花はそれを見るものに癒しを与えてくれる.世界中にはそれこそ数えきれない種類の花があるが,日本人にもっとも愛されているのはなんといっても桜である.平安時代から日本では単に「花」といえば桜を指し,これは秋の「月」,冬の「雪」と並ぶ春の季語である.国内で人口の多い関東以西ではちょうど入学や年度替わりの節目に咲くということや,一斉に花が咲き,短い時間でぱっと散る様が日本人の好む諸行無常の儚さを連想させるのも人気の所以だろう.
こうした桜を愛でる風習は花見として現代まで脈々と続いている.日本国内に数多くの桜の名所があり,毎年多くの観桜客で賑わっているが,この中でも日本三大桜といえば,山梨県北杜市の山高神代桜,岐阜県本巣市の根尾谷淡墨桜,福島県三春町の三春滝桜の3つを指すが,この3つに共通するのは樹齢1000年を越える一本の巨木だという点である. |
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