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 日本三大うどん


 日本三大うどんに何を含めるかは様々な議論があるだろう.ここでは巷で最も流布されている香川の讃岐うどん,秋田の稲庭うどん,群馬の水沢うどんを取り上げる(この他に長崎の五島うどんや愛知のきしめんが入るバージョンもある).
 
 注) 2016年7月24日 五島うどんについて追記しました.
 
 
 

その1 讃岐うどん (香川県満濃町小縣家)

 香川の讃岐うどんといえば知らない人がいないくらい有名である.香川県全体がうどん王国と言うほど,うどん熱の高い地域である.従って,後述の稲庭うどんや水沢うどんのように,うどん店が集中している特定地域はない.それこそ香川県中に無数のうどん店があるが,私の琴線をくすぐったのは満濃町(善通寺市の隣)にある,しょうゆうどんの店「小縣家」である.

小縣家の外観です
 
 しょうゆうどんとはその名の通り,茹で上げて冷やしたうどんに醤油をかけて食べるという,いたってシンプルなうどんである.シンプルすぎて不安になるが,これが実に旨い.   
 私が訪れたのはとある秋晴れの休日,ほぼ開店してまもない時間に行ったのだが,すでに店内にはたくさんの人.席に着くとまず出てきたのは一本の大根とおろし金,どうやら大根をおろしながら待っていてくれということらしい.待つこと数分,うどんが出てきた.茹で上げて冷水で締めたばかりのうどんがどんぶりに入っている.麺の上には薬味用のスダチが.自分で擂った大根おろしを載せて,醤油を好きなだけかけ,後は引っ掻き回して食べる.コシのあるうどんに醤油と大根おろしが絡み合って実に旨い.Simple is best という言葉がピッタリくる小縣家の醤油うどんであった.
 (訪問日 2006年9月18日)

 小縣家のホームページ
 
   

いたってシンプルなうどんです.側にはでかい大根が.

こうして自分で大根をおろしているうちに食欲が沸きます

薬味はお好みで,二日酔いには最高の味です.
 



その2 稲庭うどん (秋田県湯沢市佐藤養助本店)

 俗に関東のそばに関西のうどんという.全国的にも一般に東日本ではそばが,西日本ではうどんが好まれるようだ.私の住む東北もそばどころで,美味しいお蕎麦屋さんも多い.しかしそんな蕎麦王国東北に忽然とまるでそこだけが別世界のように,うどんのメジャーな地域がある.今は湯沢市になってしまった秋田県稲川町稲庭にある稲庭うどんである.
 稲庭うどんの歴史は江戸時代に遡り,北前船で西国から伝わったとか,白石温麺の技術が陸路伝わったなど諸説がある.当時はほとんどが秋田藩主佐竹公による御用品として各種贈答用に作られていたという.製法も一子秘伝とされ,それが一般に公開されたのは比較的最近のことらしい.稲庭うどんの特徴は一週間近く熟成して造られる手延べの麺にある.讃岐うどんや後述の水沢うどんに比べると非常に細く,コシとともにのど越しのつややかさがいい(JASの規格ではかろうじてうどんに分類されるらしい).

稲庭地区には多数のうどん店が並んでいます.

佐藤養助本店の外観です.
 
 湯沢市の中心部から398号線に入って東に向かう.周囲はどんどん山の中の雰囲気になり,こんな所にうどんがあるのかと不安になるが,しばらくすると再び開けてくる.ここが旧稲川町の中心部だ.しばらく行くと,稲庭うどんの看板を掲げたうどん屋さんが立ち並ぶエリアになる.今回入ったのは老舗の佐藤養助本店であった.店内は上品な感じの造りで,大衆食堂といった趣はない.注文したのは,温かい麺と冷たい麺が同時に楽しめるという「味くらべ」である.温かいうどんも悪くはないのだが,個人的にはやはり冷たいざるうどんがいいなあと思った私でした.稲庭うどんは元々乾麺なので,各種贈答品として重宝されます.
 (訪問日 2006年9月24日)

  佐藤養助商店のホームページ

 
 

これが2種類のうどんを同時に楽しめる「味比べ」です.

こちらは温かい麺.具材はシンプルです.

これがざるうどん.つるつるっとしたのど越しが最高です.
   
 
 
 



その3 水沢うどん (群馬県伊香保町田丸屋)

 関東のそば・関西のうどんというものの,当然例外はある.兵庫県の出石町は関西だがそばが有名だ.一方,伊香保温泉で有名な群馬県の伊香保町は関東であるがうどんの土地である.高崎から伊香保温泉に車で向かう途中,水沢観世音(水沢寺)の門前にあたる水沢地区が目指すうどんの地だ.水沢うどんは元々水沢寺の参拝客に,うどんが振舞われたのがルーツといわれる.その歴史はなんと天正年間(16世紀後半,安土桃山時代)にさかのぼるというから凄い.

うどん店が立ち並ぶ通りです.
 
 この水沢寺周辺に20軒ほどのうどん屋さんが軒を並べている.今回は天正10年(1582年)創業という,400年以上の老舗である田丸屋を訪ねた.
 うどんをどのようにして食べるかは好みであろうが,ここ水沢では”ざるうどん”として食べるのがメジャーのようだった.つけだれは一般的な醤油だれのほかに,当地ご自慢の胡麻だれがあり,今回は両方のたれが同時に楽しめる,”三楽御膳二色汁”を注文した.
 出てきたうどんはつややかで表面はさらっとしていているもののコシがあり,つるっとしたのど越しが良いうどんであった.胡麻だれも思ったほどくどくなく,うどんとマッチしたものである.セットで付いてきた舞茸の天ぷらも美味しかった.
 (訪問日 2006年11月11日)

  田丸屋のホームページ
 

創業400年の田丸屋です.

これが三楽御膳二色汁です.

つややかさが見事です.
 
   



その3の2 五島うどん (長崎県五島列島)

 群馬の水沢うどんと並んで日本三大うどんの一角に数えられるものに長崎県五島列島に伝わる五島うどんがある.遣唐使の時代(奈良時代から平安時代前期)に中国大陸から伝わったと言われている.手延べ麺であるのは秋田の稲庭うどんといっしょだが,打ち粉としてでんぷんをつかう稲庭うどんと違い,椿油を使うのが特徴である.手延べの細麺であり,コシはさほどなくプルンとした食感が独特の麺である.
 食べ方としては鍋にたっぷりのお湯を張ってゆでた麺をそのままあご出汁(トビウオ)のたれや醤油でいただく地獄炊きが知られている.
 (訪問日 2016年7月19日 長崎空港にて食す)
   

地獄炊き

「しごくおいしい」が転じて地獄おいしいとなった説があるそうです
   
     
     


 

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