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 日本三大桜

 花はそれを見るものに癒しを与えてくれる.世界中にはそれこそ数えきれない種類の花があるが,日本人にもっとも愛されているのはなんといっても桜である.平安時代から日本では単に「花」といえば桜を指し,これは秋の「月」,冬の「雪」と並ぶ春の季語である.国内で人口の多い関東以西ではちょうど入学や年度替わりの節目に咲くということや,一斉に花が咲き,短い時間でぱっと散る様が日本人の好む諸行無常の儚さを連想させるのも人気の所以だろう.
 こうした桜を愛でる風習は花見として現代まで脈々と続いている.日本国内に数多くの桜の名所があり,毎年多くの観桜客で賑わっているが,この中でも日本三大桜といえば,山梨県北杜市の山高神代桜,岐阜県本巣市の根尾谷淡墨桜,福島県三春町の三春滝桜の3つを指すが,この3つに共通するのは樹齢1000年を越える一本の巨木だという点である.
 

その1 三春滝桜 (福島県三春町)


三春滝桜
 
 
 三春滝桜は樹齢1000年を越えるエドヒガン系ベニシダレザクラであり,その樹高は13.5メートル,幹回り9.5メートル,枝張りは南北20メートル,東西25メートルを誇る巨木である.三大桜の中ではもっとも若いだけあり樹勢は他の2つを圧倒している.四方に伸びる枝に咲く花々がまるで滝のように見えることから滝桜の名前がある.江戸時代後期の歌人,加茂季鷹の詠んだ「陸奥にみちたるのみか四方八方にひびきわたれる滝桜花」という歌によって世に知られるようになった.皇居宮殿の正殿松の間にある杉戸絵「櫻」や赤坂サカス赤坂Bizタワーの壁画「四季樹木図」が三春滝桜をモデルに描かれているなど,その知名度は抜群である.周囲に咲く菜の花の黄色とのコントラストも素晴らしく見るものを感動させる.
 (訪問日 2021年4月3日)

三春滝桜のサイト
 

中央に祠が見える

まるで滝のよう

ピンクの花びら
 
 


その2 山高神代桜 (山梨県北杜市)


山高神代桜
 
 
 三大桜の中でも最も歴史が古いのがこの山高神代桜であり,神話時代の日本武尊が植えたという伝説があるほどの老木で,その樹齢は2000年とも言われている.鎌倉時代の親鸞が樹勢の回復を祈願したと伝わることから,鎌倉時代にはすでに老木と認識されていたことがわかっている.品種はエドヒガンザクラ,時代と共に損傷が大きくなっている桜で,現在は樹高10.3メートル,幹回り11.3メートル,枝張り東西南北約15メートルだが,大正年間当時は樹高13メートル以上,枝張りも30メートルを越えていたことが記録されている.近代以降樹勢の衰えが顕著で,一時は枯死の恐れがあるとまで言われたものの,21世紀に入ってから学術的な研究に基づく対策が施され,近年は樹勢を回復し現在でも毎年その美しい花を楽しむことができるようになっている.
 (訪問日 2021年3月26日)

山高神代桜のサイト
 

別角度から

桜は実相寺境内にある

美しい花
 
 


その3 根尾谷淡墨桜 (岐阜県本巣市)


根尾谷淡墨桜
 
 根尾谷淡墨桜は6世紀の継体天皇が植えたとという伝説があり,その樹齢は1500年以上ともいわれるエドヒガンザクラである.樹高16メートル,幹囲目通り9.9メートル,枝張りは東西南北25メートル以上を誇る巨木だ.淡墨桜という名前は蕾の時は薄いピンクであるが,満開時期には白に,そして散り際には独特の淡い墨色を帯びてくることに由来する.
 近代以降観光客の増加による負荷や科学的に正しくない保護により樹勢の衰えが顕著となり,昭和20年代には一時枯死確実とまで言われた.しかし多くの人々の努力によって徐々に回復し,平成年間には再び今その優美な姿を見ることができるようになった(作家の宇野千代氏による努力もよく知られている).
 現在神代桜の隣には接ぎ木された小桜が植えられており,こちらも美しい花を咲かせている.
 (訪問日 2021年4月2日)

根尾谷淡墨桜のサイト
 

やや淡墨色

別角度から

左が小桜
 



 

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