海なし県として知られる岐阜県,その北部飛騨地方は山が多い地形である一方,南部の美濃地方は愛知県尾張地方に続く濃尾平野が広がる低地帯となっている.とはいえ山がないわけではなく,三重県や滋賀県との県境は山岳地帯となっている.このうち三重県との県境を形成しているのが養老山地であり,今回のテーマ養老の滝もここにある.
養老の滝は木曽川水系の滝谷に架かる落差32メートル,幅4メートルの滝である.その名前は,奈良時代に働き者で親孝行な息子がこの滝の水を汲んだところ,それが酒になったという「養老孝子伝説」に由来する.古来よく知られた滝であり,伝説にも登場する奈良時代の元正天皇を始め,ここを訪れた者は多い.江戸時代の有名な浮世絵師の歌川広重や葛飾北斎はこの滝をテーマにした絵を作っている.
現在は養老の滝を含めた滝谷一帯が養老公園として整備されており,滝はその最奥部に位置する.養老鉄道の養老駅から徒歩で行くことも可能だが,自家用車の場合は滝近くの有料駐車場(休日1回1000円)まで行くことができる.ただし駐車場への道は途中かなり狭い箇所があり,対向車とのすれ違いには注意が必要である.
(訪問日 2020年9月26日) |
有料駐車場からの入り口 |
濃尾平野が一望できます |
整備された遊歩道 |
|
|