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 日本三大鍾乳洞


 鍾乳洞とは石灰岩地形が地下水などで浸食されて洞窟を形成したものである.山が多い日本には数多くの鍾乳洞があるが,全国に満遍なくあるわけではなく,特定地域に集中して存在する傾向が強い.特にカルストで知られる山口県や四国,岩手県,福島県などに多い.各地の鍾乳洞はそれぞれ特徴ある魅力を秘めているのだが,俗に日本三大鍾乳洞といった場合,岩手の龍泉洞,山口の秋芳洞,高知の龍河洞の3つを指すとされている. 
 
 

その1 龍泉洞 (岩手県岩泉町)

 岩手県の人口集中地帯である北上川沿い(北上盆地)と三陸海岸の間に広がる北上高地(北上山地)は石灰岩を多く含む,非常に歴史の古い山地である.火山性の山が少ないことから温泉資源には乏しいが,逆に鍾乳洞多発地帯でもある.規模が日本一といわれる安家洞や氷渡洞,映画「八つ墓村」のロケ地となった滝観洞など個性的な鍾乳洞が多いが,その中でもとりわけ有名なのがこの龍泉洞である.
 龍泉洞は岩泉町の中心部から程近い所にある.観光洞として整備されているため,入洞にあたってヘルメットなどの装備品は必要ない(ミニスカートにハイヒールは止めておいた方がいいと思うが).鍾乳洞全体は5000メートル以上と推定されているが,一般に公開されているのはその一部であり,第3地底湖までである.
 龍泉洞の魅力は鍾乳石もさることながら,地底湖の美しさにある.北上高地の腐葉土で濾過され,地底湖に湧き出た水はミネラルに富み,その透明度は世界でも有数といわれている.特に最深部にある第3地底湖は水深98メートルもあり,その青く湛えられた水の美しさは幻想的ですらある.このため龍泉洞はデートスポットとしても知られている(行くと結構若いカップルが多い).
 龍泉洞の水はミネラルウォーターとして商品化されており,国際食品オリンピック「モンドセレクション」で大金賞を受賞している.

龍泉洞の入り口

水を湛える第一地底湖

龍泉洞内部
 
 前述のように龍泉洞の水はミネラルが多く,国産のミネラルウォーターの中では群を抜いて硬度が高い(硬水).また,北上高地はマツタケの産地としても有名であり,秋にはマツタケが食べられるので,この時期の訪問がいいかもしれない.
 (訪問日 2006年10月21日)

 龍泉洞のホームページ

 

いろいろな鍾乳石もあります

亀にそっくりな亀石

天然記念物のコウモリ
 
 
 



その2 秋芳洞 (山口県美祢市)

 カルスト台地で有名な山口県内陸部には鍾乳洞が多い.秋吉台は三億年前には海の中であり,当時のサンゴからできた石灰岩で構成されている.陸地と化したのち徐々に大地の内部が浸食されて鍾乳洞が形成された.秋吉台の下には多くの鍾乳洞があるが,その中でも代表格として有名なのが,この秋芳洞である(シュウホウ洞と発音されることもあるが,正式名称はアキヨシ洞である).JR山口駅からバスで北西に1時間,同じくJR東萩駅からバスで1時間10分程である(JR美祢線の美祢駅からだと25分と近い).
 秋芳洞のバスセンターから土産物屋通りの細い道を歩いていくと秋芳洞と書かれた門が目に入る.ここで入場券を買ってゲートをくぐる.よく整備された庭のようなところをしばらくは小川に沿って進んでいくと,洞窟が大きく口をあけている.
 秋芳洞の魅力は,長い年月の間に形成された鍾乳石にある.入口から入ってすぐに広がる段々畑のような百枚皿や,天にも昇るような太い柱状の黄金柱,まるでたくさんの傘が天井に張りついたかのような傘づくしなどの奇岩に目を奪われる.観光洞としても長い歴史があり,洞内の整備も進んでいるため,ヘルメットなどの特殊装備は不要である(もちろん滑りやすいところはあり,ハイヒールなどはお薦めできないが).

土産屋通りの先に受付が

秋芳洞の入り口

洞内の私
 
 秋芳洞の総延長は10キロ以上になるといわれるが,そのうち一般に公開されているのは1キロほどである.全行程の半ば付近に地上に昇ることができるエレベーターも設置されている.
 (訪問日 2006年10月7日)
 

 秋吉台・秋芳洞の観光サイト

 

百枚皿

傘づくし

黄金柱
 
 
 



その3 龍河洞 (高知県香美市)

 カルスト台地というと山口県が有名であるが,四国にも四国カルストとして同様の地形がある.坂本龍馬で有名な高知市の近郊にあるのが,この龍河洞である.
 龍河洞は高知市の東部香美市土佐山田町の三宝山の山腹を流れる水が長い年月をかけて侵食して形成されたものである.その全長は4キロほどあるが,そのうち1キロほどが一般に公開されている.駐車場から長〜いエスカレーターで上に上がると,洞窟の入り口とそのそばに小さな神社がある.これが龍王神社で伝承によると,13世紀鎌倉時代に承久の乱の後,自ら土佐に配流となった土御門上皇がここに入った際,一匹の錦の小蛇が洞内を案内したという.その蛇を祭ったのがこの神社で,以来入洞者の安全守護の神として祭られているらしい.洞内には雲の掛橋,くらげ岩などの鍾乳石によってできた奇岩が多く見られる.龍河洞内も他の三大鍾乳洞と同様整備されているため,誰でも安全に観光ができるが,事前に予約することによって「冒険コース」としてより難易度の高い探索も楽しめるようになっている.
 ただ龍河洞の魅力はそれら奇岩ばかりではない.なんとここには,弥生人が生活していた痕跡が残されており,当時の土器なども多数発掘されている.この辺に関しては併設している博物館に詳しい.

入り口に向かうエスカレーター

龍河洞の入り口

カーテン状の鍾乳石
 
 また高知県には変わった鶏が多く見られることから,龍河洞周辺には珍鳥センターなどの博物館も併設されているのだった.
 (訪問日 2006年9月17日)

 龍河洞のホームページです

 

劇場の幕のような鍾乳石

奥の千本

雲の掛橋
 
 
 



 

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