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海無し県である山梨県はその名に反して(笑)山が多く,豊富な滝が楽しめる土地である.その中でもひときわ有名なのが,今回のテーマ七ツ釜五段の滝であろう.
七ツ釜五段の滝は山梨県を代表する河川である笛吹川の源流部に位置する西沢渓谷の最深部にある滝である.同渓谷は上流の花崗岩の岩石地帯が川に削られることによって形成された渓谷で,現在は川に沿って遊歩道が整備されており,特に紅葉の素晴らしさで知られている.ピークシーズンには凄い人出で遊歩道が渋滞するために,遊歩道全体が反時計回りの一方通行とするよう奨励されている.私が訪問したのはちょうど紅葉シーズン11月文化の日の連休だった(ただ直前にあった台風19号のせいか,ピークシーズンの割りに観光客は少なかった).
遊歩道入り口からしばらくは快適な林道である,色づいた木々を見ながら歩くこと20分,往路と帰路の分岐部に到着する.ここには綺麗なトイレがあるので用を済ませておく(この先は遊歩道の最深部に簡易なトイレがあるのみ).順路に従って進んでいくと,ゲートがあってここからは車輛は入れないようになっている. |
始めは林道のような道 |
旧西沢山荘 |
こんな看板が… |
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さらに歩いて現在は営業していない西沢山荘を横目で見ながら進んでいくと二股吊り橋に到着する.ここで渓谷は二股に分かれ,左手が西沢渓谷,右手が東沢渓谷となる.ただ東沢渓谷は遊歩道がなく上級者でなければ遭難の危険大のため立ち入り禁止である.吊り橋を過ぎると遊歩道もこれまでの快適な林道から変わって,岩場やぬかるんだ泥道が多くなる.鎖場はもちろんのこと,最近の雨で川の水量も増えていて,油断すると水にハマってしまう場所もあった. |
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二股吊り橋,道なりに進むと西沢渓谷 |
記念撮影
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最初のスポットなれいの滝
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ただ途中には三重の滝,竜神の滝,恋糸の滝などの滝や人面洞,フグ岩,カエル岩など多くの見どころが点在しているのがうれしい.こうした見どころが多いのは渓谷滝の特徴でもある(長野県の田立の滝,山口県の寂地峡五竜の滝も同じ).
出発から1時間半,母胎淵というポイントを過ぎたあたりに開けた岩場があり,休んでいる人がたくさんいた(休憩スポット的な場所). |
三重の滝 |
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人面洞(言われれば人の顔に見える?) |
竜神の滝
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恋糸の滝 |
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この辺りから遊歩道はいよいよ登りがきつくなる.そして先ほどの休憩スポットから20分ほどで渓谷最深部にある七ツ釜五段の滝に到着となる.この滝は五段に渡って落ち,合計7つの滝つぼを持つことからその名がある.落差は全体でも30メートルほどだが,水平方向に広いのでその全体像を観察するのはなかなか大変である. |
貞泉の滝 |
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母胎淵(甌穴です)
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この辺りから遊歩道もきつくなります |
ようやく七ツ釜五段の滝に到着しました |
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観瀑台から遊歩道をさらに上り,やがて見える不動の滝を過ぎると,そこが遊歩道の終点,ここからは帰路となるかつてトロッコが走っていたコースを歩く.当時のレールが残っていてそれを感じさせる.景色的には往路にはかなわないが,紅葉がきれいなことと,なにより往路に比べると歩きやすい道なのがポイント高い.結局バス停にたどり着いたのは出発から4時間後だった.
(訪問日 2019年11月3日) |
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