日本の滝100選,今回のテーマは静岡県富士宮市にある白糸の滝・音止めの滝である.100か所が選ばれている日本の滝100選の中で,2つの滝がセットで選出されているのはここだけである.
白糸の滝と音止の滝は静岡県富士宮市を流れる富士川水系芝川にかかる滝だ.2つのうち白糸の滝は芝川の支流からそそぐ主滝と,その横の岩盤からしみ出す大量の富士山の雪解け水が形成する無数の細く小さい滝からなっており,その姿から白糸の滝と呼ばれている.高さは20メートルとさほどではないが,滝幅は全体で200メートルにも達する壮麗なものである.
この滝には,
「この上にいかなる姫かおわすらん おだまき流す白糸の滝」
という源頼朝が詠んだとされる歌が残っている.
一方の音止の滝であるが,こちらは芝川本流にある滝で,落差25メートル,滝幅5メートルである.規模としては白糸の滝よりも小さいんじゃないかと感じるが,滝本体の水量は圧倒的にこちらの方が多いため,轟音が鳴り響く豪快な滝である.こちらの滝の名の由来は,鎌倉時代初期の仇打ち話で有名な曽我兄弟が滝の側で密議をしていたものの,滝の轟音で話し声が聞こえなかったために神に念じたところ,滝の音が止んだという伝説から来るのだそうだ.
男性的で豪快な音止の滝と女性的で繊細な白糸の滝,二つの対照的な滝の姿が素晴らしいのだった.
(訪問日 2012年9月9日) |
白糸の滝 |
白糸の滝の案内板 |
音止の滝 |
音止の滝の案内板 |
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