カルスト台地というと山口県が有名であるが,四国にも四国カルストとして同様の地形がある.坂本龍馬で有名な高知市の近郊にあるのが,この龍河洞である.
龍河洞は高知市の東部香美市土佐山田町の三宝山の山腹を流れる水が長い年月をかけて侵食して形成されたものである.その全長は4キロほどあるが,そのうち1キロほどが一般に公開されている.駐車場から長〜いエスカレーターで上に上がると,洞窟の入り口とそのそばに小さな神社がある.これが龍王神社で伝承によると,13世紀鎌倉時代に承久の乱の後,自ら土佐に配流となった土御門上皇がここに入った際,一匹の錦の小蛇が洞内を案内したという.その蛇を祭ったのがこの神社で,以来入洞者の安全守護の神として祭られているらしい.洞内には雲の掛橋,くらげ岩などの鍾乳石によってできた奇岩が多く見られる.龍河洞内も他の三大鍾乳洞と同様整備されているため,誰でも安全に観光ができるが,事前に予約することによって「冒険コース」としてより難易度の高い探索も楽しめるようになっている.
ただ龍河洞の魅力はそれら奇岩ばかりではない.なんとここには,弥生人が生活していた痕跡が残されており,当時の土器なども多数発掘されている.この辺に関しては併設している博物館に詳しい. |
入り口に向かうエスカレーター |
龍河洞の入り口 |
カーテン状の鍾乳石 |
|
|