愛知県にある唯一の100選滝が阿寺の七滝である.戦国時代に織田氏と武田氏との決戦場となった長篠の古戦場の近くに位置する.阿寺川にかかる滝であることと,七滝という名称の滝は全国にいくつもあるので,それらと区別するために”阿寺の”七滝と名づけられている(この辺は鉄道駅における陸奥横浜駅や磐梯熱海駅のようなものか).七滝とはいっても7つの滝があるわけではなく,七段になって落ちている様からその名がある.
新城市の静岡県との県境に近い標高350メートルほどの丘陵地を巣山高原というが,阿寺川はここを源流としている.阿寺の七滝はその川が山林内の礫岩の断層崖に落ち込んで形成されている.下から第1の滝が9メートル,第2の滝が13メートル,第3が7メートル,以下25メートル,2メートル,4メートル,2メートルで合計62メートルの落差がある.その中で第2の滝には4メートル,第5の滝には7メートルの深さの滝つぼがある.これは落ち込んだ石が長年の水圧で転がされた結果,岩が削られてできたもので甌穴と呼ばれるものである(宮崎県の関之尾の滝にも同様の地形がある).
またここの礫岩は別名を子抱石と呼ばれ子宝祈願で知られるほか,平安時代の陰陽師・阿部晴明がここで修業をしたという伝承もあるようだ. |
快適な遊歩道 |
巣山礫岩の案内 |
くいちがい石です |
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