北海道東部から北東に突き出す形となる知床半島はその先に続く千島列島とともに太平洋とオホーツク海を隔てる境界となっている.細長い半島の中央には羅臼岳,硫黄山,知床岳と連なる脊梁山脈(知床連山)があり,それらの山々が海に迫っているために海岸は断崖絶壁が多く,人が居住できる平野部はオホーツク海側のウトロ,太平洋側の羅臼など限られたところしかない.ただし,こうした人を寄せ付けない自然環境が,貴重な動植物や生態系をこの地に残すことに繋がっており,1964年に国立公園に指定,2005年には世界自然遺産に登録されている.
そんな知床半島はその急峻な地形から川が直接海に落ちる滝が豊富にあることで知られる.特にウトロ側ではフレぺの滝,カムイワッカの滝など多くの有名な滝があり,主として知床半島クルーズ船から眺めることができる.
そうした知床半島沿岸部の滝群の中でもっとも有名なのが,表題のオシンコシンの滝である.場所はウトロ市街地から南に7キロ,国道334号線傍にある.知床連山の温音別岳の西に源流を持つチャラッセナイ川に架かる滝で,その落差は50メートルあり,途中から滝の流れが2つに分かれている様から双美の滝の異名を持っている.国道傍に駐車場があり,そこから遊歩道を数分で滝の中央部に到着,目の前で優美な滝の姿を拝むことができる.ちなみにオシンコシンとは,「そこにエゾマツの群生するところ」ということを意味するアイヌ語「オ・シュンク・ウシ」が転じたものと言われている.自分は過去この滝を3回訪問しているのだが,1994年と2018年の際は滝の向かって左側は水量が少なめであった.
(訪問日 1994年8月2日,2018年7月16日) |
駐車場傍の売店 |
遊歩道入り口(もう滝が見えています) |
看板とともに |
滝の全景(左半分は水量が少ない) |
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