山形県日本海側の庄内地方と内陸部の村山地方とを結ぶ六十里越街道は平安時代の昔に開削され,江戸時代には庄内藩主の参勤交代にも使われた歴史ある街道である.一方でこの道は湯殿山のすぐ南側を通るため,出羽三山詣の行者が利用する山岳信仰の道でもあった.出羽山地を縫うように走るため,非常に山深い道である.昭和期以降国道112号線となり路線バスが走るようになったが幅員3メートルの林道同然の道であり,昭和56年に新道(月山道路)が建設されたのに伴い,六十里越街道は旧道となり,主要道路では無くなった.
今回のテーマ七ツ滝はそんな六十里越街道の途中,かつて宿場として栄えた田麦俣集落近くにある.月山・湯殿山の南西を走る国道112号線の新道に並行して流れる梵字川の支流,田麦川に架かる滝で,上段は幾筋かに分かれ,下段で一本に合流する.落差は上段50メートル,下段40メートル,合わせて90メートルである.
鶴岡市内から国道112号線を南下,梵字川と田麦川が分岐する付近から旧道に入って田麦俣の集落近くの七ツ滝公園から滝を望むことができる.
(訪問日 2018年10月24日) |
六十里越街道の古道 |
山深い土地です |
七ツ滝公園の駐車場 |
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