今の兵庫県北西部,日本海に面した地域が但馬国である.兵庫県の中でも山深い土地であり,必然的に滝が多い地域となっている.数ある但馬の滝の中でも但馬三瀑と称されるのが天滝,猿尾滝,霧ヶ滝でありこのうち天滝と猿尾滝が日本の滝100選に入っているが,この三滝のなかでもっとも訪問が容易なのが今回のテーマ猿尾滝である.
兵庫県最高峰(1510メートル)で鳥取県との県境に位置する氷ノ山を源流とし,北上して日本海の香住港に至る矢田川の支流,湯舟川のさらに支流の作山川に架かる滝である.
滝は二段になっており,上段はごつごつした岩場を落ちる39メートルの直瀑で,その荒々しい様子から雄滝,下段は岩の割れ目を水が滑るように落ちる21メートルの渓流瀑で優美な姿から雌滝とも呼ばれる.猿尾滝の名は下段の形が猿の尾に似ていることからきている.ちなみに滝の上段の背景になっている岩肌には石仏のように見える岩が多数ある.
猿尾滝は山陰道(現在の国道9号線)からほど近いという利便性の良さもあって,古くから風光明媚な場所として知られており,江戸時代には当地を治めていた交代寄合の山名氏が夏にそーめん流しをしていた記録があるという.
(訪問日 2021年12月5日) |
猿尾滝駐車場,トイレや自販機もあります |
100選滝の碑とその向こうに見える猿尾滝 |
猿尾滝の上段 |
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