大晦日の日中は合唱団の有志とともに,バスでデットモルトの近くにあるハーメルンの街に繰り出した.ここはグリム童話に出てくるネズミ捕り男(注 ねずみ男ではありません.日本ではハーメルンの笛吹きとして有名)で知られた町である.この童話は13世紀にこの町で実際に起こった事件(大量の子供が行方不明になった事件.阿部謹也氏の著書 ハーメルンの笛吹き男 ちくま文庫 1988年はこの事件を取り上げた名著である)を題材にしたシビアなお話である.町のいたるところにねずみや笛吹き男のモニュメントがあり(ねずみのしっぽという料理まであった.何かの肉がしっぽ状に細長くなっているものであった),まさにねずみで町おこしをしているのであった(日野市の土方歳三,高知の坂本竜馬,境港のゲゲゲの鬼太郎のようなものか).実際に街のinformation
centerではカラフルな格好をしたネズミ捕り男がパフォーマンスをしていたのである.私とKはネズミのしっぽ料理を堪能し,大晦日の街めぐりを楽しんだ.
ハーメルン観光から帰り,いよいよ大晦日の夜となった.私は新選組の衣装に着替えてホテルのフロントに降りていった.フロントには丁度今回の演奏旅行のお世話を頂いた日通旅行の添乗員さん(年配のいい味を出していた男性であった)がいてとてもよろこんで,フロントの女性に「これが日本の侍だ」と盛んに宣伝してくれた(フロントの女性はちょっと困ったような表情をしていたが).
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1602年開業のネズミ捕りの家と書いてあります |
ハーメルンの笛吹き
男の像です |
今回の演奏旅行の指揮者のシュマルフス教授と共に |
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