大分県にある4つの100選滝のなかでもっとも西にあるのが今回のテーマ震動の滝である.大分県の中西部,熊本県に隣接する九重町に位置し,九州最大の河川である筑後川最大の支流,玖珠川の上流にある滝だ.
玖珠川の上流部は標高1000メートルを超える飯田高原を削り取るように流れているために深いV字谷を形成している.このためこの地域は九酔峡と呼ばれる景勝地として知られ,阿蘇くじゅう国立公園の一部にもなっている.
震動の滝はそんな深い渓谷にある滝である.断崖に向かい雌滝・子滝・孫滝・雄滝の順に4つの滝が並んでいるが,子滝と孫滝は水量が少ない時期には見えないこともある.雌滝は落差93メートルと4つの中では最大であるが滝幅が狭く水量は少ない.途中でくねるように曲がりながら落ちるさまが女性的であろうか.一方の雄滝は落差83メートルと雌滝よりも小さいものの,滝幅が広く,水量が多い時にはそのすさまじい轟音で周囲の空気が震動することから震動の滝という名前の元となっている.
本来は山深い場所であったが,1964年(昭和39年)にやまなみハイウェイが開通し,阿蘇や別府方面とつながり,さらに2006年(平成18年)に九重”夢”大吊橋が完成したために手軽に鑑賞できる滝となった.大吊橋は日本最大規模の歩行者専用の吊り橋である.近代工法で造られた橋なので安全ではあるが,なにせ高さがハンパないのと,吊り橋という性質上風や通行人の歩行動作によって揺れるので,高所恐怖症の人には厳しいかもしれない(静岡の安倍の大滝の吊り橋で平気な人は問題なし). (訪問日 2016年6月13日) |
九重”夢”大吊橋の看板 |
これが大吊橋です |
雌滝(左)と雄滝(右) |
豪快な雄滝です |
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