紀伊半島南東部は急峻な山々が並ぶ山岳地帯であると同時に非常に降水量が多い気候のため,たくさんの滝が形成されている.これらのうち,三重県最南部の熊野市にあるのが今回のテーマ布引の滝である.
奈良県の大峰山脈に源流を持ち,熊野灘に注ぐ熊野川,その支流の1つ楊枝川にかかる滝である.この一帯は花崗岩の岩盤で構成されており,その岸壁をまるで1枚の白い布を垂らしたかのように落ちる様から布引の滝の名がある(兵庫県神戸市にも同名の滝がありこちらも100選滝である).全体として4段に渡って落ちる滝で,落差は上段から12m,3.5m,7.7m,29.1mとなっている.
三重県熊野市と和歌山県新宮市の県境となっている熊野川の左岸を走っている国道168号線,これを18キロほど内陸に入ったところに旧熊野川町の中心部がある(現在は新宮市役所の熊野川行政局).ここから県道780号線に折れて,三和大橋という長い橋によって熊野川を渡る.以後は楊枝川沿いに進んでいく(あちこちに案内板があるので迷う心配はない).約10キロほど北東に入るとまず松山滝,続いて荒滝と2つの前座滝が見える.そこから200メートルほど行ったところが布引の滝の展望台である(ただここには駐車スペースがないので,そこからさらに200メートルほど行った先のスペースに車を置くとよい). |
熊野川の上流は有名な瀞峡です |
楊枝川 |
林道を進んでいく |
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