九州地方の日本の滝100選は,阿蘇のある熊本や大分,宮崎に集中的存在する一方,福岡県と長崎県にはひとつもないなど,かなりばらつきがみられる.そんななか佐賀県には2つの100戦滝があり,いずれもが北部の唐津市に存在する.
この唐津の2つの滝のうち北部の七山地区(かつて七山村だったところ)にあるのが表題の観音の滝である.七山はその名の通り七つの大きな山に囲まれた山間地であり滝が多い.
観音の滝は玉島川の支流である滝川に架かる滝で,高さ45メートル,幅10メートルの直瀑である.滝つぼに向かって激しく落下する姿から男滝の別名もあるようだ.周辺には小さな滝や渕などが散在しており,遊歩道を利用して散策することができる.
なお滝の名の由来であるが,そばにそこの淵の水で目を洗うと眼病が治るという言い伝えのある生目観音があることに由来する.さらにそれ関連では,安土桃山時代の文禄年間に,朝鮮出兵のために名護屋城に滞在中だった豊臣秀吉の世話をしていた側室の広沢局が眼病を患い,なかなか治らなかったのでこの地を訪問し,当地の福寿観音に祈願したところ治癒したという伝承もある.
自動車利用の場合唐津市内から国道323号線で東に向かい,鳴神温泉付近から南東に向かい,滝川川に沿って5分ほど行ったところに大きな駐車場があるのでそこに駐車,遊歩道を歩いてすぐに滝を見る展望所にたどり着く.駐車場わきには「多の四季」という食堂があり滝散策の前後に食事もできるほか,付近にある観音大橋からは滝を遠望することもできる.
(訪問日 2017年9月10日) |
観音の滝の入り口 |
整備された遊歩道 |
間近からの滝 |
周辺の清流 |
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