大規模なカルデラと外輪山で知られている阿蘇周辺はまた,名水の里でもある.白川水源や池山水源などが良く知られた名水スポットだが,外輪山の北西部,標高500〜800メートルの間に広がる菊池渓谷もまた素晴らしい水の郷であり,日本の名水100選にも入っている.
菊池渓谷は菊池川の源流部にあたり,周囲はうっそうとした広葉樹林におおわれている.その渓谷美は見事というほかはなく,「渓谷美の極致」とも言われている.
そんな菊池渓谷では川が織りなす様々な地形がみられるのだが,そのひとつが四十三万滝である.なにか特殊な読み方をするのかと思ってしまうが,実はそのまま「よんじゅうさんまんたき」と読むのが正解だ(一説によると昭和9年に九州日日新聞が景勝地の人気投票を行ったところ,四十三万票入ったからという).落差は10メートル程度とたいしたことはないが,周辺の渓谷美と川の複雑な地形が織りなす景色は100選にふさわしい素晴らしいものである.
県道45号線沿いにある駐車場に車を停め,入り口で清掃協力金(100円)を払って渓谷の中に入っていく.30分コースと1時間コースがあるのだが,当然自分は1時間コースだ.川沿いの遊歩道はよく整備されていて歩きやすかった.目指す四十三万滝は入り口から25分ほど歩いたところにあるほか,途中には黎明の滝や天狗滝,竜ヶ渕といったスポットもある.観光地としても有名な場所ではあるが,遊歩道や橋の他には余計な人工物がなく,静かで快適な森林浴が楽しめる場所である.
(訪問日 2015年7月7日) |
よく整備された遊歩道 |
静かな菊池渓谷 |
黎明の滝 |
天狗滝と竜ヶ渕 |
|
|