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 本州四端

 地球は丸いため基本的に端というものは存在しないはずだが,これが日本という国レベルで見ると,各地に端っこが存在する.一番スケールが大きいのは日本の四端で,最北端択捉島カモイワッカ岬最東端南鳥島最南端沖ノ鳥島最西端与那国島西崎となっている.しかしこのうち最西端の与那国島以外は,民間人が訪れるのは極めて困難な場所ばかりである.そんなわけで一般に到達可能な四端は,最北端稚内市宗谷岬最東端根室市納沙布岬最南端波照間島久成崎最西端与那国島西崎であり,とりあえず金と暇があればだれでも行くことができる(2008年2月現在管理人は宗谷岬と納沙布岬は訪問したことがある).
 もう少しスケールが小さいものとして挙げられるのが,今回のテーマ本州四端である.具体的には

  本州最北端 青森県大間町大間崎
  本州最東端 岩手県宮古市とどヶ埼
  本州最南端 和歌山県串本町潮岬
  本州最西端 山口県下関市毘沙ノ鼻

 のことであり,日本の四端よりは少ない金と暇で行くことができる.

1.本州最北端 大間崎 北緯41度33分 統計140度58分

 本州最北端の大間崎は,マサカリにたとえられる青森県の下北半島の最北端にある.江戸時代には南部藩領であり,幕末愛好家には戊辰戦争で敗れた会津松平家が再興を許された斗南藩領だったところとして知られている.青森県の中でも気候が厳しいところであり,稲作などの農業ができるようになったのは比較的最近である.
大間崎へは半島の付け根,陸奥湾に面したところにある野辺地町から北上するのが一般的である.公共交通機関なら東北本線野辺地駅から大湊線で1時間,終点のひとつ前の下北駅で下車して下北交通バスに乗り換える.むつバスターミナル経由で1時間40分くらいで大間崎に到着である.また遠くからならいっそのこと,函館まで飛行機で行ってそこからフェリーで目指す方法もある(フェリーで1時間40分).自家用車なら国道4号線から野辺地町で279号線に入りひたすら北上(途中ものすごい直線道路があり,ついスピードを出したくなりますが無理は禁物),むつ市を経由してほぼ3時間弱で到着である.大間崎そのものには駐車スペースはあまりないが,ちょっと市街に入ったところに大きな駐車場がある.
 当地は大間マグロで全国的に有名であり,岬周辺には地元で取れた海産物を食べさせる店がたくさんあるので,寄ってみるのも楽しいだろう.またここは2000年の朝ドラ「私の青空」の舞台になったところであり,今でもドラマのロケ写真などが飾られている.

本州最北端の地碑です.

大間崎は土産物屋などで賑わっています.

以前はなかったこんなモニュメントもできていました.
 
 大間崎そのものはたくさんの土産物屋や食堂で賑わっているため,他の端に比べて最果て感はない.本州最北端を示す巨大なオベリスク様の碑の他,近くにも新しい看板が立っている.ちなみに大間崎のさらに先に小さな島(弁天島)があり,厳密に言えばここが最北端という意見もある.
 (訪問日 2007年8月29日)
 

大間は2000年春の朝ドラ「私の青空」の舞台でした.

大間崎の少し沖合いには弁天島があり灯台も建っています.

週末の下北観光には「きらきらみちのく下北号」が便利です.
 
 
 
 


2.本州最東端 とどヶ埼 北緯39度32分 東経142度04分

 本州最東端のとどヶ埼は岩手県沿岸中部の宮古市の東に広がる重茂半島の東端に位置する.岬には明治35年に立てられたという「とどヶ埼灯台」があり,ここはまた映画「喜びも悲しみも幾歳月」のゆかりの地でもある.灯台そばには休憩用の東屋が立っていて,本州最東端を示すプレートは海岸の岩に埋め込まれている.岬から眺める太平洋は雄大で,晴れた日にははるか彼方の水平線が曲線を描いているのがわかり,地球が丸いことを実感させてくれる.灯台と東屋以外には人工物はなく,周囲は無人でもちろん自販機などはない
 このとどヶ埼,アプローチの困難さは本州四端で一番であろう.車やバイクでとどヶ埼に直接乗りつけることはできず,最低往復8kmの道のりを歩かなくてはならないからだ.自家用車利用の場合は,宮古市内から国道45号線を南下し,津軽石というところから左折して県道41号に入る.そこからはひたすら姉吉キャンプ場を目指して走り,キャンプ場を過ぎて数百メートル走った先にある岸壁に車を停めて,そこから歩くことになる(往復8km).公共交通機関の場合は盛岡から106急行バスで宮古駅に行き(JR山田線でも行けるが本数が極端に少ない),そこから重茂石浜・川代行きのバスに乗り換えて1時間15分の姉吉で下車して徒歩往復11km(姉吉キャンプ場からは車の場合と一緒)である.もっともこの路線バスは極端に本数が少ないので,宮古駅でレンタカーを借りたほうが利便性は高いであろう(駅レンタカーがある).

とどが埼に向かう拠点となる宮古駅です.

とどが埼灯台への入り口です.ここから約4キロ歩きます.

灯台までの距離を示す看板が途中何ヶ所かにあります.
 
 キャンプ場からの遊歩道は最初上り坂で息があがり,先行きが不安になるが5分ほどで平坦になり以後はアップダウンの少ない快適な道である.ところどころにとどヶ崎まで○kmの標識があるので励みになる(まだこんなにあるのかと気が滅入るというウワサもあるが).普通に歩けば往復で2時間強かかり,しかも街灯などの明かりは全くないため,日没を考慮してなるべく早めに灯台を目指す必要がある(日没までにキャンプ場に戻れないと,冗談でなく遭難の恐れあり).
 (訪問日 2007年9月8日)
 

本州最東端の碑はこのように岩に埋め込まれています.


本州最東のとどが埼灯台です.

岬からみると水平線が曲線を描き,地球が丸いことが解ります.
 
 
 
 


3.本州最南端 潮岬 北緯33度26分 統計135度46分

 本州最南端の潮岬は黒潮流れる和歌山県串本町の最南端に位置する岬である.観光地としても非常に有名な場所であり,公共交通機関を使ってのアクセスは本州四端の中でもっとも良いと思われる.大阪方面からなら阪和線・紀勢線特急の「くろしお」,「オーシャンアロー」で3時間10分,名古屋からだと特急「ワイドビュー南紀」で新宮駅乗り換え4時間半の串本駅下車,そこから熊野交通バスに乗り換えて17分で潮岬に到着である(岬行きのバスは日中のみ1時間に1本程度運行).
 岬には灯台(潮岬灯台)もあるが,ここはまだ本州最南端ではなくそこからさらに数分歩いた先に本州最南端の碑が建っている.周囲は芝生に覆われた快適な空間になっており,晴れた日にはここでお弁当を広げたりすると楽しそうな感じだ.最南端の碑の傍には売店もあり,ここで最南端到達証明書や地元のお土産などを売っている.一方道路を挟んだ反対側には潮岬タワーが立っている.有料ではあるがこの塔のてっぺんは展望台になっており,ここから雄大な太平洋や岬の景観を堪能することができる(あたりまえだが本州四端は全て海に面しており,どこも雄大な海の眺めが期待できる).またここには売店の他食堂などもあり,ちょっとした時間つぶしにも利用できる.
 潮岬の海は珊瑚の北限といわれるほど温暖であり(ダイビングもできるらしい),私が訪れた晩秋でも心地よい風が吹いていた.
 (訪問日 2007年11月3日)

潮岬に立つ潮岬タワーです.

潮岬タワーからの展望

これが本州最南端の碑,後方に見えるのが売店と休憩所です.
 

近くには違う種類の碑もありました.

岬から徒歩数分にある潮岬灯台です.

大阪方面から潮岬に向かう特急スーパーくろしお号.
 
 
 
 

4.本州最西端 毘沙ノ鼻 北緯34度06分 統計130度51分

 本州最西端の地「毘沙ノ鼻」は山口県の下関市にある.下関市の中心部から20キロほど北西に行ったところであり,JR山陰本線や並行している国道191号線からさほど離れておらず,そんなに辺鄙な場所というわけではない(少なくとも最東端のとどヶ埼よりは).しかしこの毘沙ノ鼻,四端の中では最も観光地度が低く,潮岬,大間崎はもちろん,とどヶ埼と比べても観光資源に乏しい.このため公共交通機関を使ってのアクセスは本州四端で最も不便である(最寄駅であるJR山陰本線梅ヶ峠駅から5キロほどあるが路線バスは走っていない).だが道路はきちんと整備されているため,自動車やバイクでの到達は容易である(下関でレンタカーを借りるのが最もリーズナブルだろう).
 下関市内から国道191号線を北上してしばらく走ると本州最西端を示す案内標識が出現,これに従って左折する.以後は案内板を頼りに十数分走るとなにやらゴミ処分場のような施設が,それを横目で見ながら少し行くと目指す毘沙ノ鼻に到着である.
 毘沙ノ鼻には立派な駐車場があり,ジュースの自販機やトイレまで完備している.そこから案内板に従って1〜2分歩くと目指す展望台に到着である.そこには最西端のプレートの他に,灯台型のモニュメントも立っていた.展望台からは天気がいい日には素晴らしい夕日が眺められるに違いない.
 追記: 本当の最西端はここではなく,隣のゴミ処分場の敷地を通った先の海岸の岩場にあるという.ただ非常に危険な場所であり(海に転落する危険性大),観光客が安易に近づかないようにこの地に展望台を作ったようである.
 (訪問日 2008年2月9日)

このような案内板に従って車を走らせます.

毘沙ノ鼻の駐車場にあるトイレと自販機.おそらくは本州最西のトイレと自販機でしょう.

毘沙ノ鼻の看板です.ここが四端の中では最もカラフルな感じがします.
 

こちらは灯台風のモニュメント(でも毘沙ノ鼻は四端で唯一灯台がありません).

毘沙ノ鼻は玄界灘に面しています.荒波が打ち寄せる海岸が見事です.

こちらが本当の最西端だそうです(確かに近づくのは容易ではない感じがします).
 
 
 
 


5.本州四端踏破ラリー

 さて本州四端を持つ4つの自治体(青森県大間町,岩手県宮古市,和歌山県串本町,山口県下関市)が共同で行っているのが,本州四端踏破ラリーである.当初全国市長会で下関市長と宮古市長がお互い本州最西端と最東端であることで盛り上がり,それではと他の2町を巻き込む形で始まったらしい.ちなみに事務局は下関市役所内にあるようだ.各地でのPR活動に加えて,2007年秋には4首長が最東端のとどヶ埼に結集するという行事も行われている(やっぱりキャンプ場から歩いたのだろうか).
 この本州四端踏破ラリーは本州四端到達証明書4枚のコピーもしくは四端で撮影した自分が写っている写真4枚を送ると,もれなく証明書とオリジナル携帯ストラップが貰えるという企画である.さっそく私が応募したことは言うまでもない.   

これがオリジナルストラップ
    
 
 
 
 
 

本州最西端”毘沙ノ鼻”
 
 

そしてこれが本州四端踏破証明書です.4首長の直筆サインが入っています.
 

本州最北端”大間崎”

本州最南端”潮岬”

本州最東端”とどヶ埼”
     
     


 

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