このように松前城は幕末期に完成した城郭であり,日本の近世城郭では最も新しい部類に入る.前述のようにもともとは外敵への備えとして作られた城郭であるが,ここが戦場になったのは皮肉にも戊辰戦争という内戦においてであった.
明治元年(1868年)秋,北海道に榎本武揚を中心とする旧幕府軍が上陸,その攻撃を受け,同年11月5日に落城の憂き目にあったのである.この時,攻撃側の幕府軍の指揮官が元新選組副長の土方歳三であった.
しかし翌明治2年になると新政府軍の反撃が始まり,結局松前城も奪還されてしまうこととなった.維新後は廃城となり建物の多くは解体された.ただ,天守など一部の建物は保存され残っていたものの,昭和24年に火災が発生し天守もこの時に焼失してしまった.現在では本丸御門が現存しているほか,遺構として石垣や堀などが残されている.また火災で焼失した天守も昭和30年代に外観復元された.
|
当時土方歳三が陣を構えたといわれる法華寺から城を望む |
この日はお祭りで武者行列も出ていました |
|
|