりにくい |
甌穴群の分布 |
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