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 高遠城の桜

 

高遠への道

 日本人が最も好む花はなんだろうと考えてると,やっぱり桜に行き着く.日本の国花については特に法定されたものは存在しないそうだが,国民一般がイメージする花は桜だと思う.春のお花見は生活の一部として染みついているし,いっせいに花を咲かせて短い時を経てパッと散るさまが日本人の美意識に合致していると考える向きもある.
 日本全国には人々が集まる桜の名所が数多く存在する.特に江戸時代に城だったところが明治後に公園化され,桜の木が植えられたケースがに多い.青森の弘前城公園や福島の鶴ヶ城公園,福井の霞ヶ城公園などが知られているが,信州の高遠城もまたよく知られている..高遠城は武田信玄,さらに保科正之ゆかりの山城として日本100名城にも選定されているが,その一方で天下随一の桜の名所としても有名だ.以前から行ってみたいと思っていたのだが,桜の開花期間は短く,自分の予定と合わせるのが困難でなかなか行くことができなかった(100名城としてなら行ったことはある).
 だが,2009年の春にチャンスが巡ってきた.同年4月11,12日は土日だったのだが,このうち4月11日に京都の宇治で平安時代扮装のイベントに参加するものの,翌12日は特に予定がなかったのである.しかも現地情報によるとこの週末が高遠城の桜が満開になりそうとのこと.こりゃ行くしかないということで,4月11日はイベント終了後名古屋に移動,そこで一泊して翌朝一の高速バスで伊那市へと移動した(高遠は公共交通機関利用で行こうとすると結構大変である).
 ここから路線バスに乗り換えて高遠城に向かうのだが,すでにバス停には同じことを考えている(だろう)大勢の観光客が待っていた.高遠城の桜はお城の中から眺めるのが基本だが,ヘリコプターを利用して上空から眺めることも可能である.せっかくだからぜひヘリにも乗ろうと予約を入れていたのである.

大渋滞の高遠城への道

遊覧ヘリコプター

ジャイアントカプリコのよう

桜に浮かぶ高遠閣
 
 が,行列に並んでバスを待とうかと考えている私の頭にふと嫌な予感が…
 今回の高遠訪問に当たって,地元の方が運営している(らしい)ホームページから情報を仕入れていたのだが(高遠さくら祭り),ここに”この週末は満開で,しかも例の高速道路1000円(2009年から2011年にかけて行われていた,休日に地方の高速道路料金の上限を1000円にする制度)の影響もあり相当な混雑を覚悟して来てください”と紹介されていたからだ.虫の知らせというわけでもないのだろうが,急きょ路線バスはやめて近くに止まっていたタクシーに飛び乗った.
 


高遠の桜

 運転手に行き先を告げると,「多少遠回りになるが確実に早く着けるコースで良いか」と聴かれる.どうやら地元の人しか知らない脇道があるらしい.異論のあろうはずもなくそのまま出発,運転手によると昨日今日は物凄い混雑という,「例の1000円の影響もあるんでしょうが,こんなに混雑した年は初めてだ」と言っていた.
 運転手の言う通り,タクシーの走る道路にはたしかに車がいない.「ほら,向こう見て」と運転手の言う方向を見ると,あちらのメイン道路は大渋滞,たくさんの観光バスや自家用車がズラッと並んでいる.「あの渋滞の先に交差点があって,そこが特にひどいんだ」とのことだった.
 結局最後の方でちょっと混雑したものの,比較的あっさりヘリポートに到着,あのまま路線バスに乗っていたら未だ到着していなかったのは確かである.
 さて,ここからヘリに乗って上空から高遠城の桜を見物することになる.受付を済ませてそのまま待機,ほどなく順番がやってきてそのままヘリに乗り込んだ.そして一気に上空へ,そのまま高遠城方面に向かう.前方には,一面かたまってピンク色に染まった高遠城の姿が,まるグリコジャイアントカプリコのような鮮やかなピンクに彩られた様子は素晴らしいの一言であった.
 10分程度上空を旋回して再び元のヘリポートへ,降機後はシャトルバスを利用して高遠城に向かう.上空からはよくわからなかったが周辺はとにかく人,人,人でごった返していた.前年の7月に100名城目的で来たときは休日だというのにほぼ貸し切り状態だったのとは大違いである.
 この頃になると,そろそろおなかがすいてきたため,まずは近くのお店に入って高遠そばを食べた.ちなみに高遠そばというのはここ高遠に伝わっていた蕎麦というわけではなく,保科正行が高遠から会津に移った際に,当時高遠で食べられていた蕎麦を会津に持って行き,かの地で洗練され「高遠そば」と呼ばれていたものを現代になって逆輸入したものだそうだ.

高遠そば


ソメイヨシノに比べるとピンクが濃い


タカトオコヒガンザクラ


かつての大手門といわれる

 
 食後はいよいよ城内に入っていく.上空から見た時ジャイアントカプリコ見えた通り,本当に一面ピンクに染まっていた.ここの桜はタカトオコヒガンザクラといって,ソメイヨシノより小振りながらも鮮やかな色彩で知られる桜である.特に有名な桜雲橋はまさに桜のトンネルといった感じで,遠くからだと橋を渡っている人々が花に隠れて見えないほどだった.お花見といえばもう一つの魅力は露店であり,この日もたくさんの店が並んでいました.私は牛の串焼きとビール,桜アイス舌鼓を打ったのであった(笑).
 昔から一度見てみたかった高遠の桜を満喫しているうちにあっという間に夕方,帰りは高遠から直接新宿に乗り入れる京王バスを利用したのである(しかし,帰りは一般のバスルートを走ったため渋滞に巻き込まれ,さらに中央道名物の小仏トンネルで大渋滞してしまい,家局家にたどり着いたのは4月13日0時半すぎになってしまった).
 (訪問日 2009年4月12日)
 

有名な桜雲橋

桜雲橋を下から

露店が並ぶ
 

桜アイスです

桜時期の桜雲橋

夏の桜雲橋
 



 

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