全島を通して山がちな北海道には当然のごとく滝も多い.日本の滝100選にも6つの滝が選ばれており,これは47都道府県中最多である(2位は秋田,岐阜,兵庫,奈良,熊本,大分,宮崎のそれぞれ4つ).
北海道の100選滝の特徴として,アプローチが比較的容易な滝が多いということが挙げられる.ただこれは北海道の場合アプローチが難しい滝は,冗談でなく人が行けない場所だったりするので,これら6つの滝を上回るスケールや景観の滝が人知れず存在する可能性は高いだろう.
そんな北海道の滝の中で,大都市札幌近郊に位置するのが表題のアシリベツの滝である.場所は札幌市街地の南,支笏湖とのちょうど中間ほどに位置する.支笏カルデラの北縁にある空沼岳に源流を持つ厚別川に架かる滝である.周囲は太古の噴火によって発生した火砕流が堆積してできた地形であるが,堆積物の強度は場所によりかなり異なるために,強度の弱い部分は河川による浸食をうけて峡谷を形成する一方で,強い部分は崖として残ることになった(この崖部分がいわゆる柱状節理を形成している).アシリベツの滝はこの堆積物の強弱の境目部分の落差が滝となったものである.
現在滝は滝野すずらん丘陵公園の一部になっている.当地は通年利用可能なアウトドア活動スポットである.園内は滝の森ゾーン,中心ゾーン,渓流ゾーンと3つのゾーンに分かれていて,アシリベツの滝はそのうち渓流ゾーンにある.とにかく広大な公園なので駐車場だけでも6か所もあるのだが,滝だけを訪問する場合は渓流口料金所の駐車場が便利である.
駐車場からは厚別川沿いに非常によく整備された遊歩道を歩いていく(アスファルト舗装されている).途中焼肉ガーデンアシリベツというつい立ち寄りたくなるスポットを横目で見ながら奥に進むこと約15分で到着である.
滝は落差26メートル,向かって右側の厚別川本流を流れる雄滝と支流である清水沢川から落ちる雌滝の二つの部分からなる.規模としては100選滝の中では標準サイズであるが,整備された公園内であることを思うと感慨深いものがあった.
(訪問日 2017年6月24日) |
滝野すずらん丘陵公園 |
駐車場から滝までは徒歩15分 |
凄く惹かれます(笑) |
遊歩道の終点近く |
アシリベツの滝です |
|
|