沖縄県唯一の100選滝であるマリユドゥの滝がある西表島は県内で沖縄本島に次ぐ面積を有する島である.多くは珊瑚礁性で平坦な島の多い八重山諸島の中で石垣島と共に例外的に高い山を持ち,島全体がジャングルでおおわれ平野部はほとんどない.降水量も非常に多いために河川が発達しており,南部の仲間川と北部の浦内川はとりわけ規模が大きい.特に浦内川は沖縄県内最大の川であり,今回のテーマであるマリユドゥの滝もこの浦内川にある.
西表島北部の玄関口である上原港からほど近くに船着き場があって,ここから浦内川観光の遊覧船に乗る.浦内川は河口から8キロ程度までは満潮時には海水が流れ込む汽水域となっているため,周辺にはマングローブの林が広がっている(西表島のマングローブ林には日本で観察されるすべてのマングローブ植物があるらしい).
船着き場から遊覧船で川を遡行する.周辺はうっそうとしたジャングルが広がり,関東や東北の景色に慣れた人間にはまるで外国に来たかのような感慨があった(2010年8月に行ったギアナ高地のカラオ川を彷彿させた).約30分で上流の船着き場に到着,ここは自然の岩をそのまま船着き場に利用しているのだが,その岩が軍艦に似ているため通称軍艦岩と呼ばれている.
軍艦岩からはひたすらトレッキングになる.アップダウンはさほどないものの,地面は木々の根が露出している箇所も多く,足場はかなり悪い.ジャングルの中を30分強のトレッキングで滝の展望台に到着である.マリユドゥとは現地の言葉で,「マリ=丸い」,「ユドゥ=淀み」の意でその通り丸い滝壺をしている.滝幅は20メートル,落差は16メートルほどで三段になって落ちている.ちなみに展望台の近くには滝壺に降りる登山道があるようだが,過去に事故があったらしく現在は通行止めになっている.一方で軍艦岩から沢登りをして滝壺を目指すツアーがあるようだ(浦内川観光). |
浦内川下流の船着き場 |
沖縄県最大の川です |
一面マングローブ林 |
上流の船着き場(通称軍艦岩) |
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